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Official inVox Blog; Watched, Read and Listened in my real life.

カテゴリ:■Music( 167 )

♪【鈴木生子クラリネット・リサイタル】
 鈴木生子Clarinet recital ikuko series 1
~鈴木生子×クラリネット&バスクラリネット=スタンダードの未来が聴こえてくる!~


・2010年7月5日(月)、淀橋教会小原記念チャペル

1.『バスクラリネット独奏のための「二重奏」
     (作曲:テオ・ルーフェンディ)
2.『世の終わりのための四重奏曲』より《鳥たちの深淵
     (作曲:オリヴィエ・メシアン)
3.『ニューヨーク カウンターポイント
     (作曲:スティーブ・ライヒ)
~休憩~

4.『クラリネットの為のソナタ』(作曲:デニソフ)

5.『ヘルマフロディートゥという ”カプリッチョ”
     (作曲:クラウディオ・アンブロッシーニ)
6.『バスクラリネットとテープのためのジャックドォウ
     (作曲:ウェイン・シーゲル)

~アンコール~

7.『サンクトゥス』ミサ曲


e0006365_1750849.jpg久しぶりのソロ・リサイタル。今回は「現代音楽」楽曲で固めてある。元々ジャンル分けにレコード屋での探し物の目安以上の意義を見出せないのだけど、「現代音楽」と言う時の「現代」には「19世紀以降」だか「20世紀以降」程度の意味しかないと思っている。しかも、あくまでも「クラシック」音楽というカテゴリーの中で、ジャンル分けに苦しむような作品を一緒くたにして放り込むための便利なジャンル名称だ、と。なので、「現代音楽」と言ってもピンからキリまで、ものすごく雑多な作品が存在する。もちろん、共通していることもある。それは従来からの伝統的なカテゴリーには当てはめずらいコト。もちろん、すでに「現代音楽」というカテゴリーそのものも「従来からの伝統的な」ものになってしまっているのだが。「当てはまらないこと」自体がある種の型を作り出している側面もある。類型的な現代音楽(あるいはもどきと言った方がよいか)というものも確かに存在している。

会場は、教会のチャペル。と言ってもそれほど大きなところではない。4人がけのベンチが5つほどを10列程度並べてあるので、フルフルでは200人くらいは収容できるのだろう。今回はそこまでの人数はいなかったのではないだろうか。私は中央より右側の5列目辺りに席を取った。ステージは普段説教台があるだろう所に譜面立が二つくらい並んでいる。天井は高い。客席は聖書や讃美歌集を置くための狭い棚のようなものが背についており、足元には荷物を置いたり足を入れられるように工夫された空間がある。ベンチの前後の間隔は狭いのでこれはありがたかった。古い教会だからなのか、こういうものなのか、エアコンの類は一切ない。窓も開けられるようには出来ていないようだ。夕方からときどき雨が降っており、室内は少し蒸し暑かった。

1曲目は、以前にも見たことがある「ソロのためのデュエット」とでも言うべき曲だが、解説によれば、デュエット構造がさらに入れ子になっているようだ。これは気付かなかった。なるほど、そう言われてみればその構造がより分かりやすい。確かに音を追っていると、まるで複数の演奏者が演奏しているように聞こえる。面白い曲だ。

2曲目にはメシアンが演奏された。これは本来50分程度ある曲なのだそうだが、編成と時間の関係で滅多に生演奏されることはないとのこと。しかし、好きな曲なのでぜひ一度演奏したかったのだそうだ。メシアンのイメージ通り(あるいは、メシアンが現在の現代音楽のイメージの(主要な)一部分を作り上げたのかもしれないが)、非常に音響的に考えられており、この演奏会の場所である教会の構造とも相俟って、とても広がりのある演奏を聞かせてくれた。

前半の最後はライヒである。ライヒという音楽家は、作曲家であると同時に、自身も演奏家である。また、彼はクラシック音楽やその興行システムのフレームワークを上手く活用しながらもカテゴリを縦横に行き来するような、そんな活動をしているように見える。「ミニマル・ミュージック」と呼ばれる一連の音楽の中でも、オリジナルとしての力を持ったものの一つとして多くのフォロワーも生んでいる。ロック・ミュージックへの影響も大きい。ライヒ独特の音の組み合わせ方は、それでもなおユニークで、それをクラリネットの多重録音で再現しながらの演奏だ。これは、いつぞやのコンテンポラリーαの定期演奏会でも演奏されたことがあるが、今回もやはり同様にあらかじめ本人が録音した10人分のクラリネットとの共演である。それにしても、これがクラリネットの音なのか、と驚かされてしまう。まるでハーモニウムかシンセサイザーではないかと思うような音を紡ぎ出すのだ。いかにもライヒな澄んだ高音が美しく、揺らめき、打ち寄せる漣のように、宇宙空間を飛んでいく孤独な宇宙船のように、瞬く星々の様に、巨大な鍾乳洞の中のほのかにきらめく水晶の柱の連なりのように。ずっと聴いていたい。

