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カテゴリ:■Cinema/Movie( 134 )

「パブリック・エネミーズ(Public Enemies)」マイケル・マン監督

e0006365_15245898.jpgその昔、大学生の頃に見た映画で印象に残っているものの一つに「デリンジャー」という映画があった。その映画がいつの作品で誰が監督だったか、主演が誰だったのか、すっかり忘れてしまっていたが、銀行の窓口で名前を名乗るシーンだけはいつまでも記憶に鮮明に焼きついている。

ジョニー・デップ主演のこの映画がジョン・デリンジャーを描いた作品だと知り、ついつい見てしまった。マイケル・マン監督の作品を見るのは初めてだ。ジョニー・デップがどんなジョニー役を演じるのかにも興味があったが、なかなかいい作品に仕上がっていたと思う。タイトルはジョニーを指して言われた「民衆の敵、ナンバー1(Public Enemy No.1)」から採られているという。

映画の中で初めて知ったのは、ジョン・デリンジャーは所謂「小物」扱いをされていたということだ。警察にではない。マフィアとかその手の世界での話だ。シカゴとその周辺だけで活動していたジョン・デリンジャーは全米規模で活動するマフィアから見たら、「小僧っ子」に過ぎなかったのだろう。1930年代には、まだ街中で銃撃戦を行うようなギャングと警察がいた、というのが今となってはちょっと想像しがたい。もちろん、アメリカでは今でも街中で銃を発砲するような事件が多々起きてはいるが、ここに描かれた30年代のような感じではない様に思うのは、私が日本に住んでいるからだろうか。

何度か繰り返し現れるテーマ曲とでも言うべき「テン・ミリオン・スレイヴス」(オーティス・テイラー) がとても印象的だった。
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by invox | 2009-12-29 15:25 | ■Cinema/Movie
「モディリアーニ ~真実の愛(Modigliani)」(2004年 米・英・伊・独・仏)

e0006365_2391930.jpg飛行機の中で見る映画の楽しみは、見逃していたり、わざわざお金を払ってまでは見たくないけど気になる作品というものを見ることができることだ。今回のこの映画は、知らずにいて見逃していた作品ということになる。

この数年間で、見る機会が多かったモディリアーニという画家の作品は、隙か嫌いかは別としても、印象に残る強烈な個性を持っていた。肖像画がほとんどだが、ほとんどが目が描かれていないというのも特徴的だ。そしてなぜ目を描かなかったのか、その理由としてここで提示されるモディリアーニのせりふは果たして本当なのか?

e0006365_23181747.jpg冒頭に示されるように、この作品はあくまでもフィクションで、かなりの部分が創作であるらしい。大体モディリアーニの死因そのものがえらい違いだ。そう思ってみていても、どこまで事実ベースで、どこからがフィクションなのか良く分からないのも、この映画の製作意図の中に含まれているとしたら、それは成功しているだろう。「登場人物が実在した人物ばかりなのだから、描かれるのは事実でなければ駄目だ」という人には最低の映画。「映画は映画。エンターテイメントだ」と割り切れる人にはかなり楽しめるいい作品だと思う。私は楽しんだ。
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by invox | 2009-09-13 23:18 | ■Cinema/Movie
「ナイトミュージアム2」


前作からしばらく経過したところからスタート。主人公は警備員を辞めて自分の発明品を売る会社を興している。ま、成功者ということを言いたい様だが、その効果を高めるために象徴的に出てくる名前が「ウォルマート」。もちろん日本でも多くの人が名前くらいは聞いたことがあるだろう(2005年には、西友を子会社にしてしまったところと言えばどうだ?)。そう、北米の象徴的な安売りの小売チェーンだ。そこに商品を取り扱ってもらえる、という話が出てきた、ということをもって、一流の会社になったのだということを言いたいらしいが、なんか気に入らなかった。


ま、そんなことを気にする人間は多くないだろうから、そこはさらりと流して、スミソニアンである。


一度は行ってみたい博物館だろう。アメリカの価値観と歴史を軸に、構成されているようだが、古きよきアメリカを見ることができるという意味では、ノスタルジックにもロマンティックにもなれるし、近現代の物質文明の進歩を見ることで、科学技術に対する無邪気な夢と信頼を思い出すことも出来る。やっぱりアメリカだ。


エンタテイメントは、無茶をやるが、この映画もハチャメチャだが、終わりには何もなかったかのように日常が戻ってくるところが能天気で安心して楽しめる。こういう映画の能天気さをまじめに信じる気にはなれそうにもないけれど。ね。
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by invox | 2009-09-11 23:44 | ■Cinema/Movie
「ノウイング(KNOWING)」(2009年/アメリカ)
e0006365_021109.jpg監督・製作・脚本:アレックス・プロヤス
出演:ニコラス・ケイジ、チャンドラー・カンタベリー、ローズ・バーン、
   ララ・ロビンソン、ベン・メンデルソーン

