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奇談 諸星大二郎

諸星大二郎のことは、長いこと忘れていた。大学時代に読んだいくつかの作品はそれなりに強烈な印象を与えてくれたはずなのだが、就職後、なぜか作品に触れる機会がないまま15年以上が経ってしまった。この映画は、その諸星大二郎の代表作のひとつである「生命の木」の映画化だという。タイトルは「奇談」。なにやら「怪談」を連想させるタイトルではある。
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原作の漫画を読んだことがあるはずだが、完全に忘れていた。だからこの映画が原作にどの程度忠実なのかは分からない。しかし、この映画は諸星大二郎の世界そのものだ。いや、見てよかった。阿部寛が主役の一人として出てくるので、彼の強いキャラクターが邪魔をするかもしれないと心配したが、杞憂だった。むしろ彼の稗田礼二郎は適役かもしれないが、演出上あまり強烈な印象は与えることはなかった。やはり若い女性の主役がいるとそうならざるを得ないのだろうか。

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キリスト教にからんだ小説が世界的にはやっている。しかも異聞ものばかりが。聖書の研究が神学的な観点でも、考古学的な観点でも、人類学的な観点でもそれぞれが進んできた、ということだろうか。小説版聖書というものから、フィクションまで幅広い作品が売れている。この映画の元になった「生命の木」という漫画は1974年か1975年に発表されている。もちろん、昨今の流行とは無関係だ。日本でのキリスト渡来説や復活説などもまだまだ出ていなかったのではないだろうか。そんな中で大胆なルシフェルの設定などは恐れ入る。デビルマンとは違った形で神話的異界を見せてくれる作品だ。今年見た中でも屈指の作品である。
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by inVox | 2005-11-23 14:13 | ■Cinema/Movie