休憩を挟んで後半は私が初めて聴く曲が登場した。

まずは、デニソフ。四分音を多用した作品とのこと。クラリネットやサックスのようにキーパッドを使って穴を塞ぐ様な機構を採用した楽器では、本来そういった中途半端な音を出すのは苦手なはず。リードを締め付ける力を変えたり、キーの押し方を加減して半開きの状態を作り出したりして、そういった中間音を出さざるを得ない。それを楽曲の中で「正確に」出すというのは、ものすごく技量の要求される楽曲だ。現在の一般的に聞かれるほとんどの音楽では平均律が用いられているので、こういった中間音を多用されると「気持ち悪い」と感じる人も多いようだ。ジャズやロック、ブルーズなどでは、特にギターの単音演奏においてはチョーキングやトレモロアームを用いてこういった中間音を連続的に出すという技法を多用するのでむしろそういったポピュラーミュージックの聴き手の方が違和感がないかもしれない。ただし、この曲のようにそればかりが多用されしまうと、結局は「変な曲」「幽霊映画のBGMみたい」で終わってしまうかもしれない。つまりは、そういった商用音楽がどこから元ネタを拾ってきているのかがわかるというものだ。演奏のテンションや演奏者の技量はまったく別次元にあるのだが。そういうことをふと連想してしまった。

続いて、アンブロッシーニというこちらもまったく知らない作曲家の作品。音響的な技法を用いて通常のクラリネットでは考えられない音を出している。管楽器の常識である「息を吹き込んで音を出す」ということすら離れ、「息を吸う音を出す」というのは演奏者の肺活量の大きさとは別の身体能力が必要だ。息を吐くのをコントロールするのとはまったく異なる呼吸制御能力が必要だからだ。そしてまるでエレキギターのフィードバック奏法のような不思議な音も。いやはや、まったく持って面白い。タイトルにはどのような意味がこめられているのか、どうやら「雌雄同体」「両性具有」を意味するようだ。これはギリシア神話のヘルメスとアフロディーテを両親に持つ超美少年で、妖精(ニンフ)に強姦されてニンフと一体化し、雌雄同体となったという物語から生まれた言葉らしい。そういう名前のカプリッツォすなわち奇想曲というタイトルだ。さて、何を持って雌雄同体としているのかは聴き手の判断かもしれない。

最後に持ってきたのは「ジャックドォウ」だ。烏の声は実際の声を録音したもの。これまでにこの曲の演奏は何度も聴いているが、今まで聴いたものとはミキサーのバランスが異なっていたせいか、とても新鮮に聞こえた。この曲って、ここまできらびやかだったっけ?というのが今日聴いた印象。これまで聴いた時には、無意識の内に、主演奏者と伴奏というイメージで生演奏と録音とを聞き分けていたに違いない。それが音のバランスが変わったことで、全てが並列でせめぎあうような本来の音楽的なテンションが聞こえてきたのかもしれないと思う。やはりこれは本来生演奏で、競い合うようにアンサンブルを奏でるべき音楽なのだろう。あらためて、この曲を好きになった。ストラヴィンスキー以降、こういった非西欧の土俗的な民族音楽を取り込んだ音楽というものは、数多く作られてきているのだろうが、その精神的な志向性において一部のロック・ミュージックと通じるものがある。技法的には、特にリズムの解釈や音階、和声の考え方において、それらは顕著だと思う。

e0006365_17544614.jpgそれにしても、今回の「ジャックドォウ」は、これまで聴いた中で一番の迫力ある演奏だった。各パートが鬩ぎ合い、絡みつき、爆発的に拡散し、揃って一方向へ飛び、無秩序に飛び交う。これはやはりどうしてもロックだ。誰かバンド編成用にアレンジしてくれないものだろうか。これほどの緊張感と高揚感を与えてくれる演奏はそうそうお目にかかれるものではない。マルチトラックで上手くミックスダウン出来ればこの迫力を少しでも伝えることが出来るだろうか?SACDのマルチ・チャンネルで聴いてみたい。