ニコラス・ケイジという映画俳優はいつ見ても興味深い。役者で映画を見ることはあまりしないのだが、その俳優・女優が出る映画を選んでいる場合で、かつ、その選択が自分の好みと重なる部分が多い場合は、結果としてその俳優・女優さんの出る映画をたくさん見てしまうことになってしまう。私の場合、このニコラス・ケイジやジョニー・デップがそういう役者だ。

映画は、俗に言うところのディザスター・ムービーとして宣伝されているが、よく見てみると、実のところ、中途半端な設定だ。太陽のスーパーフレアとオカルティックな預言(プロフェジー)に地球外知性体による方舟的な救済...それに親子愛が複数重なるというもの。割と重厚な造りになっているので、決していかにもハリウッド的な大味さは感じないのだが、テーマ的には欲張りすぎたのではないかとも思う。そのくせ、妙に詰めが甘い。顕著だったのは最後の子供たちが降り立った新世界の設定。その星に降ろされたのは男女の子供たちが一組ずつ、かなりの距離を置いているように見える。その地には自然以外何もない。これでは、まだ小学生低~中学年程度の子供たち二人だけでは、ほぼ確実に死ぬだろう。子供たちを降ろした宇宙船はそのまま去っていってしまった。食べ物は? 住む場所は? 衣食住を考えると、あまりにもイメージだけのユートピアだ。

スーパーフレアに飲み込まれる地球の描かれ方もイメージ先行のように思える。スーパーフレアって、こんなにゆっくり進むものなのか? 地球の夜の側は同時に滅びるものなのか? そういうリアリティはまったくと言っていいほどない。地下鉄の事故の場面や飛行機の墜落の場面もセンセーションではあるが、あまりリアリティはない。そこがこの映画が「B級映画」として、監督も役者も、大いに楽しんで作成されていることの表れなのかもしれない。そう思うと、詰めの甘さも、大げさなCGも、すべてがわざと、意図的に演出されたものなのだなぁと思う。ニヤニヤと笑いながら見るべき映画だったのか?
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by invox | 2009-07-16 00:21 | ■Cinema/Movie
最近見た映画は、いずれも出張の飛行機の中で見た作品だ。

e0006365_23172979.jpg「イーグル・アイ」:米国を舞台とした「国民総監視」をテーマとしたものだが、実際にそこまでの能力がすでに実現していると仮定することもあながち笑い飛ばすことはできないという点でリアリティがある。ま、そこまでの自己判断をさせるか、という点では必ず人間の最終判断を仰ぐようにはなっていると思うが...。あるいは自由意志を持ったものがすでに存在しているのか?

e0006365_23174941.jpg「最後の初恋」:リチャード・ギアもダイアン・レインも特別ファンという訳ではないので、大物二人による贅沢な恋愛映画としては役者の存在感に多くを依存している安直な作り方だと思う。まぁそれでも二人の演技は素晴らしく、それなりに満足できた。ストーリーも後半の展開は全体を引き締めていたが、甘いだけじゃないよ、という作り手の意図が見えてしまう割とストレートな展開だ。そういうところも含めて楽しめということか。

e0006365_2318727.jpg「ハッピー・フライト」:まぁこういう映画もいいですね。楽しめました。この人の作品、割と好きです。面白いもの。いろんな仕事があるんだなというのが純粋に好奇心を刺激してくれました。





e0006365_23182147.jpg「ザ・バンク・ジョブ」:これが面白かった。これが実話に基づいているというのがまたすごい。こういう映画が作られるというのもやっぱりイギリスだ。ドラマやアクションを強調したりせず、派手さを抑えた演出というのは大好きだ。役者さんたちも普通に地味で味わい深い。とても気に入りました。
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by invox | 2009-02-06 23:18 | ■Cinema/Movie
「地球が静止する日」(2008年/アメリカ)

e0006365_14394119.jpg監督:スコット・デリクソン
出演:キアヌ・リーブス/ジェニファー・コネリー/キャシー・ベイツ

さて、携帯電話のメーカー・タイアップがちょっと鼻に付いたが、それ以外はいかにもアメリカらしいSF映画に仕上がっていて、大掛かりなCGやストーリー展開は原作を原案くらいにしてしまっている。それでも、さまざまな脚色は嫌味ではなく、まぁ良いんではないだろうか。それにしても浅い。キアヌ・リーブスはそれほど好きでも嫌いでもないが、ジェニファー・コネリーが良かった。まぁね。こんなものかなぁ...。
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by invox | 2009-01-04 14:40 | ■Cinema/Movie
「ブーリン家の姉妹」(2008 アメリカ・イギリス)

e0006365_1851039.jpg監督 : ジャスティン・チャドウィック
原作 : フィリッパ・グレゴリー
出演 : ナタリー・ポートマン 、 スカーレット・ヨハンソン 、 エリック・バナ 、 ジム・スタージェス 、 エディ・レッドメイン 、 アナ・トレント

