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カテゴリ:■Music( 167 )

嬉しいニュース。フィンランドの若手ギタリストであり、パウリーナ・レルヒェのバンドのメンバーとして来日もしたことのあるトゥオマス・ログレンが、彼の一番中心的な活動であるバンド「FRIGG(フリッグ)」として来日するのだそうだ。

FINLAND FEST2010 - WORLD MUSIC SHOWCASE

タイトルを見て分かるように、これあフェスティバルということで、FRIGGのほかに、二組が来日し、同じステージで公演するという。

スヴェング
レピスト&レティ
フリッグ


スヴェングは、ハーモニカ4人組というフィンランドでもとてもユニークな存在のバンド。そして、レピスト&レティは、元ヴァルティナのアコーディオン&ベースの二人組だ。元ヴァルティナと言っても、この二人はワールド・ミュージックとして成功してからのヴァルティナの「最盛期の」と形容されている時期のメンバーだそうだ。

逆に、トゥオマスは、まだ子供の頃に、オリジナルのヴァルティナのメンバーだった。生憎、手元には2枚目の通称「ブラック・バード」しかないので1枚目の方は確認できないが、最初の2枚のアルバムに参加しているはずだ。

そういえば、4月にはマリア・カラニエミが、ギタリストであるオッリ・ヴァリスを引き連れて来日する。こちらも久々の来日公演となる。

マリア・カラニエミ来日公演2010
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by invox | 2010-02-28 00:05 | ■Music
フィンランドのパウリーナ・レルヒェから、久々にメールが届いた。

それによれば、昨年は、2月に次女を出産した後、夏まではライブを行っていなかったが、夏に単発でのライブを2回ほど行った後、クリスマス前にはかなりハードな国内ツアーを行ったとのこと。いやぁ出産した同じ年にまさかツアーをやるとは思わなかったので、とても驚かされた。

それから、パウリーナと、彼女のバンドでも来日したユッカ・キロネン(g, perc.)が所属するもう一つのバンドブーラカット(Burlakat)の3枚目のアルバムが完成し、すでにリリースされたとのこと。こちらは、早速注文しておいたので、届くのが楽しみである。

さて、パウリーナからのお知らせは、Mimmitの1枚目のアルバムに収録されていた「Hauen Sanalla」という曲のプロモーションビデオができた、というものだった。すでに、YouTubeにて、公開されているが、アニメーションはフィンランドでTV放送された作画と同じもののようだ。ヴィデオは2つのバージョンがアップされているが、一つはなんと日本語。パウリーナによれば、まだ、トライアルの段階のもので、パウリーナの従兄弟の奥さんが大阪出身の日本人だとのことで、従兄弟の家で適当な機材で録音しただけのものだそうだ。よってナレーションの音質は英語版ほどは良くない。まぁ、今後フィンランド語でのナレーションで、アニメーションを作成し、DVDとしてリリースする予定だということで、それが完成したら、次は英語と日本語バージョンを作る予定のようだ。なんにしても楽しみだ。

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"Hauen Sanalla" 英語バージョン

"Hauen Sanalla (Japan)" 日本語バージョン(デモ)



ライブ活動も復帰したなら、新作ももちろんだが、ぜひ、また来日してもらいたい。
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by invox | 2010-01-11 00:57 | ■Music
"Ensemble Contemporary α 2009"
"二重の響き~フランスと日本、声楽と器楽"グリゼイとミュライユの作品を中心に


日時 : 2009年12月15日(火)
場所 : すみだトリフォニーホール・小ホール
演 奏:Ensemble Contemporary α
ゲスト:小林 真理(メゾ・ソプラノ)、阿部 麿(ホルン)

楽曲(順不同)

