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「ドリーム・ガールズ」「幸せの力」「ハッピー・フィート」

「ドリーム・ガールズ」「幸せの力」「ハッピー・フィート」


帰りの飛行機の中で見た3本。アメリカのアイドル的な歌手という認識しかなかったビヨンセが主演ということで全く期待していなかったが音楽映画という一点だけで見ることにした「ドリーム・ガールズ」。これが思いのほか良かったのだ。今までビヨンセの歌を聴いたこともないし映像も見たことがなかったことが幸いしたのは言うまでもない。音楽はソウルからディスコにまたがるもの。エディ・マーフィーの役どころも嫌味のない演出だ。元々ミュージカルだということらしいが、台詞が歌になる場面もそれほど不自然ではなかった。やっぱり音楽に一生懸命になる人を見るのはいいものだ。


ウィル・スミス親子が演じた成功者の下積み時代、と言ってしまうと身も蓋もないが、仕事がうまく行かず妻に逃げられ、救護所(教会?)に泊まるために毎日必死で列に並んだり、証券会社の正社員になるために給料の出ないインターン期間を何とか乗り越えていく間の死にそうな生活が描かれている。最後に正社員に採用されてからの話(本当の意味ではここからがサクセス・ストーリーのはず)は僅かにナレーションで触れられるだけ。言ってみれば、昔ながらの「...そして、それからは幸せに暮らしましたとさ」で終わる御伽噺のような映画。苦労に苦労を重ねた挙句の幸せ、というのはいかにもキリスト教国的なストーリーなのかもしれない。どんな時でも神は見捨てないし、天は自らを助けるものを助ける、という考え方が根底に見え隠れする。悲惨さをこれでもかと畳み掛けた後のハッピーエンドはカタルシスではあった。


皇帝ペンギンを主人公としたCGアニメ。全ての皇帝ペンギンには自らのうちに「心の歌」なるものがある...、というのだが、歌われる歌はヒット・ポップスばかり。オリジナルを歌うペンギンは一羽もいない。その中で歌うことが出来ず、足が勝手にタップを踊る変わり者、というのが主人公。変わり者であることが理由で爪弾きにされ、最後は群れを出て行かざるを得なくなる。全体の調和を乱すというわけだ。その変わり者が孤立するというわけではない、変わり者に影響されるものが多数出てくる、というのが爪弾きの理由だ。保守派による変化の拒絶。もっとも、主人公は革新派というわけではない。自分を受容れて欲しいだけ。だが、その主人公も、イワトビペンギンでは仲間としては不足、と言うより端から同じレベルで見ていない。言い換えれば無意識で行われている人種差別の一形態。仲はいい、友達だ。でも本当の仲間ではない。人種主義、民族主義、そういったものが背景に流れているような気がしたのは気のせいだろうか。
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by inVox | 2007-04-23 23:49 | ■Cinema/Movie