そして、アンコール。教会での演奏であることもあってか、ミサ曲からの短い1曲が演奏された。現代音楽以外からの選曲はこれだけだったが、キリスト教音楽の持つ清澄な響きが教会のチャペルに響き、思わず聖歌隊の歌声が聞こえてくるのではないかと耳をすましてしまった。さすがだ。

終演後には、飲み物とお菓子が用意されており、本人が出てきて話ができるという趣向だった。その観客の中にはサックス奏者の梅津和時さんが来ていた。これもまた面白いつながりだ。
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by invox | 2010-07-18 17:42 | ■Music
フィンランド・フェスティヴァルの一環として、「ワールド・ミュージック・ショーケース」と題されたコンサートが行われた。

World Music Showcase - Finland Festival 2010
5月28日(金)、渋谷 JZ Brat

出演したのは、3組。出演順に書くと

・フリッグ     
・レピスト&レティ
・スヴェング


ということになる。各バンド、およそ40分程度の持ち時間をフルに使っての演奏を楽しませてくれた。事前に音を聴いたことがあったのはFRIGGだけだったので、他の2組については多少不安もあったが、いずれも実力者、大御所、という扱いなので、まぁ利いて悪いことはないだろうと気楽に構えていた。

今回の来日公演のフリッグは、6人編成。いつもはもっと多いそうだ。告知でも、通常はフィドルが4人のところ3人となる旨のお知らせは出ていたが、実際には11名がメンバーに名を連ねていて、その時々の都合で集まれる人間が集まってライブを行っているとのことだ。ただし、コアとなるメンバーはどうやら今回の来日メンバー+もう一人か二人のようだ。リーダー格と思しきベースのアンティ・ヤルヴェラとマンドリンやバラライカもどきのような楽器を演奏しているペットリ・プラウダの二人のようだ。この二人が作曲とアレンジのほとんどを担当しているらしい。

FRIGG;コアメンバー
 Antti Jarvela - double bass
 Einar Olav Larsen - fiddle (今回は来日していない)
 Esko Jarvela - viola, fiddle
 Petri Prauda - cittern, mandolin, bagpipes, jew..s harp
 Gjermund Larsen - fiddle
 Alina Jarvela - fiddle
 Tuomas Logren - guitar, dobro

ギターのトゥオマス・ログレンは、パウリーナ・レルヒェの2007年の来日公演(春と秋の2回)の際にもやってきており、私はその時に知り合いになった。彼の硬質で切れの良いアコースティック・ギターはフリッグでも存分に発揮されていて、YouTubeなどで見ていたよりも、音量的にも重要なパートを占めていると感じられた。また、スタジオ録音よりも実際のライブの方が、フィドルの掛け合いや、息の合ったやり取りが見られる分、格段に素晴らしかった。これはぜひ単独でも来日公演をやってほしいバンドだ。

2番目のレピスト&レティは、元ヴァルティナのメンバーだということで、アコーディオンとダブル・ベースのデュオがどんな音楽を聴かせてくれるのか、期待半分、不安半分で聴いたのだが、静かな中にもダイナミクスが感じられ、予想よりもかなり良かった。曲によっては、ここでドラムスが入ったらもう少し自分の好みになるんだがなぁ、と思うものもあったが、ヴァルティナ的なワクワク感もあり、ジャズ的な静謐さもあり、あるいはクラシックのような端整さもありと、奥の深い二人の音楽であった。

最後を飾るのは、ハーモニカ4人組のスヴェング。一体どんな音楽になるのか、正直不安の方が大きかったのだが、なんとなんと。大変面白い音楽だ。特に印象的だったのがバス・ハーモニカとでもいうのだろうか、ベース・ラインを演奏する人の音が、まるでダブル・ベースのように力強く、かつ、パーカッシブだったことだ。二人のリード奏者にハーモニー担当とベース担当という役割分担がとても上手く噛合っていて、ハーモニカだけとは思えない奥深く、広い世界を提示してくれた。曲もまた素晴らしく、飽きさせることがない。たいしたものだ。

このライブの翌日、渋谷のタワー・レコードではフリッグのインストア・ライブが行われた。もう一度彼らの演奏を聴きたかったのと、トゥオマスと話をしたかったので、行ってきたのだが、PAを用いずに生音だけの演奏で、期待以上だった。演奏したのは前日のライブと同じ曲ばかりだったが、さすがライブ。様々に異なる演奏を聞かせてくれた。前日はちょっと離れた席だったのでよく見えなかった彼らの手元や表情も3,4mという至近距離からじっくりと見ることが出来た。すばらしい。

