ブログトップ

Out of My Book

invox.exblog.jp

Official inVox Blog; Watched, Read and Listened in my real life.

Ensemble Contemporary α 2005

コンテンポラリー・ミュージック、という言い方が定着しているのかどうかよく分からないが、ぶっちゃけて言えば「現代音楽」のことだ。字義的には現代のリアルタイムに創作された音楽であればすべて対象となるはずなのだが、狭義の定義はクラシックから派生した「現代音楽」はかなり狭い範囲を指す言葉だというイメージがある。そこで登場したのがこのカタカナ言葉なのかもしれない。日本語の不思議なところで、同じ言語でも漢字の訳語で表記するか、そのままカタカナで表記するかで印象が異なるのだ。「ミステリー」と「推理小説」が違うニュアンスで使い分けられているのと同様に「現代音楽」と「コンテンポラリー・ミュージック」も使い分けられる傾向がある。もっとも、これらの言葉を使っている人口自体少ないのでその使い分けについてはかなり曖昧で、定着していない。まだまだイコールで捉えられているケースも多い。

さて、この現代音楽の領域で活躍する演奏家、作曲家の中にはロック・ファンにとってもなじみのある名前がいくつか登場する。シュットックハウゼンやスティーヴ・ライヒ、ジョン・ケージ、あるいはテリー・ライリーといったところは馴染みの深い名前であることだろう。あるいはフィリップ・グラスなどはむしろロック・ファンの方が多い可能性すらある。

日本の現代音楽のミュージシャンにおいてもロックを好きな人はいるようだ。usami氏のブログでその名前を知った黒田亜紀(piano)神田佳子(per)という二人の女性プレイヤーは黒田さんの3枚目のアルバムとなる「タルカス&展覧会の絵」というアルバムで楽曲のサンプルも聴いたがusami氏の紹介がなければ私は出会うことがなかったかもしれない。実を言うとキース・エマーソンあるいはエマーソン・レイク・アンド・パーマーはあまり好きとは言えないしアルバムも一枚も持っていない。しかし中学生の頃にはFMラジオで何度か聴く機会があったし、「展覧会の絵」はアルバム丸ごとエア・チェックしたテープで聞いていたこともある(そうそう、ザ・ナイスのアルバムは持ってました)ので、サンプルを聴いた限りにおいてもなかなか面白そうだというのはよく分かった。黒田さんはどうも関西ベースの活動のようだが、次の生演奏は12月17日の第2回 ヤマハグランピアコンサートにゲスト出演するものらしい。

e0006365_1222185.jpgところが、この同じ12月17日(土)は、東京でも重要なイベントがあるのだ。それは先に見に行った鈴木生子さんが出演する「Continental Continuo~ヨーロッパと日本の現在の潮流から~」と銘打たれたアンサンブル・コンテンポラリー・アルファによるリサイタル・シリーズのひとつだ。この音楽家団体アンサンブル・コンテンポラリー・アルファには、先述の黒田亜紀さんと神田佳子さんも所属しているというのだから面白いではないか。俄然興味が湧いてきやしないだろうか。
e0006365_12222361.jpg
鈴木生子さんは、昨年突然VdGGのデヴィッド・ジャクソンの公演に参加し、オープニング・アクトとしてのみならずデヴィッドのステージでも堂々たる演奏を見せて・聴かせてくれたのが記憶に新しいが、本人のレパートリーにはストラヴィンスキーをはじめ、より複雑でスリリングな現代音楽の作品が並んでいる。また、本人はパティ・スミスやエルビス・コステロなどのポピュラー・ミュージックも好きなようだ。これもまた面白いと思う。一見あまり関係のない音楽もこういう形で出会うことがある。聴くだけの人間と演奏する人間とでは多分音楽の聞こえ方は違っているだろう、というのが私の個人的な意見だが、まったく違う音楽を演奏するミュージシャン同士が仲がよかったりするというのもよくある話で、そういった形での音楽の出会いというのはさらに面白いものを生み出していっているに違いないと考えている。
[PR]
by inVox | 2005-11-20 12:22 | ■Music