ブログトップ

Out of My Book

invox.exblog.jp

Official inVox Blog; Watched, Read and Listened in my real life.

カテゴリ:■Cinema/Movie( 134 )

オーケストラ(LE CONCERT)」(2009年 フランス)

監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコブ/メラニー・ロラン/フランソワ・ベルレアン

e0006365_22434037.jpg


ソ連のボリショイ交響楽団の元指揮者(現清掃員)アンドレイ・フィリポフが主人公の音楽映画。クラシックの名曲も数多く出てくるし、最後のクライマックスは延々とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が演奏されるのだが、その合間合間に出てくる音楽は種々雑多で、とくにコンサート・マスターの弾くジプシー音楽のような音楽は最高だ。たくましきロシア人音楽家たちが最後に見事に演奏しきっていく痛快さが心地よい。もちろん、秘められたストーリーが顕になっていく過程も面白い。コメディでありながらもソ連時代の人種差別を批判するというところも過剰でなく、丸くなく、演出過多でもない。久々の音楽映画でのあたり作だ。
[PR]
by invox | 2010-05-11 22:44 | ■Cinema/Movie
17歳の肖像(An Education)」(2009年 イギリス)

監督:ロネ・シェルフィグ
脚本:ニック・ホーンビィ
出演:キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、アルフレッド・モリーナ、ロザムンド・パイク、オリヴィア・ウィリアムズ、ドミニク・クーパー

1961年のイギリスが舞台。パブリック・スクールの女子高生が主人公。当時のイギリスは高校生でもタバコをぷかぷかとふかしていたのか、そういう場面が多かった。スタンダード・ジャズやシャンソンが始終流れていたが、まだロックンロールやR&Bですら耳にすることのなかった時代だ。そして、詐欺師でさえ礼儀や作法を多少なりとも守っている。劇中にC.S.ルイスの名前が登場するが、調べてみたらルイスは1963年11月に亡くなっている。映画の中ではまだ生きていた。そういう時代なのだ。

e0006365_2242995.jpg


パリに行く場面や、ジャズ・クラブでの食事のシーンなど、とても綺麗な映像だった。街中の通りや学校のシーンでもイギリス的な空気を良く表していた。どう言えば良いのか良く分からないが、印象に残る映画だった。調べてみたら以下のように、たくさんの賞を受賞した作品だった。

・サンダンス映画祭:観客賞、撮影賞
・英国インディペンデント映画賞:英国主演女優賞
・2009年ナショナル・ボード・オブ・レビュー:主演女優賞
・ハリウッド映画際:ブレイクスルー女優賞
・英国アカデミー賞:主演女優賞
・ロンドン映画批評家協会賞:英国主演女優賞
ほかに、第82回アカデミー賞(2010年3月)での作品賞と主演女優賞にノミネートされたという。あらまぁ、すごく評価されてたんだ。
[PR]
by invox | 2010-05-10 22:43 | ■Cinema/Movie
アリス・イン・ワンダーランド(Alice in Wonderland)」(2010年/アメリカ)

監督:ティム・バートン
出演:ミア・ワシコウスカ/ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター/アン・ハサウェイ

e0006365_2372139.jpgティム・バートンである。ジョニー・デップである。いつものテイストたっぷりである。予想可能な範囲であるが、ま、それも楽しみの一つと言えなくもない。ストーリーはオリジナルの小説2作を下敷きにしているとは言え、新たに創作されたもので、なんと19歳のアリスが主人公になることで目新しさを出している。マッド・ハッターのキャラクターも原作を離れて作られたものだろうし、赤と白の女王たちもちゃんと個性を与えられていて面白い。現実世界の登場人物も薄くなく、きちんとした世界として、アンダーランドとのバランスを見事にとっている。

これも3D上映だったのだが、XpanDではなく、IMAX 3Dでの上映を選択した。めがねが軽く、視野も広い。メガネの上からかけてもまったく問題のないのが嬉しい。これを一度体験したら、XpanD方式のものを見る気がしなくなる。画面が大きいので迫力もあるので見ごたえがある。今後選べるならばIMAX 3Dでの鑑賞にするだろうな、きっと。
[PR]
by invox | 2010-05-09 23:07 | ■Cinema/Movie
タイタンの戦い(Clash of the Titans)」(2010年 アメリカ)

