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「スターシップ・トゥルーパーズ3」(米 2008年)

スターシップ・トゥルーパーズ3」(米 2008年)

e0006365_23571128.jpg監督・脚本:エド・ニューマイヤー
製作総指揮:ポール・バーホーベン クラウディオ・ファエ
製作:デヴィッド・ランカスター
撮影:ロレンツォ・セナトーレ
音楽:クラウス・バデルト  イーアン・ハニーマン  アンドリュー・レイハー
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、ボリス・コジョー、スティーヴン・ホーガン、アマンダ・ドノホー、ステリオ・サヴァンテ

「ロバート・A・ハインライン原作」を掲げて第1作目が公開されたのがすでに10年も前のことだと言うので驚いた。劇場に見に行ったし、TVシリーズのDVDも持っている。映画の「ST2」も見たが、こちらは、原作とは全く関係なく、面白かったが、興行成績的には悪かったのではないかと思う。だから、逆にこの「ST3」があまりにも派手に宣伝されていることには違和感を覚える。タレントまで起用したキャンペーンや、出演者の来日など。まぁ1作目もずいぶんとは出に宣伝していたよう泣きがするので、これで当たり前なのかもしれない。その甲斐あってか劇場の入りも悪くはなかった。まぁ一日二回の上映が夕方以降になっているのも、観客層を社会人中心に想定しているからだろうか。夏休みだし、昼間は子供や家族連れ、夜は大人の映画、ということだろう。それにしてもジョニー・リコ、年食ったなぁ。

本作も、登場人物や設定は原作から持ってきてはいるが、舞台設定や時間軸は大きく異なっている。というか、この映画のためのオリジナル・ストーリーなので当然か。戦争や全体主義に対するパロディ、風刺を利かせた、などと言ってはいるが、果たしてどこまで本気だか。あるいは、どこまで見ている人がそう思うか疑問だ。単純に銃を撃ちまくり、バグズを殺しまくるところだけが印象に残るようでは困る。パロディと言えば、宗教もパロディ化されている。現在のキリスト教圏でどこまで受容れられているのかよく分からない。この映画では、シリアスさも笑いの対象の一つだ。

ハインラインは、「宇宙の戦士」と「月は無慈悲な夜の女王」の二作品を通じて一貫している。前者は戦争賛美のように言われ、後者は革命教科書とも言われているが、根っこは一緒だ。「自分の命と自由は自分で勝ち取れ、自分で守れ。」そうすることが出来る人だけが尊敬に値すると考えていたようだ。自分に厳しく、他人に優しく。だけど、だが平和と命を害するものには毅然として立ち向かう。たとえ暴力に対しては暴力で対抗せざるを得ないとしても躊躇しない。そういうところはネルソン・マンデラの考え方も似ているのかもしれない。「暴力に対して真に有効だったのは歴史を通じて別の暴力しかなかった」という考え方だ。

ここで問題にされるのは、「悪しき」暴力と「良い」暴力をどうやって区別、判断するのか、ということだ。何が「良い」のか「悪い」のか、「誰が」判断するのか。そしてそれは「正しい」のか。どうやってそれが「正しい」ということを知るのか。よく「歴史が判断してくれる」とか「歴史が証明してくれる」と、判断を放棄する発言をするリーダーも多いが、それが現実だろう。だれも判断できないのだ。そうやって「信じて進む」人たちが何と多いこと。それはある種恐怖ですらある。その恐怖に負けて「何もしない」を選択することもまた同じようなものだ。出来ることは、そういうことについて、考え続け、悩み続けることしかないのだろう。もちろん、行動しながら。
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by invox | 2008-07-23 23:57 | ■Cinema/Movie