1) 斉木 由美 (1964-) エピソード II (2009 新作初演)[violin, piano]
2) ジルベール・アミ (1936-) 暗澹たる惨禍から・・・(1971) 歌:小林 真理
3) 夏田 昌和 (1968-)  長いこと私は歌を歌わずにやってきた、しかし・・・
 (2008/2009 改訂版初演) [alto flute, viola]
4) ジェラール・グリゼイ (1946-1998) タレア(1986)
 [flute, clarinet, violin, violoncello, piano]
5) 鈴木 純明 (1970-) エピソード I (2009 新作初演)[violin, piano]
6) 金子仁美(1965-)音素Ⅰ(2006/2009 改訂版初演)独唱:小林 真理
7) 伊藤 弘之 (1963-)  沈み行く深い森へ (2009)
 [flute, oboe, clarinet, percussion, piano, violin, viola, violoncello]
8) フィリップ・ルルー (1959-) 我が愛しき人よ 君が望めば (1997) 独唱:小林 真理
9) トリスタン・ミュライユ (1947-) 記憶・浸食 (1976)
 [horn, flute, oboe, clarinet, bassoon, 2violins, viola, violoncello, doublebass]
  *ホルン独奏:阿部 麿

いつものように小ホールはほぼ満席。今回は私の知っている曲、作曲家の作品はないので、全て初聴であった。バイオリンとピアノによるオープニングは、この半世紀ほどでスタイルとして確立された技法をベースにしたスタンダードのように聞こえた。技巧的には目新しいものはなく、あとはどう展開を組み立てているのかで好みが分かれるだろう。2曲目は声単独のパフォーマンス。いろんな試みは、それはそれで分かるが、やはり新しさは感じないし、音楽としてどうか、という点でもいまひとつ。音の必然性をなくしてあったのか? 故デメトリオ・ストラトスの声だけの現代音楽のアルバムを思い出したが、インパクトは全く異なる。こういった試みを見るにつけ、声の可能性を追い求めるのが如何に難しいかが良く分かる。声はそこにあり、人であり、発声者の内にあり、外にある。声は音であり、意味であり、抽象であり、無意味である。形なき文字であり、不安定な楽器でもある。声は人であり、息であり、魂であり、ただの音でもある。目の前に立ち上る声を見ることが出るかのように思えるが、それは心の内で形を与えられているからだとも言われる。声と言語が結びついて用いられることが多いため、声には特別な力があると信じられている。言葉としての意味を持たない声は、それぞれの人々にはどのように聞こえているのか。音で考えることの出来る人、音を形や色としてみることが出来る人、音を無理やり言葉のイメージに転換してでしか聞く事ができない人...。

声は面白い。とくにそれが音楽として扱われる時、声はさらに特別なものとなる。歌詞のある「うた」はもちろんだが、意味の与えられていない単なる音だけだとしても、音楽となった声には特別な力がある。それは、ひとそのものの存在を提示する。特定の個人の場合もあれば、「人間」という言葉に象徴されるような場合もある。

アンサンブルものは、やはり面白い。演奏者個々人の楽曲解釈と指揮者のそれを含めて、偶発的な多様性がそこに現れるからだ。演奏者は、自らの解釈を指揮者を通じて解釈しなおすという作業を行っているようにも見える。ぶつかっていることもあるだろうし、無視する場合もあるだろう。だが、自分と、自分以外のものとの演奏が同じ時間と空間を占めるとき、そこに予定外のものが現れるのは間違いない。そういったことを考えさせられた。音楽とはかくも不思議なものであり、多様なものである。ポピュラー音楽の大量生産されているものも、ごく少数の人にしか聴かれることのない非商業ベースの音楽も、繰り返し型を極めるかのように職人技の演奏家や指揮者によって演奏され継がれていく音楽も、その場限りで消えていく即興演奏も、そこに音を出す人と、それを聴く人が、例えそれが同一人物であっても、音そのものとがどこに属することもなく生じては消えていく様は、消え去った後に何かを残していく。そんな不思議をよくもまぁ体験できるものだと思う。音はそこいら中に溢れているとも言える。それは人間が音と感じるものだけでなく、「振動」という在り方であるのだ。メロディや歌詞があるものだけでなく、リズムがあるものだけでなく、そんなものも含めて、単なる音ではなく音楽を聴くことができることは幸せなことだろう。
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by invox | 2010-01-03 23:26 | ■Music
マリア・カラニエミ来日公演 2010