このインストア・ライブにも、前日も来ていたHoedownの社長フィリップさんが来ていて、じっくりと聴きこんでいた。フリッグは、Hoedownのアーティストではないのだが、とても気に入っているとのこと。特に最近作である「エコノミー・クラス」に収録されているボーカル曲(たぶん「Viinalaulu」だと思う)が、ものすごく好きなのだそうだ。

もう一人、このインストア・ライブには有名人が来ていた。ピーター・バラカン氏である。フィリップさんと長いこと話をしていたようだが、内容は分からない。バラカン氏の番組や記事でフリッグをプッシュしてくれるといいなと思いつつ、二人の様子を遠くから見ていた。

トゥオマスにパウリーナの新作レコーディングの様子を聞いたところ、後半年くらいで仕上がるのではないかとのこと。ほとんど楽器の録音は終わっていて、今はボーカルの録音をしているらしい。新作が出来たら、ぜひパウリーナのバンドでの来日を期待したい。とりあえずトゥオマスは帰国したら特に急ぎの仕事はないと言っていたが、すぐに6月。フェスティヴァルの季節なのできっと色々とあるだろう。

インストア・ライブ後にバンドのメンバーからCDにサインを頂いた。1stと2ndには、2007年の時点でトゥオマスのサインはもらっていたので、トゥオマスには「エコノミー・クラス」にだけサインをしてもらった。また是非日本に来て欲しいと伝えてバンドのメンバーにお別れした。
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by invox | 2010-05-30 00:28 | ■Music
訃報が続けざまに入ってきました。

Morris Pert氏(1947年生まれ)4月27日没
Bo Hansson氏(1943年生まれ) 4月24日没

このお二人以外にも、ピップ・パイルの最後の頃の活動で知られるアブソリュート・ゼロのEnrique Jardine氏も4月22日に亡くなられたそうです。

ご冥福をお祈りします。
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by invox | 2010-05-01 12:09 | ■Music
5月15日、イタリアのモンツァで、デヴィッド・ジャクソンとジャッジ・スミスによる公演が行われるというニュースがジャッジ・スミスのホームページで告知されました。

Judge-Smith homepage Latest News (updated 29 April)

それによれば、内容は、ジャッジ・スミスが言葉を書き、デヴィッド・ジャクソンが音楽を作った「ザ・ハウス・ザット・クライド」という子供たちのための作品で、合唱隊、木管、金管による管楽器のアンサンブル、通常のロックで用いられる楽器とサウンドビームのアンサンブルによって演奏されるそうです。デヴィッドは当然サックスを演奏するが、一方ジャッジ・スミスは発狂した大人を演じるのだそうです。

今回は、この作品のイタリアに於ける3回目の公演となるそうですが、今回初めて、前半部分をバンドと共にやることになるとか。また、この二人の別の作品である「トウィンクル」からもすう曲演奏し、他に3曲ほど加えるのだということです。

「トウィンクル」については、今年3月12日にもドーセット州のプールというところで公演をしたとのことで、それがこの作品の2回目の上演だったそうです。200人近い子供たちの合唱隊とブラス・アンサンブル、ボーンマウス・シンフォニー・オーケストラの弦楽器セクション、エレクトリック楽器のバンド、大勢のサウンドビーム・アンサンブルが演奏し、さらに100人もの子供たちが演技をするという、まさに大規模でみごとなステージだったとのこと。

ジャッジ・スミスはこうも書いています。「ジャクソンの音楽はとても素晴らしい。そして抗いがたいほどに親しみやすい。私はこのショーを作り上げる一部分を演じることが出来るのを誇りに思う。」

この公演についての地方新聞でのレビューのリンクが紹介されていました。
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by invox | 2010-04-30 23:50 | ■Music
"Down In Shadows" N.y.X (2009)

e0006365_22562658.jpg 1. Down In Shadows (Part I)
 2. Day After Day
 3. Colour
 4. O.Y.O (On Your Own)
 5. Wait
 6. C18H21NO3 (instrumental)
 7. Down In Shadows (Part II including crime)

Members:
- Walter Fragola : voices, acoustic and electric guitars, bass, vocoder
- Danilo Abaldo Pannico : acoustic and electronic drums, percussions,
keyboards and Farfisa organ, marimba
Guest musicians:
- Trey Gunn : Warr guitar (1,7), Touch bass (1)
- David Jackson : Sax and flutues (2,5,7)
- Marco Allocco : cello (1,3,6,7)
- Adina Bajenica : soprano voice (6)

