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「アヴァター(AVATAR)」ジェームズ・キャメロン

「アヴァター(AVATAR)」ジェームズ・キャメロン監督

「アヴァター(AVATAR)」ジェームズ・キャメロン_e0006365_1716176.jpg「3D」「『タイタニックの』ジェームズ・キャメロン」という話題先行で盛り上がりを見せていた映画が公開された。ネットの世界で「アバター」というものがここ1年くらいで急速に普及したが、それと同じ意味を持つタイトル。違うのは、現実にそこに自分自身の意識を送り込んで「操縦する」ことができるというところか。

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衛星パンドラの世界は、まるでロジャー・ディーンのイラストからのパクリであるかのようだ。そう思っていたら、すでにいろんなところで指摘されているようだ。ロジャー・ディーンのHPでもグーグルで検索してみろという指摘がある。どう見たって、ロジャー・ディーン作品から持ってきたとしか思えない浮島や生物(特にドラゴン)、木々、山々や岩、空。てっきり正式に協力しているものと思ったが、エンドロールをずっと見ていても名前は出てこないし、謝辞もない。ちょっとひどいのではないだろうか。グーグルで検索するといろんな人が色々言っているようなので、そのうち無視できない問題として人口に介するようになるのではないだろうか。
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まぁ、権利関係は今後はっきりしていくのだろうが、それを忘れて映画を見てみると、確かにすごい。面白かった。地球人のアメリカを皮肉ったような商業・経済優先主義的な植民地主義的な武力行使を、これもまたアメリカ的な人間中心主義的な主人公の考え方と行動。武力には武力で、というのが常に付きまとうのは仕方ないのかもしれないが、自然回帰、神秘主義、ヒューマニズム、民族主義と経済主義の対立みたいなお題目は、いつまで経っても重要なままなのだろうか。最近少し食傷気味かも。ただ、圧倒的な別世界の存在感はさすがキャメロン監督だ。大型動物の描き方にはリアリティにおいて多少疑問の余地があるが、植生や自然については、一点、浮島から流れ落ちる滝というありえないものを除いては説得力がある(宙に浮いている島めいた岩の塊に流れ出し続けるだけの地下水があるとは思えない)。
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この映画、どこまで興行成績を伸ばすのか、「2012」と併せて興味深い。なお、最初の画像以外はロジャー・ディーンの作品だ。
by invox | 2010-01-04 17:19 | ■Cinema/Movie

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