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「英国王のスピーチ」(2010 英国/豪州)

「英国王のスピーチ(The King's Speech)」

イギリス映画で、しかも近現代史とは言え歴史の一コマを切り取った作品だというので興味があった。アカデミー賞を取ったというのも「アメリカ映画じゃないなのに」よく取ったな、というのが念頭にはあった。面白そうだ。

監督 トム・フーパー
出演 コリン・ファース、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェフリー・ラッシュ
音楽 アレクサンドル・デプラ

王妃エリザベス役のへレナ・ボナム=カーターは、ティム・バートンの映画やTVドラマ「マーリン」でのモーガン・ル・フェイ役で印象に残っている。この映画でも脇役ながらその存在感は印象的だ。好きな女優さんの一人である。

国王ジョージ5世の御世、といってもすでに立憲君主制に移行した後のイギリス。第一次世界大戦も経験し、ヒトラーがまさにポーランドへ侵攻しようという第二次世界大戦前夜とでも言うべき時代なので、国王の出で立ちも現代風だ。ジョージ6世として知られる人物が実はアルバートという名前だったというのは初めて知った。家族の中では「バーティー」。また、アルバートという名前がイギリスでは「ドイツ風の」名前であるというのも初めて知った。一方でジョージはイギリス的な名前なんだとのこと。ジョージこそ「ゲオルグ」とかドイツっぽいイメージがあったんだけどなぁ。

まぁ、それはさておき、一方の主人公の言語障害治療者はライオネル・ローグ。オーストラリア人だという。元はイギリスの植民地(というより流刑地)だったためか、それだけで蔑みの目で見られているようだ。イギリス人の非イギリス人への蔑視傾向は根深いからなぁという実感とも合う。まぁそういうテーマの映画ではないとは思うので先へ進もう。

吃音は意識すればするほどひどくなる。なぜなら心因性のものだから、というのは今では常識となっているが、この時代にはまだその常識は通用しなかったようだ。しかし、国民の前でスピーチをしなければならない人物が吃音だと、想像も出来ないほど嫌だったに違いない。しかもスピーチは避けられないとなれば...。

コリン・ファースの素晴らしさは今更言うべきことではないだろうし、ジェフリー・ラッシュも素晴らしかった。しかし面白かったのは台詞だ。吃音を乗り越えるために罵詈雑言や悪態をうまく利用する。これがとても面白かった。実際にこのような言葉を使っていたのだとしたら、ジョージ6世はとても親しみやすい国王だったに違いない。そう思わせるに十分な「庶民」ぶりだった。
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by invox | 2011-05-09 21:56 | ■Cinema/Movie