・4月24日(土)吉祥寺 Star Pine's Cafe
・4月25日(日)武蔵野市民文化会館小ホール

●来日メンバー
・マリア・カラニエミ(アコーディオン、ヴォーカル)
・オッリ・ヴァリス(ギター)


e0006365_1654719.jpgいや、実に久しぶりに、2002年以来だろうか、マリア・カラニエミが来日する。今回は、マリア・カラニエミ・トリオから、ティモがいないだけの、オッリとの二人編成。前回の来日以後は、あまり聴いていなかったが、久しぶりの来日公演に向けて、買い逃していたアルバムなど探してみたい。

オッリは、今年5月末にもひそかに来日していたが、演奏はしなかったはずなので、本当に久しぶりだ。彼は最初期のヴァルティナのメンバーでもあったと最近知った。以下にマリア・カラニエミのサイトにあるオッリの紹介文を引用しておく。

Olli Varis ― Guitarist Olli Varis has worked with folk and rock groups in Finland going back twenty years, including the first incarnation of V rttin . Subsequent ventures, including comprehensive work at Sibelius Academy Folk Music Department, include Aldargaz, Helsinki Mandoliners and work with singer Anna-Kaisa Liedes. He has composed music for Aldargaz recordings and is reponsible for the guitar sounds on the exquisite Aldargaz albums Iho and Ahma. He has released a CD/notebook for folk tunes on guitar and has produced and engineered albums by Finnish folk and rock artists.

なお、彼女が所属するHoedownというプロダクションは、フィリップ・ペイジというアメリカ人が社長である。この人物、フィンランドの音楽に惚れ込んだあまり、ついにはフィンランドに移住してしまったというすごい人。なおかつ、この人は、1970年代後半にアメリカでピーター・ハミルのソロ・コンピレーション・アルバム「Vision」を製作した人でもある。ピーター・ハミル本人とも長い付き合いで、2009年5月のピーター・ハミルの来日公演時に、オッリ・ヴァリスを連れて日本に来ており、ピーター・ハミルン公演を見ている。自宅には、それこそ数え切れないLP, CDなどがあり、このプロダクション事務所の名前からも分かるようにキャラバンなども大好きなようだ。いつか、じっくりと話をしてみたいものだ。
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by invox | 2009-12-31 16:54 | ■Music
来年4月2日(金)に行われることが決定したオザンナの初来日公演だが、驚くべきことに、最近作である「Prog Family(邦題;邂逅の瞬間」)に全面的に参加したデヴィッド・ジャクソンが同行するというのだ(同様にジャンニ・レオーニもゲストとして来日)。


PROGCITTA' PRESENTS 2010 "OSANNA" with SPECIAL GUEST
" DAVID JACKSON (Van Der Graaf Generator) & GIANNI LEONE (Il Balletto Di Bronzo)"


OSANNA (オザンナ) from ITALY <来日予定メンバー>
  LINO VAIRETTI - lead vocals, acoustic guitars
  GENNARO BARBA - drums
  FABRIZIO FEDELE - electric guitar
  ANIELLO D'ANNA - bass guitar
  SALVATORE PRIORE - keyboards
  IRVIN LUCA VAIRETTI - keyboards and back vocals
<ゲスト>
  DAVID JACKSON - sax, flute
  GIANNI LEONE - Hammond organ

日時:04/02 (金) OPEN 19:00/ START 20:00
会場:川崎クラブ・チッタ

e0006365_17561583.jpgチケットは1月から販売されるようだが、限定600席という噂だ。アルバムでは「テーマ1」を演奏しているが、オザンナのヘヴィな楽曲をライブで堪能できるという機会も滅多にあるものではないので、是非見に行きたいと思います。イタリアでは、この顔ぶれで、今年ツアーを行っており(左はそのツアーのポスター)、かなりライブ・バンドとしてもこなれているはず。写真も、デヴィッド・ジャクソンのホームページからリンクが貼ってあるフリッカーのページで見ることができます。
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by invox | 2009-12-27 17:56 | ■Music
"The TLG Collection" Dave Stewart & Barbara Gaskin (2009)