監督:ルイ・レテリエ
キャスト:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ジェマ・アータートン、マッツ・ミケルセン、ジェイソン・フレミング、アレクサ・ダバロス、リーアム・カニンガム、ハンス・マシソン、ニコラス・ホルト、ピート・ポスルスウェイト

e0006365_15262635.jpgこちらもリメイク作品。オリジナルは1981年のアメリカ映画で、監督はレイ・ハリーハウゼン。オリジナル作に登場した怪物はほぼすべて登場させながらも、ストーリーとキャラクター設定はまったく別ものにしたという。オリジナルは何度もTVで放送されているので見たことがあるが、巷で言われているほど名作だとは思えなかった。たしかに特撮は当時としては面白いものだったのだろうが。このリメイク版は、ストーリーもよりシンプルで、エンターテイメントに徹しているといえるだろう。キャストも豪華らしい。その分、楽しむには十分な仕上がりになっていた。あぁ、面白かったとすら言えるかもしれない。

今回見たのは、XpanD方式の3D上映だったのだが、前評判に違わず、メガネが悪かった。重さは最初気にならなかったが時間の経過と共に鼻に食い込んできた。しかも、悪いことに、通常のメガネの上からかけるには、内側のスペースがなさ過ぎる。メガネをかけて見なければならない人のことを考えずに設計されたとしか思えない作りだ。一番最悪なのは、視野が狭いこと。顔を動かさずに目だけでスクリーンの端を見ようとすると、めがねのフレームが気になってしょうがない。これでは3D映画の評判を落すのではないだろうか。もちろん、アクティヴ・シャッター方式なので、画面輝度が落ちて見えるのは言うまでもないが、それはまだ慣れれば平気だったのだが、視野の狭さとかけづらさはいかんともしがたかった。残念。
[PR]
by invox | 2010-05-08 15:27 | ■Cinema/Movie
ウルフマン(The Wolfman)」(2010年 アメリカ)

監督:ジョー・ジョンストン
音楽:ダニー・エルフマン
キャスト:ベニチオ・デル・トロ、アンソニー・ホプキンス、エミリー・ブラント、ヒューゴ・ウィービング、ジェラルディン・チャップリン

e0006365_23565066.jpg1941年製作の有名な古典ホラーをベニチオ・デル・トロ&アンソニー・ホプキンス主演でリメイクしたもの。19世紀末のイギリスが舞台だが、田舎町とロンドン市街との対比はそれほど大きくはない。馬と馬車が行き交う風景には違和感はまったくない。シェークスピア俳優である主人公ローレンスのベニチオ・デル・トロという俳優さんは、私には初めての俳優さんで、これでその父親をアンソニー・ホプキンスではなく、私が知らない俳優さんだったらもう少し入り込めたかもしれない。

特撮はそれなりだが、役者は上手い。演出にはもう少し深みが欲しかった気もするが、怪物「狼男」というよりも、ライカントロピーの「患者」という面が前面に出ていたような印象もある。その由来についての深堀りが少しでも入っていたら違っていたかもしれない。人狼、狼男、ライカントロピー、いずれにせよ永遠のテーマの一つ。
[PR]
by invox | 2010-05-07 23:57 | ■Cinema/Movie
「アイ・アム・レジェンド」(2007年 アメリカ)

監督 : フランシス・ローレンス
出演 : ウィル・スミス 、アリーシー・ブラガ 、ダッシュ・ミホック

ウィル・スミスが主演ということで見るのを敬遠していた作品。しかし、原作者のマシスンの別の作品(短編集)「運命のボタン」(こちらも映画化されているが見ていない)を読んでいたこともあって、TVで放映されたのを機会に録画して見てみた。

いたってまじめな作りだが、感染者の描かれ方は類型的にも思えるが、それ以外も割りとオーソドックスな型を踏襲している作品だ。なので、突飛な事は何もなく安心して家族で見ることの出来るような作られ方をしているのだなぁと感じた。所謂夏休みの家族向け映画、といったところか。
e0006365_17125142.jpg

[PR]
by invox | 2010-05-03 17:13 | ■Cinema/Movie
「ラブリー・ボーン」(映画)(2009 米・英・ニュー・ジーランド)

e0006365_1733099.jpg監督 ピーター・ジャクソン
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ 、テッサ・ロス 、ケン・カミンズ 、
   ジェームズ・ウィルソン[製作]
原作 アリス・シーボルド
音楽 ブライアン・イーノ
脚本 フラン・ウォルシュ 、フィリッパ・ボウエン 、ピーター・ジャクソン
出演 マーク・ウォールバーグ (ジャック・サーモン 父親)
   レイチェル・ワイズ (アビゲイル・サーモン 母親)
  スーザン・サランドン (リン おばあちゃん)
   スタンリー・トゥッチ (ミスター・ハーヴィ 犯人)
   マイケル・インペリオリ (レン・フェナマン刑事)
   シアーシャ・ローナン (スージー・サーモン 主人公)
  ローズ・マクアイヴァー (リンジー・サーモン 妹)

