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ヴィム・ヴェンダース 「ランド・オブ・プレンティ」」

e0006365_11293360.jpg久しぶりにヴィム・ヴェンダースの映画を映画館で見た。「Land of Plenty」つまり豊かなる国=アメリカを題材とした作品だ。舞台はもちろん現代。場所はLA。といっても「都会的でおしゃれな」作品にはならないところが彼らしい。主人公は20歳の女の子。といっても母親に連れられてアフリカとイスラエルで育ってきた、という設定だ。その母親が死んだ際に託した相手が実の兄。ベトナム帰還兵で強迫的にテロリスト対策(調査・監視・追跡)を実行する男。

伯父のいるLAに、教会の貧民救済所(いわゆるMissionだ)を頼ってやってきた姪は、イスラエルの友人とMacでチャットをしながら日々を送る。伯父は勝手に市民を見張り、勝手にめぼしを付けたイスラム教徒らしき人物を尾行する。この伯父と姪の奇妙な物語。およそ2時間。淡々としたヴェンダース節は健在。何を目的に人は生きるのか、目的は目的足りうるものなのか。それを失ったとき人はどうなるのか。偏見と差別は何を根拠としているのか、その根拠は確たるものなのか。それが崩れたとき人はどうするのか。難しいのはすべてを受け入れること。簡単なのはすべてに目と耳をふさぐこと。この豊かな国アメリカで、人は何を見ているのか。見つけるのか。
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音楽はもちろんいい。主題歌はレナード・コーエンが歌っている。作詞作曲もそうだ。メインの音楽はトム&ナクトということになっているが、大事な場面でもう一曲レナード・コーエンが登場している。ほかにもデヴィッド・ボウイーの曲が1曲使われていたりするが、基本はポピュラー音楽だ。不思議と心にしみる音楽だ。トム&ナクトはどうやらまだキャリア的には新人の部類に入るらしい。とむは、トーマス・ハンライヒというのが本名。ヴィヴィッドというドイツでの人気バンドのフロントマンからソロ転向したシンガー・ソングライターだとのこと。e0006365_1152122.jpgドイツでは高く評価されたデビュー作『Gods&Monsters』(03年/『istory』と改題され今年3月に日本でも発売)がある。もうひとり、ナクトは、そのトムの友人でマルチ・ミュージシャンのパトリック・クリステンセンという人物らしい。レナード・コーエン以外、アメリカではなくドイツやイギリスのパンク系のミュージシャンの曲をポイントごとに使い分けているところが特徴か。
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by inVox | 2005-11-03 11:53 | ■Cinema/Movie