  1. Transylvanian Blue Suede Hooves (B. Dylan)
   (Subterranean Homesick Blues extended mix)
  2. Rene and Georgette Magritte With Their Dog After The War (P. Simon)
  3. Shakin' All Over (2001 Rough mix) (J. Kidd)
  4. Give Me Just A Little More Time (R. Dunbar / E. Wain)
  5. McGroggan (1995 Remix) (D. Stewart)
  6. When The Warcry Comes (D. Stewart)
  7. Fear Is The Thief (D. Stewart)
  8. Hold On To The Chain (D. Stewart)
  9. Roads Girdle The Globe (1991 Remix) (A. Partridge)
 10. Henry & James (1996 Remake) (D. Stewart)
 11. The Curve Of The Earth (D. Stewart)
 12. Painter Man (E. Phillips / K. Pickett)
 13. Your Majesty Is Like A Cream Donut (quiet) (D. Stewart)
 14. Ads Infinitum (D. Stewart)

(Total running time 66 minutes 35 seconds.)

e0006365_1722534.jpgついに、正式なCDとして公式リリースされることになったのだなぁ、と、このオリジナルである「TLG Commemorative CD」(2001)を持っている者としては、感慨ひとしおである。

思い起こせば2001年のアメリカ同時多発テロ直後の日本公演で記念盤として、公演に来た人に対して、しかも限定150枚という少数のみ販売された作品だ。それが、こうして世界中のファンが簡単に入手できるようになったことは非常に喜ばしいことだ。この作品が世に出てから8年の歳月が経ったとは言え、その内容は決して色褪せておらず、むしろ、新作「Green and Blue」が出たことで、アルバム「SPIN」とのミッシング・リンクとしての存在感をいや増しているようにも思える。そうなのだ、いくつかの楽曲は、その時期に録音され、また、2001年以降に手が加えられなかったことで、アレンジの方向性などが、ちょうど、中間の移行期のものとなり、これら2作品の両方の特徴を併せ持ちつつも、そのどちらでもないという貴重な仕上がりを見せているのだ。これは、ある意味とても貴重な作品なのだと言っていいだろう。

日本では、ディスク・ユニオンが輸入盤に解説とライナーノーツの対訳、帯を付けてアルカンジェロから販売しているが、なんとこれには先着何名様高の限定ではあるが、今年新たに録音された「Summer in the City」(THE LOVIN' SPOONFULのカバー)1曲入りのボーナスCDRが特典として付されるというから驚きだ。これは、実際、彼らのウェブ通販(Burning Shedが代行)やダウンロード販売では手に入れることができない、日本のファンだけに向けての彼らからのプレゼントである。

さて本体の方に話を戻そう。本体の楽曲は、「TLG Commemorative CD」とまったく同一で、収録の順番も同じである。これは彼らがオリジナルを尊重したかったからだそうだ。しかし、パッケージングはまったくの新規に制作されており、見開きのデジパック仕様で、12ページの貴重なカラー写真を各ページに使用したブックレットが付いている。ブックレットには、オリジナル時の解説をベースに新たにデイヴが書き下ろした解説がびっしりと記載されている。この文章はすべて日本盤では対訳が別冊として付いているので、非常に読み応えがある。また、日本盤独自の解説も、当時のTLGのオーナーであり、現Office Ohsawaの大沢氏による制作秘話めいたもので、大変面白い。もちろん、曲解説もあり、これをデイヴの解説と併せ読むことで、より広範な情報が得られるようにできている。ボーナスCDRのこともあるので、日本に住んでいるこの幸運を存分に活用して、ぜひとも日本盤を入手して欲しいと思う。では、収録されている楽曲についてのコメントをしてみたい。解説については、デイヴ自身によるものが付されているので、それを見ていただきたい。ここでは個人的な感想を。

1. Transylvanian Blue Suede Hooves (B. Dylan)
   (Subterranean Homesick Blues extended mix)

「The Big Idea」収録曲のロング・バージョン。YouTubeではボブ・ディランのオリジナルのものを手軽に見ることもできるので比べてみて欲しい。クールなダンス・ミュージック。捻りまくったアレンジだ。途中で挿入される祭囃子のようなパーカッションも楽しい。

2. Rene and Georgette Magritte With Their Dog After The War (P.Simon)

ルネ・マグリットという人は、非常に几帳面で、シュールな作品を作成するのも自宅のキッチンだかどこだかで、びしっとスーツか何かを着て制作を行っていたそうだ。ジョージェットはその奥様。ポール・サイモンの元曲は1983年発表のとてもやさしいバラッドで、ストリングスやギターの控えめだが美しいアレンジが特徴だ。バーバラの歌声は、ポール・サイモンとは異なるやさしさがあり、まったくの別物だ。デイヴとバーバラが見たポール・サイモンのプロモーション・ビデオは残念ながら見たことがない。