さて、先に小説の方を紹介したが、出張時の飛行機の中で運よく見ることが出来たので、そちらについてもコメントしておこう。もちろん、原作の方がインパクトは強かった。

音楽をブライアン・イーのが担当しているということで、まずそこに触れておくと、冒頭でいきなり「ミュージック・フォー・エアポート」の一部が流れてきたのには驚いた。「なんだ、既存楽曲からセレクトしただけか」と少々肩透かしを食った気分になったのは否定できない。しかし、それ以外は既存楽曲だとしても知らない曲ばかりだったので、結果としては、まぁ良かったんじゃないの、というところだ。映画音楽としてはかなり違和感がある部分もあったが、全般的にはそれなりに良かったと思う。

ストーリーは、原作からむごい場面やシリアスな場面をカットしたものと思えば間違いないだろう。たとえば殺される場面。たとえばアビゲイルとレンとの関係。たとえばブライアンの暴力行為などもかなり薄められている。どちらかと言うとファンジー映画として完成させたかったのだろう。そういう意味では監督やプロデューサーの意図は成功しているだろう。原作者(あるいは原作に忠実な作品を期待した人)は不満だろう。個人的には、スージーの成長と同時に描かれていたリンジーの成長や、両親の葛藤をも描きこんでくれていれば良かったのにと思う。原作の重さを8割がたそぎ落としてしまっている。

特撮は、ちょっとやりすぎかもしれない。天国とこの世の間の描かれ方は、いかにもピーター・ジャクソン的で、う~ん、いまひとつ好みではなかった。完成度は高い、完結した世界ではあったけれども。アメリカのファンタジー映画ではこの手のテイストの異世界風景が多いなぁ、とも思った。

この映画を見たのが往きの便だったので、帰りの便では「プレステージ」を見ようと決めていたのだが、帰りの便が古い機材で、シート・テレビがなく、残念ながら映画を見ることが出来なかった。早く全便でシート・テレビを備えて欲しいものだ>全日空さん。
[PR]
by invox | 2010-04-25 17:03 | ■Cinema/Movie
「かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things are)」(映画)

e0006365_23195782.jpg監督 : スパイク・ジョーンズ
出演 : マックス・レコーズ 、 キャサリン・キーナー 、 マーク・ラファロ


タイトルは知らなくても、この原作の絵本の絵は知っている人は多いと思う。私もその一人だった。未だに読んだことはない。だから、この映画に対しては漠然とした期待しかなかった。だから、出張の飛行機で見れると分かった時には嬉しかった。エコノミーの小さな画面では字幕は読めないので、必然的に吹き替え版を見た。それにしても音質が悪かった>キャセイ・パシフィック。


主人公の男の子マックスの外見と振舞は、吹き替えの加藤清史郎よりも年上に見える。この役者の実際の年齢は12歳だというが、そういわれてしまうと歳の割りに幼く見える。不思議なものだ。まぁ、それは於いといて、冒頭の母親とのやり取りや家の中の描写はわざとらしい。まぁこれがないと話が始まらないのだから仕方ない。これを踏まえて、物語は異世界へと入っていく。その境目が水(海)であり船であるというのは、伝統的な手法とすら言えるかも。そして、海辺、森、砂漠。「かいじゅう」と訳されている「ワイルド・シング」はどういうニュアンスなのだろうか。出てくる「かいじゅう」たちは、それぞれに人間の性質のある一面を強調した形で持っている。でも、求めるものは思いやりややさしさ、ぬくもり、よろこび。


すれ違いや頑なさを繰り返しながら、マックスが家へ、母親のところへ帰る決心をする直前までと、帰ると決めた後の展開には違和感があった。マックスは「かいじょう」たちを残してとっとと帰るのだ。自分がむちゃくちゃにしてしまった彼らの関係を修復することもなく、謝罪することもなく。この展開は、違和感が残る。もちろん。この異世界がマックスの「自覚している」空想上の世界であるならば、話は別だ。マックスが自覚的に帰宅を決意した瞬間に消失してしまったとしても全くおかしくない。だが、映画はそこまでは明かしてくれない。単純に「家に帰る」と再び船出して、迷うこともなく来た道を逆に辿り、自宅に着いてしまう。そこには、怪獣たちと過ごしたはずの数日間という時間の経過はなく、せいぜい1,2時間といったところだ。これによって、この物語は、母親に相手にされずにいじけた子供の異世界への逃避と帰還、母親との関係修復という現代的なホームドラマになってしまった。原作のニュアンスは一体どんなものだったのだろうか。


あぁ、最後に一言。加藤清史郎の吹き替えは、とても上手かった。
[PR]
by invox | 2010-02-15 23:20 | ■Cinema/Movie
「2012」(2009年/アメリカ)

