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スリー・フレンズ来日公演観戦記

Three Friends Live in Japan 2010 at the Moon Romantic, Aoyama, Tokyo

●1st show 18th Dec. Sat. 2010

  1. Prologue
  2. Playing the Game
  3. Advent of Panurge
  4. Empty City
  5. Just the Same
  6. Pantagruel's Nativity
  7. Proclamation
  8. ~Valedictory(メドレー)
  9. Boys in the Band
 10. His Last Voyage
 11. Giant(including Three Drums)
 12. School Days
 13. Free Hand
   ~encore~
 14. Working All Day


初日、リハーサルでは異様な雰囲気。なんと、アリタリア航空の手違いでローマ空港での乗換の際に、キーボードとベース・ギター(それとゲイリー・グリーンのスーツケース)が東京に着ておらず、急遽、キーボードの音色のプログラミングをゼロからやり直しているというのだ。これは大変なことになった。元々2台使用する予定だったようだが、それが急に1台となったうえに、曲の中での音色の分担が出来なくなったことで、あまりにも大変な手作業が発生するからだ。2ヶ月ほど前にバンドに加入したばかりのゲイリー・サンクチュアリにとっては、まだ楽譜も必要な状態であるため、これは大変なプレッシャーとなっただろうことは想像に難くない。

今回の公演では、昨年演奏しなかった曲も演奏するとのことで楽しみにしていたが、最初のステージで「ザ・パワー・アンド・ザ・グローリー」の1曲目とラストの曲をメドレーで繋いだ7,8が強烈だった。そして、キーボードの大変さをカバーするかのように、ロジャー・ケアリーがむちゃくちゃ凄いベース・ソロを披露(「Just the Same」の中で)してくれた。さらには「ジャイアント」の中で、マルコム・モルティモア、ゲイリー・グリーン、ミック・ウィルソンの3人によるドラム・バッシュが大きな見せ場となった。いやはや、まさか楽器の持ち替えを見ることが出来るとは! これにはとても驚かされた。ゲイリー・グリーンはフロア・タムを、ミック・ウィルソンは2つ並べたコンガをそれぞれ演奏。ミックも上手いが、ゲイリーも様々な叩き方で、マルコムとの違いを出していて、フロア・タム1個で豊かな表情を出していた。これら、ベース・ソロとドラム・バッシュはこの回だけの演出で、日曜の公演だけを見た方には申し訳ないが、とても得をした気分だ。ますますジェントル・ジャイアント張りになってきた、ということを実感した公演だった。


●2nd show 19th Dec. Sun. 2010, Matinee

  1. Working All Day
  2. Free Hand
  3. Just the Same
  4. His Last Voyage
  5. Playing the Game
  6. Pantagruel's Nativity
  7. Boys in the Band
  8. I Lost My Head
  9. Peel the Paint
 10. Think of Me with Kindness
 11. Proclamation
 12. ~Valedictory(メドレー)
   ~encore~
 13. In A Glass House


二日目は、土曜の夕方にようやく届けられたキーボードとベースのおかげでゲイリー・サンクチュアリの顔にも余裕が出てきたようだ。音色の切替についてはこれでかなり落ち着いて対応できるはずだ。前日のキーボードの上にもう1台を重ねる形でセットアップ。1曲目から全開の演奏。昨日よりも自身が感じられる。また、ベースのロジャーも自分のベースということで、よりパワフルな演奏だ。今回も、マルコムの息子のジェームスがエンジニアとして同行しているが、昨年よりもガンガンとパワフルなミックスで低音の効いたロックなサウンドを作り上げている。それに気を良くしたのかギターのゲイリーとボーカルのミックもガンガンにステージで動き回るし、シャウトする。いやはや参った。こんなにもロケンロールなジェントル・ジャイアントは聴いた事がない。それは、昨年の目玉の一つでもあったケリー・ミネアが歌った「Think of Me with Kindness」の今年バージョンにも顕著で、ミックのボーカルは美しく、かつ、パワフル。切々と歌いながらも力強い。バックもフル編成でガツンガツンと来る。この曲がこんなにもエネルギー溢れる曲だったとは、と思
い知らされた感じだ。昨日はやらなかった曲も含めて、大満足の回。