3. Shakin' All Over (2001 Rough mix) (J. Kidd)

今年発売されたミニ・アルバム「Hour Moon」にも収録されたものの2001年ラフ・ミックスということになるが、基本的なドラムスなどのトラックは同じものではないだろうか。イントロがまったく異なっているが、こちらを先に聴いたおかげ、私はこちらの方が好きかも。ジョニー・キッドのオリジナルは、ロックンロールの典型的な音色のギターとオルガンとリズム隊という割とすかすかな印象だが、驚いたのはテンポがゆったりとしていること。ミドル・テンポではあるのだが、ブルース的なノリが強いのかも。

4. Give Me Just A Little More Time (R. Dunbar / E. Wain)

これもまたカバー曲だ。The Chairmen of the Boardという黒人3人組のオリジナルはソウル的な搾り出すようなボーカルが特徴的。ピアノとブラスにストリングスをバックに陽気なコーラスが付く。バーバラが歌うことで、やはりまったくの別物となり、とてもかわいらしいラブ・ソングになっている。

5. McGroggan (1995 Remix) (D. Stewart)

5曲目からデイヴのオリジナルが続く。まずはテレビ・ドラマのための曲。元はトラッドだが、それをベースに自分たちのバージョンとして書かれている。結局ドラマでは未使用だったとあるが、バーバラが聴き取りから音だけを移したゲール語による歌詞は、歌詞カードがなくとも厳かな雰囲気を十分に伝えている。大変雰囲気のあるいい曲だ。

6. When The Warcry Comes (D. Stewart)

同じドラマのための曲がもう一曲続く。「鬨の声上がるとき」とでもいう意味のタイトルだろうか。これもまた壮大なアイルランドの光景が目に浮かぶような曲だ。

7. Fear Is The Thief (D. Stewart)

実験的な曲という紹介がされているが、彼らにしては珍しく、少しダウナー気味のコードではあるが、メロディやリズムはアヴァンギャルドというほどではないだろう。「恐れはあなたの夢の盗人」とでもいう意味だろうか。途中のピアノ・ソロなど、実験的、と言っている意味が分かるかも。

8. Hold On To The Chain (D. Stewart)

このアルバムの中で、私が最も好きな曲。ぜひライブで聴いてみたい曲だ。ラフなデモだとはあるが、これはこれでとても素晴らしい。しかし、じっくりとアレンジを施してみたものも聴いてみたい。たぶん、デイヴのキーボードによるギター・ソロが縦横無尽に駆け巡るものになるはずだから。

9. Roads Girdle The Globe (1991 Remix) (A. Partridge)

もちろん、XTCのカバー曲だが、Andy Partridgeはエレクトロニクス(特にキーボードによるそれ)が嫌いになっていったようで、イギリスのエレクトロポップのアイドル・グループであるダラー(Dollar)にちょっと似ているなどとコメントしているが、ダラーを聴いたことのある人なら、それがまったくの見当はずれの指摘であることが分かるだろう。ダラーとは、それこそ、大人と子供ほどの差がある。

10. Henry & James (1996 Remake) (D. Stewart)

こちらはコルグのキーボードのための再録音。ここで付加されたアップテンポの眺めのイントロはとても格好いい。ライブでは「The World of Difference」と一緒くたになって演奏されるが、単独でも素晴らしい。このバージョンはもちろんここだけでしか聞けない。

11. The Curve Of The Earth (D. Stewart)

ファンファーレのようなイントロ。雄大なフレーズがクラシカルにすら響くこのインストナンバーは、ライブで演奏されるために「Eight Miles High」の序曲として作曲されたとあるが、これだけでも十分だ。あぁ、1983年に実際にライブで演奏されているというから、見たかったなぁ。

12. Painter Man (E. Phillips / K. Pickett)

豪快なドラムスが特徴的。これもまた古きよき60年代のカバーだ。YouTubeでは、オリジナルであるCreationのテレビ出演時の演奏を何種類か見ることができるが(いずれも口パクのようだ)ギター、ベース、ドラムスというシンプルな楽器編成で、その雰囲気を上手く残しながらもデイヴのバージョンはモダーンな仕上がりとなっている。