David Jacksonからサイン入りで入手したこのアルバム。もともとは、ウェブでのサンプル映像(たぶん複数の楽曲をつないだもの?)を見て、あまりにも「メタル」的だったため購入を躊躇していたものだ。しかし、実際にアルバム全部(40分)を通して聴いてみたところ、メタル的な部分は確かにあるものの、曲は良く練られており、演奏もしっかりしている。ギターはまるでヌォーボ・メタル・クリムゾンそのままのところも多いが、弾き倒している分、かえって潔く、痛快ですらある。もちろん、

Trey Gunnの参加も大きいのだろうが、日本の美狂乱の情けないコピーよりも格段に素晴らしい。個人的にもっとも残念なのは、ボーカルだ。だみ声のデス声での歌は、メロディアスなラインを歌っている部分も結構あるだけにとても残念だ。David Jacksonは、全曲に参加というわけではないが、彼独特のメロディアスで美しいサックスが、とてもハードでソリッドなバンドの演奏と微妙なバランスを保っており、不思議な感覚を与えてくれる。

楽曲は全て、バンド(というか二人組のユニットなのだが)のオリジナル。2005年に一枚アルバムを出しているようだが、そちらは未聴。ホームページと、マイ・スペース、さらにフェイスブックと、様々なメディアを使ってのアピールもほほえましい。

5月の後半に行われるイタリアでのプログ・ロック・フェスティヴァルにて、N.y.XのステージにDavid Jacksonも、trey Gunnと共に参加するとのこと。David Jacksonは、同じフェスティヴァルの前日のステージでは、オザンナ(OSANNA)との演奏も行うので、DJファンは2度、違うタイプの音楽で彼の有志を見ることが出来る、ということだ。

◆ Verona Prog Fest 2010, 5月28日~30日、ヴェローナ(イタリア)
 "TENSOSTRUTTURA COPERTA" Centro Tennis Lugagnano di Sona (Verona)

5月28日 21.00-Altare Thotemico
       22.00-Osanna with Gianni Leone & David Jackson
  29日 21.00-The Conqueror
       22.00-N.Y.X with Trey Gunn & David Jackson

なお、オザンナとは、その後、もう一つ、ファサーノ・ジャズ・フェスティヴァルでのステージが予定されているようだ。こちらもほぼ一週間後なので、長期滞在が可能であれば、こちらも見てくる、というのも一興だろう。

6月4日 21:00 Osanna & David Jackson live @ Fasano Jazz

7月には、Chris Judge Smithとの共演ステージ「TWINKLE」もイタリアで行われるとのことで、ここ数年来のDavid Jacksonのイタリアでの活動は、まだまだ続くようだ。
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by invox | 2010-04-26 22:58 | ■Music
アイスランドの火山の噴火の影響で、今週末に予定されていたマリア・カラニエミの来日公演が9月に延期となった。会場はともに同じ場所が押さえられたとのことで、チケットもそのまま使えるようだ。(もちろん希望者には払い戻しがあるとのこと)。詳しい情報は招聘元のMusic Plantのブログを参照のこと。

マリアの所属するHowdownに聞いたところ、マリアは休暇をローマで過ごしていた最中にこの噴火で飛行機が飛ばなくなったとのことで、4日間もローマに足止めを食った挙句、バスで3000kmを移動して、ヘルシンキと海を挟んだ対岸のエストニアのタリンという町にやっと着いたところだそうだ。本当にお疲れ様でした。
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by invox | 2010-04-22 13:53 | ■Music
さて、4月2日に川崎で行われたイタリアのプログレッシヴ・ロック・バンド、オザンナ+デヴィッド・ジャクソンの来日公演に行ってきました。アルバムは「パレポリ」のみ1980年代のKingのユーロロック・コレクションで購入したものの、それ以外は昨年の「プログ・ファミリー」まで未聴。来日公演が決定してから「L'uomo」を聴き、ショックを受ける。もっと早く聴いていればよかった、もったいないことをしてしまった、と。

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OSANNA & DAVID JACKSON
 with GIANNI LEONE

Live at Club Citta, Kawasaki, Japan
2nd April 2010 Friday


e0006365_118291.jpgライブでは、メンバー全員が「あの」メイクをして登場。デヴィッド・ジャクソンも顔にペイントを施している。ステージ後方には巨大スクリーンがあり最初から最後までずっと映像を写していた。最初はアルバム「プログ・ファミリー」のツアーの一環でもあることを示すタイトルとバンド名が大写しになり、それから「パレポリ」のイントロが映像と共に流された。この太鼓の音を予想していなかったこともあり、私は背中がぞくぞくっとした。映像は始めて見るものだが、どうもこの音楽のための古い映像のようだ。期待していなかったが、アルバム「パレポリ」で聴くことのできる地中海の民俗的な雰囲気が漂っている。やがてそれにかぶせるようにして演奏が始まった。何と力強い音だ。

