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"Tsastuska" Burlakat

"Tsastuska" (1999 BUR1-99) Burlakat

e0006365_23463829.jpg  1. CIGANAIZET
  2. VOI JOS MIE TOK
  3. HEILANI HYVASTIJATTO
  4. IHANAINEN VIRTA
  5. SANON SINULLE
  6. EI TEE MIELI
  7. NEIDO
  8. KUN MUN KULTA
  9. PAJATAN
 10. LASKETTAKKUA BRIHAT HEVOT
 11. TSASTUSKA

いよいよ、来日公演まで1ヶ月を切った、ということで、Pauliina Lercheのことを少し書いておきたい。彼女が参加しているバンドの中で、現在も活動を行っているのは、今回の来日するバンドを含めて3つ。二つ目は伴侶であるPETER LERCHEと一緒に組んだ"Kriya"。こちらのアルバムは先に紹介したのでそれを見て欲しい。そしてもうひとつのバンドであるBurlakatの最初のアルバムをここでは紹介しておきたい。というか、ようやく手に入れることが出来たのだ。Burlakatは、昨年フィンランドでのフェスティヴァルにも参加しライブ活動を行っているが、その活動歴は思いのほか長い。

1993年、バンドは4人の友人たちの間で発生した。この4人が本当の意味でのオリジナル・メンバーなのだが、翌年には音楽的求心力を高めるために二人のメンバーが参加している。そのうちの一人がPauliina Lerche というわけだ。実質的にはこの6人がオリジナル・メンバーと考えて良いだろう。

1993 - Johanna Koukkunen: vocals, 10-string kantele
1993 - 1996 Jukka Korhonen: guitar, banjo
1993 - 2006 Tarja Lamminsalo: accordions
1993 - 2006 Tuomo Lamminsalo: mandolino, guitar
1994 - Pauliina Lerche (Luukkanen): violin, vocals
1994 - 1996 Mirva Oinonen (Epailys): vocals

ここで紹介するアルバム「TSASTUSKA」でCDデビューしたのは1999年。そこで演奏しているのは上記の6人から二人が脱退し、以下の2人が参加した6人編成となっている。

1996 - Sirkka Kosonen: vocals, 10-string kantele, 2-row accordeon
1996 - Vesa-Pekka Pisto: bass

このうちの一人Sirkkaは、バンドのメンバーに歌を教えていたらしい。また、ゲストとして参加しているAntti Pyykkoは、アルバム発表後に正式メンバーとなっている。

1999 - 2006 Antti Pyykko: percussion

ゲストと言えば、このアルバム製作時には既に脱退していたオリジナル・メンバーのJukka Korhonen(guitar, banjo)も5曲ほど参加している。

2000年にはこのアルバムのプロモーション・ライブを行ったのだがその際にパーカッション奏者としてサポート参加したJukka Kyllonenは、その後ギタリストとしてバンドに参加している。

2000 - Jukka Kyllonen: guitar, percussion

2003年には、10周年記念ライブを行い、2枚目のアルバム「Magie」を発表している。その時は8人編成だ。このときが一番メンバーが多い。この「Magie」についても随分前に簡単な紹介はしている。

昨年のライブの時点でどうやらまたメンバー・チェンジがあったようで、すでにオリジナル・メンバー4人のうち3人はバンドを脱退しているようだ。その代わりに、新たにアコーディオン奏者を一人加えている。

2006 - Lasse Eronen: accordion

現在のバンドがどのような状態なのかはよく分からないが、整理してみると以下の6人が正式メンバーとして残っていると推測される。

Sirkka Kosonen  - vocals, 10-string kantele, 2-row accordeon
Johanna Koukkunen - vocals, 10-string kantele
Pauliina Lerche  - violin, vocals
Vesa-Pekka Pisto - bass
Jukka Kyllonen  - guitar, percussion
Lasse Eronen   - accordion

バンドの表情を作るメインボーカルはSirkkaなのだが、ヴァルティナ同様にJohannaとPauliinaを含めた2声、3声のコーラスが力強くバックアップしている。そして、縦横に走るアコーディオンに軽々と飛び回るPauliinaのヴァイオリンが絡むのだが、これらの上物を支えるベースの存在感が渋い。とはいえ、2枚目を先に聴いてしまった私にとっては、この1枚目でのバンドの個性はまだまだおとなしい。2枚目では顕著なジャズの風味がそれほど入ってきておらず、フォーク・ミュージックのそもそもの魅力が全開なのだ。フィンランドの東部、ロシアとの国境付近に位置するカレリア地方の伝統的なフォーク音楽が根底にあり、そこにクラシックやジャズの影響がそこはかとなく入ってきているとでも言えばいいのだろうか。

音楽的な求心力を与えているのはやはりPauliina Lercheのようだ。アルバムは全体を通してトラッド楽曲をバンドがアレンジをしたり、菓子をつけたりしたものを演奏している。3人の女性ボーカルがそれぞれの楽曲をとても表情豊かなものとしている。このデビュー・アルバムのプロデュースはTimo Alakotilaとなっている。私にとっての最初のFinnish Accordionとの出会いであるマリア・カラニエミと一緒に来日したあのティモのことなのだろうか。なんとなく上品さが漂う本作の作りはこのプロデュースに負うところも多いのではないかと思う。

なんと言えばいいのか、すがすがしい気持ちのよさが潔く、とても好感が持てる音楽だ。フィンランドのフォーク音楽のすべてがこうだとは思わないが、少なくともカレリア地方の音楽はヴァルティナも含め、とても魅力的だと思う。
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by inVox | 2007-02-05 23:46 | ■Music