13. Your Majesty Is Like A Cream Donut (quiet) (D. Stewart)

ハットフィールズの名曲だが、ここでは完全にソロでの多重録音となっている。2001年のライブでは、ファンへのサービス曲として演奏されたが、やはり素晴らしかった。実際のライブではギャヴィンのドラムスとアンディのギターが入った上で、なおかつこのアルバムには収録されていないハットフィールズのアルバムでの順番どおりに次の曲の頭を使用して次の曲につないだので、なおさらスリリングで格好良かったのだ。

14. Ads Infinitum (D. Stewart)

これもテレビ番組用の楽曲。サビの歌詞のリズムと音楽のリズムがずれていて、アクセントがどんどんずれ込んでいくという凝ったアレンジが面白い。アルバムの終りを締めくくるエンドロールのバックにでも流れそうな短い曲。

ここで、日本のみのボーナスCDR「サマー・イン・ザ・シティ」についても紹介しておこう。

Summer in the City (Mark Sebastian)

これについては、CDRに付けられた白黒のカードにある短いデイヴによる紹介文があるが、ラヴィン・スプーンフルのカバー曲だが、オリジナルはツイン・キーボードにギターとドラムスという編成のようだ。これもYouTubeでテレビでのライブ演奏を見ることができる。デイヴのアレンジは、オリジナルよりも滑らかで、洗練されている。これが単なるデモでしかないというのは信じられないほどの出来だ。


ということで、この文章を書くために、久しぶりにオリジナル曲をインターネット上で探してみたりして、大変楽しい時間をすごさせてもらった。オリジナルも、カバーも、それぞれにいろんな楽しみ方があり、何度でも聴いてしまう。ボーナスCDRの録音は今年だというから、すでに着手しているという次のアルバムがとても楽しみだ。この曲で聴けるバーバラの声も大変力強く、まだまだいけるぞ!とひそかにガッツポーズをしているのは私だけではあるまい。早くも、次のアルバム、次の来日公演、次の...と欲深な私は次々と期待をしてしまうのである。
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by invox | 2009-11-29 17:25 | ■Music
Nic Potterのソロ・アルバムがヴォイスプリント社からリマスター盤として続々と発売されている。発売されるアルバムは、最も最近のアルバムであるイタリアでのライヴ・アルバム「Live in Italy」 (2008)を除き、以下の10作品である。

  1. Mountain Music (1984)
  2. Sketches in Sound (1986)
  3. Mountain Music and Sketches in Sound (Compilation, 1995)
  4. Self Contained (1987)
  5. Dreamworld (1997)
  6. The Blue Zone (1989)
  7. The Blue Zone Party Live at The Dome (Live Tape, 1991)
  8. Dreams in View 81-87 (Compilation, 1988)
  9. Long Hello Volume Two
 10. New Europe/Rainbow Colours (1992)


また、ニック・ポッター本人のホームページでは限定100個という形ではあるが、これら10枚をすべて1セットにしたボックス・セット「All Contained」も発売するという。こちらについては、ニックがサインを入れるそうだ。もちろん、ボックスと言うからには、箱もきちんとした物を製作したようで、ニック自身のイラストを用いたアートワークが楽しみだ。

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すでに、ニックとコンタクトのあるファンからは、予約が入っている模様で、おそらくすぐに売り切れるだろうとニックは語っている。

今回の目玉は、何と言っても、1991年にカセットテープのみでリリースされたライブ・アルバム「ザ・ブルー・ゾーン・パーティ・アット・ザ・ドーム」だろう。これは、非常に入手困難で、わずかに以前出ていたCD版の「Long Hello Volume 2」のボーナス・トラックとして、その一部が聴けるだけに過ぎなかったので、大変ありがたい。また、従前は2in1としてしかCDになっていなかった「Sketches in Sound」と「Mountain Music」は、今回が初めての単独CDとなる。