演奏された曲のほとんどは、すでにチッタのウェブサイトで公表されていたセットリストに沿っていたのだが、やはりライブは違う。誰がどんな音を出しているのかが良く分かるし、みんな上手い。デヴィッドのサックスの音もアルバムでは判然としなかったところも含めて、実際にはかなり大きな比重を占めていることが分かるものだった。ダブル・ホーンにソプラノ、フルート、ティン・ホイッスル、民族楽器の笛など、何度も持ち替えながらの演奏は見ていて楽しいものだし、今月15日で63歳になるとは思えない元気溢れるものだった。リノもすごい。あれだけの歌を延々と歌い続けられる力には脱帽だ。そして何より上手い。声も良い。とても美しいメロディを聞かせてくれる。その美しい歌声に美しいサックスが絡み付いていく。その拮抗した様が素晴らしい。そして予想以上に良かったのがリノの息子のイルヴィンの歌だ。声質が似ているが若い彼の声はまた違う魅力に溢れるもので、これがまた上手いのだ。二人のハーモニーはとても素晴らしかった。

バンドは、リノとデヴィッドの2フロントだとDJから聞いていたが、確かに立ち位置、存在感、活躍の度合いの全てがこの二人を中心にしている。それを支えるバンドは、かなり上手いドラムスとベースに豪放なギターが乗る。それを支えるキーボードも上手い。リノの息子のイルヴィンは、キーボードとバッキング・ボーカルの他にMacのNotebookでのコントロールをしている。これをミキサーのアルフォンソが上手くまとめている。いい音だ。チッタでこれだけバランスのいい音を聞いたのは初めてかもしれない。チッタでもこれだけいい音が出るんだなぁと感心した。

途中で加わったジャンニ・レオーネは、まずはバレット・ディ・ブロンゾの「YS」からドラムのジェナッロとベースのネッロをバックにソロを繰り広げ、派手な衣装とアクションで観客の目を楽しませてくれた。いや、この人のオルガンは凄まじい。そしてキーボードのサッサ以外のメンバーが戻り、再びオザンナの曲。リノ、デヴィッド、ジャンニの3人は、圧倒的な存在感でバンドを引っ張っていく。なんかすごいいい物を見た、得した気分だ。ジャンニは曲の途中で演奏を終え、なにやらチラシのようなものをばら撒きながら会場の通路を一周。もう一度ステージに上がってからステージを去った。チラシにはよく見えなかったが、ジャンニのサインが入っていたようだ。その間にサッサが戻ってきて再び最初のフォーマットでの演奏が続く。それにしてもパワーが落ちない。それどころかどんどん盛り上がっていく。観客もそれに応えるように熱い拍手と歓声を送る。

そして、今度はデヴィッドの曲を2曲続けてやるよとリノが紹介して袖に引っ込んだ。替わりに息子のイルヴィンが中央のボーカルマイクに向かう。サッサとデヴィッドの二人で引き始めたイントロは「ロング・ハロー3」A面最後の曲「ソンニ・ドロ(Sogni D'oro)」だ。イタリア語で「素敵な夢を」とか「黄金の夢」という意味らしいが、オリジナルはジャッコがボーカルをとっており、私の大のお気に入りの曲でもある。これをイルヴィンが朗々と歌い上げる。上手い。デヴィッドがアレンジしなおしたと言っていたが、このバンド・バージョンは最高だ。そして後半の歌が終りサックスのソロのパートの途中からリノが戻ってきてアコースティック・ギターを掻き鳴らし始める。そして、ギターのファブリッツィオが「テーマ・ワン」のイントロへとつないだ。バンド一体となっての演奏はとても素晴らしく、厚みのあるものだった。う~ん、これがイタリアン・パワーかと唸らされる。途中会場の観客にラララと歌わせる場面もあり、とても盛り上がった。感動した。

ステージは休憩なしで進んだが、後半には「オザンナの歴史だ」と紹介があり、スクリーンに70年代の白黒のTV映像が映し出された。当時のメンバーが一人ずつ出てくるたびにリノが名前を紹介した。そしてフルートのエリオ・ダンナのインタビューから曲へと入っていくのだが、そのイントロに入って数小節のところから実際の演奏を被せていった。最後は「パレポリ」の曲を間に「ミラートレイン」のフレーズを挟んだりしながら怒涛の演奏で終了。観客はスタンディング・オベーション。メンバーは客席を写真を撮ったり、前の方の観客と握手をしたりしてステージを去っていった。