ようやく見ることが出来た。その昔、リック・ウェイクマンの「ヘンリー8世と6人の妻」というアルバムの解説でなんとなく知っていたアン・ブーリン。エリザベス1世の母親ということくらいしか知らなかったのだが、妹と共に波乱に満ちた生涯だったのだと初めて知った。

それにしても、主役二人の女優さんはとてもよかった。ナタリー・ポートマンは特に素晴らしい。ところどころに派手さをちりばめつつも全体としては引き締まった演出も良かった。やはりこういう歴史ものは面白い。もちろん登場人物の掘り下げ方に不満を感じる部分(役)もあるが、テレビドラマに慣れてしまった今となってはこれでも十分だろう。
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イギリス国教会誕生は、ヘンリー8世が離婚したかったから、という理由だというのは有名だが、彼が多情だったからなのか、世継ぎとなるべき息子がなかなか生まれなかったからなのかはよく分からない。この映画ではどちらとも取れる。情熱的な愛情を注ぐというのはありうる事だが、それだけではなかったように思う。チューダー王朝自体もそうだが、イギリスの王朝は入れ替わりが激しい。続かない王家が多いように思うのは気のせいだろうか。
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by invox | 2009-01-02 18:05 | ■Cinema/Movie
「ボトル・ショック」(2008 米国)

飛行機の中で見たのだが、カリフォルニア・ワインが世界にその名を知らしめた1977年のパリの試飲会に至るドタバタとシリアスさとが入り混じったいい映画だった。ワイン作りに一生懸命なカリフォルニアの人々と、頭っから馬鹿にしてかかっているパリの「ワイン通」。その辺のバランスの取り方がアメリカ寄りなのはご愛嬌か。真実の物語、という事実ベースのコメディのようにも思える。

ナパ・ヴァレーは今でこそ有名だが、この当時はまだ日本ではまったく知られていなかったはず。いやはや面白いね、歴史というやつは。ワインが飲みたくなった。
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by invox | 2008-12-25 15:31 | ■Cinema/Movie
帝国オーケストラ ~ ディレクターズ・カット版」(2008年 ドイツ)

監督:エンリケ・サンチェス=ランチ
出演:フルトヴェングラー時代の演奏家とその関係者、
   ナチス宣伝大臣ゲッベルズ、
   ヴィルヘルム・フルトヴェングラー

ベルリン・フィル創立125周年記念の映画作品の一つ。ドキュメンタリー。演じられるドラマはここにはないし、作られた筋書きもない。ただひたすらに証言と当時の映像を重ねていく。時折挿入されるインタビューされる側の現在の映像が、そのコントラストの対比からか、とても印象的だった。

戦争に利用された。戦争とは無関係。戦争に加担した。ナチスに利用された。ナチスに利用されることを「仕方のないこと」として受容れることで自らを納得させた。ナチスとは無関係。芸術は独立した立場を貫いた。言いたいことはそれぞれの人間が勝手に言うだろう。そして、それぞれが真実でもあるのだろう。だけど、事実は一切の「真実」を受容れない「事実」だけだと思う。

音楽の持つ力を利用したかったゲッペルスと音楽の無力さを思い知らされるオーケストラ。それでも同じ音楽がそこにある。
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by invox | 2008-11-19 23:45 | ■Cinema/Movie
『宮廷画家ゴヤは見た』(米/西 2006)

e0006365_2349272.jpgゴヤを軸に物語が語られる。でも主人公はゴヤではない。主人公はいない。いや、とある時代なのかもしれない。カソリック教会の行った異端審問という魔女裁判めいた猟奇的な行為は言ってみればキリスト教の本来唱えていることとは全く相容れないもののはず。それとも「異教徒は殺せ」ということをキリストは言ったのだろうか?拷問による告白が「最も信頼できる証拠」として採用されるのなら、異端審問を行う側に対してまずそれを行えという主張は極めて正しい。



e0006365_23495141.jpgそれにしても、ナタリー・ポートマンの役者としての実力は、これまでの認識以上だった。特に後半の二役の何と素晴らしいことか。あまりにも恋愛映画という評判ゆえに見ていない『マイ・ブルーベリー・ナイツ』も見たほうがいいのかもしれないと思った。ゴヤの絵画作品もこれまでちゃんと見たことが無い。そういう機会がなかったのだ。映画の中に登場する作品はどれもインパクトのあるものだった。昔教科書で見たはずの画も良く覚えていないのに…。ちと気になってきた。
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by invox | 2008-10-30 23:50 | ■Cinema/Movie