各アルバムのジャケットは、オリジナルを尊重しながらも、今回新たにニックがリメイクしたのだそうだ。本人曰く、拡張したものになっているとか。ボックス・セットには、さらに、ニックの描いた絵のプリントされたものも同梱されているようなので、彼の絵が好きな人はボックスを購入するとよい。このアートワークのリプロダクションもあってか、ニックは今回のリマスター作品のリリースを総称して「Zom-Art Series」と呼んでいる。
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by invox | 2009-11-08 23:16 | ■Music
e0006365_1755883.jpg9月の来日公演は、とてつもなくロックだった。そこで嬉々としてギターを弾いていたGary Green、堅実ながら豪放なドラミングを見せてくれたMalcolm Mortimoreとともに、往時の片鱗を垣間見せてくれるような鍵盤捌きを見せてくれたKerry Minnearがグループを脱退した。仲たがいとか、音楽的見解の相違とかいう理由ではないという。個人的な理由ということだが、もしかしたら、肉体的にツアーをするだけの体力がない、ということなのかなぁ、などと御年61歳の健康に気を回してみたりしている。以前書いたように、すでに自身の音楽の仕事も5年前に引退したということなので、もはや、本人的には「現役」のミュージシャンではない、という意識があるのかもしれない。そして、そこに復帰するだけの体力・気力にも自信がないのかもしれない、などと勝手な憶測で自らを慰めている。

Kerryの歌った「Think of Me with Kindness」は、これまでまったく気にしていなかった楽曲だった。アルバム「オクトパス」の中ではLPのB面は「The Boys in the Band」の印象があまりに強くて、後の曲は一塊の中に埋もれてしまい、個々の存在感を感じられずにいたのだ。しかし、こうして単独の楽曲として目の前で聴いた時、この曲のもつ根源的な素晴らしさが目頭を熱くすらしたのだった。実を言うと、私はアルバム「The Power and the Glory」の中の「Aspirations」がとても好きなのだ。これも、Kerryのボーカルに負うところが大きい。Derekの声もいいが、その対極的な位置にあるKerryのボーカル曲をもっと生で聴きたかった。それだけが心残りだ。

e0006365_176224.jpgKerryが抜けてしまったThree Friendsだが、今後どうするのだろうか? 活動を継続することを期待したいが、3人の友達は二人に減ってしまった。元の「Rentle Giant」に名前を戻すのだろうか? いや、そんなことはして欲しくない。出来るなら、シャルマン一族の誰か一人だけでも参加して欲しいものだ。たとえばDamonとか...。
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by invox | 2009-10-08 00:19 | ■Music
三日間、四公演。あっという間に過ぎてしまった。5連休という大型連休の初日から三日目までを彼らの公演を見て過ごしたことになる。興奮していた時間は、あっという間に過ぎるものだが、なんとすばやく過ぎ去ってしまうのだろうか。今は、ただ、一抹の寂しさすら感じてしまう。もちろん、彼らの音楽が残した熱い感動は、頭の中でぐるぐると回り続ける楽曲とともに、強く、強く残っているのだが。それでも、あぁ、終わってしまった、という思いがどうしてもこみ上げてくる。