監督・脚本・製作総指揮:ローランド・エメリッヒ
製作・脚本・音楽:ハラルド・クローサー
出演:ジョン・キューザック/キウェテル・イジョフォー/アマンダ・ピート/オリヴァー・プラット/タンディ・ニュートン/ダニー・グローヴァー/ウディ・ハレルソン


e0006365_23183252.jpgローランド・エメリッヒ監督の作品「デイ・アフター・トゥモロー」を見て、地球温暖化が氷河期に直接的に繋がるんだなぁ、と思っていたら、こんどは惑星直列と太陽の異常フレアによる地殻変動+地軸変動という設定。リアリティがあるだけに怖い設定であるのは同様。違っているのは「方舟」という大国優先、政治家・資産家優先の「救済」が準備されているところか。一般人は切り捨て。せいぜいがこの方舟を作る上でサポートした軍人などの極一部。しかも、ぎりぎりで彼らを救う決断をするという形での美談として描いている。これはちょっといただけない。同じように科学者が中心的に描かれていた「デイ・アフター・トゥモロー」の方がまだ良かったかも。結局は、「国家の建て直し」が「アメリカ建国」にイメージを重ねられてラストとなるのは同じなのかもしれないが。

それはさておいても、問題提起という意味では、これらの2作品は重要かもしれない。地球温暖化は現実の問題として目の前に突きつけられているにもかかわらずCOP15は機能しなかったし、惑星直列や太陽の異常活動は手をこまねいてみているだけなのか? 25万分の1の確立の小惑星衝突回避のためのロケットぶっつけ作戦をロシアが提案しているが、超巨大太陽フレアによる地球への影響についてはどの程度研究が進んでいるのか。それが本当に映画で描かれているように地殻を大変動させるようなものだとしたらその対策は? ...まぁ、そんなことも思ってみたりするわけです。

映画はあくまで映画でエンターテイメントに過ぎない、ということも、この作品を見ていて感じた。決して教条主義的にも、啓蒙しようという意図もなく、あくまでも映画としてフィクションの世界を楽しめるように作られている。地軸まで変わり、極性が反転しているのに、人工衛星が何の影響も受けないなんてありえないだろう。それだけの磁場の変化があれば墜落してるぞ普通。などという突っ込みのひとつもしたくなるのでした。あ~面白かった。
[PR]
by invox | 2010-01-26 23:18 | ■Cinema/Movie
「アヴァター(AVATAR)」ジェームズ・キャメロン監督

e0006365_1716176.jpg「3D」「『タイタニックの』ジェームズ・キャメロン」という話題先行で盛り上がりを見せていた映画が公開された。ネットの世界で「アバター」というものがここ1年くらいで急速に普及したが、それと同じ意味を持つタイトル。違うのは、現実にそこに自分自身の意識を送り込んで「操縦する」ことができるというところか。

e0006365_171715.jpg





衛星パンドラの世界は、まるでロジャー・ディーンのイラストからのパクリであるかのようだ。そう思っていたら、すでにいろんなところで指摘されているようだ。ロジャー・ディーンのHPでもグーグルで検索してみろという指摘がある。どう見たって、ロジャー・ディーン作品から持ってきたとしか思えない浮島や生物(特にドラゴン)、木々、山々や岩、空。てっきり正式に協力しているものと思ったが、エンドロールをずっと見ていても名前は出てこないし、謝辞もない。ちょっとひどいのではないだろうか。グーグルで検索するといろんな人が色々言っているようなので、そのうち無視できない問題として人口に介するようになるのではないだろうか。
e0006365_17175568.jpg

まぁ、権利関係は今後はっきりしていくのだろうが、それを忘れて映画を見てみると、確かにすごい。面白かった。地球人のアメリカを皮肉ったような商業・経済優先主義的な植民地主義的な武力行使を、これもまたアメリカ的な人間中心主義的な主人公の考え方と行動。武力には武力で、というのが常に付きまとうのは仕方ないのかもしれないが、自然回帰、神秘主義、ヒューマニズム、民族主義と経済主義の対立みたいなお題目は、いつまで経っても重要なままなのだろうか。最近少し食傷気味かも。ただ、圧倒的な別世界の存在感はさすがキャメロン監督だ。大型動物の描き方にはリアリティにおいて多少疑問の余地があるが、植生や自然については、一点、浮島から流れ落ちる滝というありえないものを除いては説得力がある(宙に浮いている島めいた岩の塊に流れ出し続けるだけの地下水があるとは思えない)。
e0006365_17185992.jpg


この映画、どこまで興行成績を伸ばすのか、「2012」と併せて興味深い。なお、最初の画像以外はロジャー・ディーンの作品だ。
[PR]
by invox | 2010-01-04 17:19 | ■Cinema/Movie