●3rd show 19th Dec. Sun. 2010, Evening

  1. Advent of Panurge
  2. I Lost My Head
  3. In A Glass House
  4. Empty City
  5. Proclamation
  6. ~Valedictory(メドレー)
  7. Think of Me with Kindness
  8. Prologue
  9. School Days
 10. Working All Day
 11. Peel the Paint
 12. Mister Class and Quality
 13. Three Friends
   ~encore~
 14. Giant
   ~2nd encore~
 15. Free Hand


そして、最終公演。実は、昼公演の後で、あるファンから、「アルバム『スリー・フレンズ』の通し演奏というのはやったのですか?」と質問を受けた。もちろん、その時点ではやっていなかったのでそう答えたのだが、本当に彼らがやるのかどうか、実は私自身半信半疑だった。ま、アーティストは気まぐれだから、と半ば期待していなかったというのが本音だ。しかし、彼らはやってくれた。全曲を、アルバムどおりの順番で。昼公演以上にバキンバキンに、ガツンガツンとロックだ。ロケンロールだ。最後の2曲は今回はこの回だけの演奏だったのだが、それだけになお一層、最後の分厚いストリングスの盛り上がり方に涙ぐんでしまった。

そして、アンコール。しかも2度も。最後の最後に「フリー・ハンド」だって!大興奮の会場だった。そして、3度目を求める手拍子は続いたが、メンバー全員が出てきて、ゲイリー・グリーンが、もう勘弁してくれ、巻きタバコをもう巻きかけてるんだ、と笑いを取った。メンバー全員が再び手を振ってステージを去った。

その後、しばらく時間を置いてからファン・イベント。何人かから質問を受け付けた。最初の質問はマルコムに対してスティックの持ち方が昨年と違うようだが、というもの。マルコムはきちんと答えるように見えて、途中で割と適当か?という答え方。その後もマルコムのGG以降の活動についての質問や、ゲイリーに対してアコースティック楽器は使わないのかという質問が出た。ゲイリーに拠れば、自分は練習していないのでもうチェロは弾けないがと笑いを取った後で(もちろん、チェロを弾いていたのはケリー・ミネアだった)、ミックはギターがとても上手いので、将来的には「メモリーズ・オブ・オールド・デイズ」なんかをギター2本でやることはありうるそうだ。リコーダーはちょっと難しいかも、とも。実際今回の日本公演では初回にミックとゲイリーとマルコムでのドラム・バッシュをやったのも、そういう試みの一つだったと答えていた。さらに、ミックとはどこで知り合ったのか?という質問では、昔イギリスで活動していたテイク・ザットというグループがあって、そのメンバーの内何人かがジェントル・ジャイアントのファンだった。マルコムがテイク
・ザットの仕事をした際にミックと知り合ったのだそうだ。ゲイリー・グリーンは、今のバンド・メンバー構成を気に入っていると言い、これでライブ・アルバムか何かを作るかもしれないと発言。もし本当ならかなり嬉しいゾ。

質疑が終わると、サイン大会。二人の元GGメンバーが一番人気だが、ライブで見た彼らの実力に、他のメンバーたちにも多くのファンが喜んでサインを求めていたのが印象的だった。特に2度目となったミックとロジャーにはかなり話し込んでいるファンもいた。ミックは今年5月にもグレン・グールドマンと共に10ccとしても来日しているので、10ccのファンも見に来ていたのかもしれない。最も新しいメンバーのゲイリー・サンクチュアリは、元々セッション活動が中心なため、知名度は低いのだが、ジャズ・ファンク・バンドのインコグニートやギャヴィン・ハリソンのアルバムでの彼の貢献を知る人には貴重なチャンスだったのではないだろうか。かく言う私もギャヴィン・ハリソンのソロ・アルバム「サニティ・アンド・グラヴィティ」に彼のサインを頂いた。

いやはや、ケリーミネアがいなくなっただけでなく、直前9月にメンバー交代があったので心配していたのだが、むしろ、以前よりもロック・バンドとしてのまとまりと押し出しの強さが加わり、存在感がいや増していたのには驚かされた。私が話をした去年の公演を見たファンのほとんどが同じ感想をもたれたようだった。このままバンド活動をぜひとも続けていって欲しいものだ。アルバムと3度目の来日と。
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by invox | 2010-12-20 23:49 | ■Music