アンコールでは「あと2曲演奏する、そしてサプライズ」とリノが言って演奏を開始。オザンナの曲2曲を演奏し終わった途端に再び「テーマ・ワン」だ! 会場も大興奮。まさにオザンナの本領発揮といったところだろうか。ナポリ出身であることを誇りとして、ナポリ民謡をサウンド・チェックで歌ってみたり、「フニクリ・フニクラ」や「オー・ソレ・ミオ」のフレーズを自分たちの歌に挟み込んだりして陽気でパワフルな男たち。そんな印象を強烈に与えてくれたステージだった。港町ナポリの酒場で陽気に呑み騒ぐ男たちの喧騒が目に浮かぶようだ。

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OSANNA & DAVID JACKSON with GIANNI LEONE
Live at Club Citta, Kawasaki, Japan, 2nd April 2010 Friday
 
1. Fuje'a Chisti Paese part 1 (Oro Caldo)「Palepoli」
2. Intro Animale (Animale Senza respiro)「Palepoli」
3. Mirror Train「L'uomo」
4. L'uomo「L'uomo」
5. Ce Vulesse「Suddance」
6. A Zingara「Suddance」
7. Oro Caldo「Palepoli」
8. My Mind Flies「Milano Calibro 9」
9. L'amore Vincera Di Nuovo「L'uomo」
10. Landscape of Life「Landscape of Life」
11. Mirror Train reprise only finale「L'uomo」
12. Introduzione「YS」
13. Everybody's Gnna See You Die「L'uomo」
14. In Un Vecchio Cieco「L'uomo」
15. Vado Verso Una Meta「L'uomo」
16. Solo Uniti「El Tor」
17. Non Sei Vissuto Mai「L'uomo」
18. Tema「Milano Calibro 9」
19. There Will Be Time「Milano Calibro 9」
20. Sogni D'oro「Long Hello Volume 3」
21. Theme One「Pawn Hearts」
22. Blues By Fuje「Improvisation」
23. Fuje'a Chisti Paese part 2「Palepoli」
<<アンコール>>
24. Il Castello Dell'Est「Landscape of Life」
25. Taka Boom「Taka Boom」
26. Theme One「Pawn Hearts」

*このセットリストは、予めクラブ・チッタのホームページに出ていたものです。
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by invox | 2010-04-12 11:04 | ■Music
明日のオザンナのライブのために、David Jacksonが本日日本に到着しました。ホテルにいるDavid Jacksonと電話で話した感じでは、とても元気そうです。今夜はオザンナのメンバーと一緒に食事に行くと言っていました。明日のライブは、サウンドチェックも入念に行って気合を入れてやるようです。

ライブ翌日には韓国に移動して、ソウルでライブというハードなスケジュールのため、ゆっくりと話をする時間は取れなさそうですが、ライブでの姿を見ることが出来るだけでも嬉しいです。ある意味VdGG以上にヘヴィな演奏でありながらも、イタリアらしい、というか、ナポリ的な歌い上げる美しいメロディラインを持ったオザンナの音楽は、近年と見に美しさを極めてきているDavid Jacksonの音楽的な志向ととてもよくマッチしているのかもしれません。

いずれにせよ、明日のライブがとても楽しみです。
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by invox | 2010-04-01 22:40 | ■Music
「KLAUS SHULTZE Live in Japan 2010」

・2010年3月20日 東京国際フォーラム ホールC

初の日本公演である。すでに還暦を過ぎ、大病も経験しているクラウス・シュルツェ。4つのMIDIを結合したようなQUASIMIDI(クワジミディ)のまえに5台ほどのキーボードとMacブックを据えたセットはドイツでのコンサートと同じだという。ほとんどの機材は運搬があまりにもコストがかかるため日本側で調達したらしい。デジタルになり、記憶装置が発達したからこそできる技。音源のデータを持ち込むことで、同じ機材であれば同じ音色が得られる。

