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FARMERS MARKET ライブ!! 久しぶりに見たゾ!

 Farmers Market Live in Japan 2011
 月見ル君思フ(青山、東京) 2011年9月5日(月)

いや、実に久しぶりな感じだ。前回はいつだったのか良く覚えていないが、「サーフィンUSSR」が出ていたような気がするので2008年以降だったと思う。だが、だが、だが。今回のファーマーズは一味も二味も違った。メンバーは不動の5人。

スティアン・カシュテンセン(Stian Carstensen)(accordion, electric guitar, pedal-steel guitar, kaval, ocarina)は、すっかりはげ親父になっていた(遠くから見たらトゥリフォンと見分けがつきにくいほどだ)が、すっかりベテランの外観とは裏腹に、やることは以前よりもさらにパワー・アップした超絶技巧の楽器演奏と無茶苦茶ぶり。オカリナの演奏には完全にやられてしまった。でたらめな歌もしゃべりも最高!

ニルスオラフ・ヨハンセン(Nils-Olav Johansen)(guitar, vocals)は、スティアンと対を成すエンターテイメントを演出。音楽面でもしっかりと枠組みを構築しつつも脱力するというとんでもないことを両立している。彼の歌をもう少し聴きたかったなぁ。立ち位置をほとんど変えずに体を激しく動かすこともないのだが、顔芸だけでも楽しませてくれる。ギターの腕前は凄いのだが、それを見せ付けるようなロック・スターみたいなことは一切しないのがまた彼らしい。

フィン・グットォルムセン(Finn Guttormsen)(5-strings bass-guitar)は、以前は普通の4弦ベースを弾いていたように思うが、勘違いだろうか?>今回は5弦ベース。見た感じは全くノリの悪い演奏スタイル(ほとんど不動)なのだが、出てくる音は素晴らしい。あの狂ったように変化するリズムやテンポでよく演奏できるものだと毎回感心してしまう。このどっしりとしたベースの屋台骨が船の竜骨のようにバンドを支えていると言ってもいいだろう。

ヤーレ・ヴェスぺシュタ(Jarle Vespestad)(drums)は、すさまじい。良くあんなドラムスを叩けるものだ。破壊力も疾走感も、ノリも最高。単純な曲が一個もないのに全くリズムが崩れないのは彼とフィンのおかげだ。フィンガ竜骨なら、ヤーレは船体そのものかもしれない。また、彼はバンドの中でもっとも普通に笑ったりして、一番親しみやすいキャラクターだ。バンドのはげ三人衆のうち、スキンヘッドなのはヤーレだけなのだが、普通なら強面になりそうなところをその人懐こい笑顔で人気が高い。実際イケメンだ。

トゥリフォン・トゥリフォノフ(Trifon Trifonov)(alto-sax)は、初来日の時からすっかりお友達になってしまった。最年長で唯一ノルウェー人ではなくブルガリア人なのだが、ファーマーズの音楽はトゥリフォンの持ち込んだブルガリア音楽がベースになっているというのも面白い。聴き様によっては、スティアンのアコーディオン演奏などはトゥリフォンのサックスを真似するところからスタートしたのではないか、とすら思える。バンドがどんなにどたばたをやっていても、一人ステージの片隅で淡々と演奏したり、居眠りしたり、疲れたように座っていたりと、見ていて全然飽きない。その存在自体が面白い。今回、これまで機会がなかった彼のソロ・アルバム(ブルガリアの伝統的な結婚式の音楽集)へのサインもやっともらえたが、話をするにはあまりに時間がなさ過ぎた。だってファーマーズは演奏を終わらせるつもりがないのでは、と思えるくらい延々と演奏し続けるんだもの。

今回は、専属エンジニアとしてStig Aron Kamonenを帯同してきていた。そのおかげかどうかは分からないが、これまで見た中でも最も音の迫力があった。もうほとんどロック・コンサートである。10年前、お台場メディアージュにあったライブ・レストラン「トリビュート・トゥ・ザ・ラブ・ジェネレーション」(通称TLG)で初めて見た時にも凄く驚かされたが、今回は、すでにバンドをよく知っているにもかかわらず、さらに驚かされてしまった。これは凄い。

2008年の4枚目のアルバム「サーフィンUSSR」以降、作品を発表していないが、そろそろ何か出して欲しいと思っているのは私だけではないだろう? 会場の月見ルが満員なのを見た観客の一人が感心しているのに対して、「ここまで来るのに10年かかった」という主催者の言葉がしみじみと胸を打った。たしかに10年前のTLGでの観客はもっと少なかったが、でも、その分、当時2枚のアルバムしか出ていなかったファーマーズを見に来るだけに、とても熱心なファンが多かったのも事実である。
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by invox | 2011-09-08 10:43 | ■Music