シーケンサーを用いたバッキングトラックに自在な即興演奏を組み合わせるというスタイルは、全く違和感がない。むしろ、全部即興でやるのではないかというくらいの印象があったので、それなりにファンに配慮した過去の自分のアルバムからのシーケンスの引用は安心感があった。そうは言っても、「タイム・ウインド」や「ムーン・ドーン」などは結構聞き込んだほうだと思うが、なんとなく、あぁあの曲かなぁ?程度しか分からなかった。「ミラージュ」からの引用がそれだった。

e0006365_22495073.jpg私の持っていたイメージでは、ドラム・マシーンなどのリズム・トラックは使わない、というものだったのだが、結構使っていて、それがいい刺激となり、メリハリのある音楽となった感じがする。聴いたところでは、そういう部分でホールの片隅で踊っていた女子が若干二名ほどいたとか。やはり、90年代以降を経て、ハウスとか、レイヴといったカテゴリーの音楽への影響が言われているのにもそれなりの根拠があるんだなぁという感じ。タンジェリン・ドリーム、クラフトワーク、ノイやラ・デュッセルドルフなど、システム7を除くと圧倒的にドイツのバンドの名前が即座に思い浮かぶ。一時期はやったメタル・パーカッションも含めて、ハンマービートなどと言われているものなど、ドイツ系のリズムの表現はそういった方面に多大な影響を与えたのかもしれない。

e0006365_22493040.jpgそれにしても、40分2曲、10分強1曲の計3曲でほぼ2時間。堪能いたしました。一緒に行った連れは、70年代のクラウス・シュルツェの知名度や位置づけなどについてまったくの予備知識なし。ポスターに使用されていた「ミラージュ」のジャケット写真を見て、ステージの本人と比較して一言「詐欺だ」^^); ま、40年ほど前の写真と言うことで、ご勘弁ください。
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by invox | 2010-03-26 22:50 | ■Music
"OMA" Burlakat (2009)

e0006365_23524175.jpg 1. Laulaja
2. Oma Aramaine
3. Darja
4. Salmin Tytto
5. Mieli Milmani Muamoni
6. Pienet Linnut / Rub'lan D'enga
7. Jarvirannas
8. Kukkuu, Kukkuu
9. Sluaviet Tytot
10. Hyinen Tytto
11. Sulho
12. Koivu



Johanna Koukkunen - vocals, kantele
Jukka Kyll nen - drums, percussion, guitars
Pauliina Lerche - violin, vocals
Vesa-Pekka Pisto - bass
Lasse Eronen- accordeon
Sirkka Kosonen: vocals, kantele
Pasi Tolvanen: guitar, dobro

さて、ブーラカットの3枚目のアルバム「オマ」が発表された。これまでの2枚のアルバムはとても気に入っていたのだが、このアルバムは、それら以上に素晴らしい。1枚目のアルバム「Tsatuska」が1999年、2枚目の「Magie」が2003年だから、随分とのんびりしたペースだ。しかし、フィンランドや周辺国においてはライブを行っていたようで、活動自体はマイペースながらも継続していたようだ。

日本ではソロとして、またMIMMITとして知られるパウリーナ・レルヒェは、ここではバッキング・ボーカルとバイオリンを演奏している。日本公演ではカンテレとアコーディオンを演奏する姿しか見たことがないので、ぜひバイオリンを演奏するこのバンドでの来日公演を望みたいものだ。

バンドは、メイン・ボーカルを務めるヨハンナ・コウックネンがリーダーのようだ。彼女が1993年に学生仲間の3人と始めたのがこのバンドの成り立ちである。結成の半年後くらいにパウリーナが参加している。1枚目のアルバムが録音されるまでには現在もメンバーである顔ぶれはほぼ揃っているが、アコーディオンのラッセとギターのパシは2006年からの参加だ。

ジャズのテイストも感じさせるベース・ギターに、カレリア地方のフォーク音楽の要素が目いっぱい詰まったメロディやハーモニー。それに素朴ともいえるパーカッションが加わる。そして、アコーディオンとバイオリンの絶妙なアンサンブルにギターやカンテレ、ドブロなどが加わり、独特の音空間を作り出している。

これまでの中で最も洗練されていながら、もっともカレリア的とも言えるのではないだろうか。ヴァルティナが楽器部分のアレンジが完全に西欧ポピュラー音楽の規範を取り込んでいるのに対して、ブーラカットはもっとカレリア色が強い。アコースティック楽器が多いという点でも違いがある。同じカレリア地方出身のバンドであり、個性も強いが、これらのバンドを生んだカレリア地方の音楽的土壌が如何に豊かであるかを物語っているのには違いない。パウリーナの音楽やヴァルティナに惹かれるものがある人にはぜひ一度聴いてみて欲しい音楽だ。
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by invox | 2010-03-12 23:53 | ■Music