12時半開場というマチネーにしても早い時間だったが、会場入り口にはファンの列が伸びていた。中に入ると、物販コーナーでは、日本盤のCD/DVDとTシャツ。今回バンド自身はTシャツのみ持ってこなかったそうだ。アナログ盤の「スリー・フレンズ」が飾ってある。日本フォノグラムの「スーパー・ロック・コレクション」の中の1枚として発売されたものだ。Tシャツは開演前からどんどん売れている。Lサイズは10枚しかなかったようで、あっという間に売り切れていた。客入れ時のBGMはテリー・ライリーだ。まさか、こんなところで「ア・レインボウ・イン・カーブド・エア」を聞くとは思っていなかったので嬉しかった。開演まで後5分を切った頃だろうか、突然音楽が変わった。ミニマルな感じだが、ヴィブラフォンかシロフォンのような音色でのリズミカルな音楽だ。これは面白い、と思っているとメンバーが登場した。みんな背が高い。ゲイリーもケリーも髪の毛が...。ケリーは今年61歳、ゲイリーは59歳のはずだ。マルコムは何歳なんだろうか。他のメンバーも50代のようだ。ミックだけは40代か? 最初はミック以外の6人で演奏を開始した。ベースのロジャーが前に出てきてボーカルを取る。強くはないがいい声だ。アルバム「スリー・フレンズ」から1曲の「プロローグ」を演奏。やはりバンド名にもしたし、3人だし。マルコム参加の唯一のアルバムだし、このアルバムからの選曲が中心なのだろう。それにしてもマルコムのドラムスはパワフルだ。それに、演奏のノリが完全にロックだ。ロック以外の何ものでもない。ロジャー、ジョン、アンディの3人は経歴から言えばジャズよりのミュージシャンだと思っていたが、テクニック的にはそうなのだが、ノリは完全にロックだ。うわぁ、かっこいい!というのが最初の印象。
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2曲目でミックが登場しリード・ボーカルを取る。「プレイング・ザ・ゲーム」だが、デレク・シャルマンよりも声が高く、すこし上品に聞える。だが悪くない。さすが10ccでボーカルを取るだけの力量がある人だ。それになによりロジャーやケリーとのコーラスのハモりがものすごく良い。声質が合っている。イントロの音はマルコムがシンセ・パッドを用いて叩いて出している。実際にアルバムで使われていたのは、ジェントル・ジャイアントのツアー・クルーが当時考え出した楽器だったそうだ。長い箱に3本の弦を張っただけのものらしいが、面白い音がしたので曲に使ったとか。ジェントル・ジャイアント時代にはレイ・シャルマンが演奏していたらしい。


コーラスが美しい、というのを実感したのは次の「アドヴァント・オヴ・パナージュ」だ。本当に美しい。普通のロックバンドはコーラスの音程を多少外してしまうものだ。ましてやジェントル・ジャイアントの曲では全員違う歌詞、違うメロディ、下手をすると違うリズムで歌わなければならないのだから間違わない方がおかしいと言ってもいいくらいだ。なのに完璧。


ライブ・アルバム「プレイング・ザ・フール」ではメドレーの後半部分として登場していたが、今回は単独曲として演奏。ミックのボーカルが突き抜ける。美しい前半とパワフルな後半の対比も面白い。そして一転して静かなイントロ。おぉ、まさかこの曲をやってくれるとは思ってもいなかった「パンタグルエルズ・ネイティヴィティ」。この曲も、こんなに力強い曲だったんだとあらためて実感させられた。素晴らしい演奏だ。感動していると、マルコムが、今度は指パッチン(なんていうんだこれは?)の音を鳴らし始めた。お馴染みの「ジャスト・ザ・セイム」だ。これだけで客席も盛り上がる。そしてエレピのイントロ。かっこいいとしか言いようがない。このノリ、まさにロック。あらためて実感させられた。そして、ジェントル・ジャイアント時代には一度もステージでは演奏したことがなかったと紹介した「エンプティ・シティ」。美しいボーカルのメロディとメリハリのあるアレンジ。スタジオ盤の「インタビュー」を持っていない私としてはまさに「新曲」だ。それに続いて、ほとんどのメンバーが袖に下がって、ジョンのピアノとケリーのボーカルで「シンク・オヴ・ミー・ウィズ・カインドネス」。ケリーのリード・ボーカル曲をとても聴きたかったので、これは嬉しかった。やっぱりいい声だ。もっと聴いていたい。再び全員が戻ってくるとマルコムの操作で笑い声のサンプリング。続いてコインがテーブルの上で回る音。そうだ「ボーイズ・イン・ザ・バンド」だ。これもまたトリッキーなフレーズの連続で楽しくなってしまう。しかし良くこんな局が演奏できるものだ。すごすぎる。ここでメンバー紹介が入った。いいタイミングだ。やはりケリー、ゲイリー、マルコムに対する拍手がことのほか大きい。そして、後半戦。


私にとってはあまり印象に残っていなかった「ヒズ・ラスト・ヴォヤージ」で始まった。やはりきちんとCDで買いなおしてみよう。そして「イン・ア・グラス・ハウス」。これもLPでしか持っていないが、実は始めて通信販売で買ったアルバムだったりする。再びアルバム「スリー・フレンズ」にもどり、なんと「スクール・デイズ」だ。まさかまさか、この曲をやってくれるとは思ってもいなかったのでとても感激してしまった。大好きな曲なのだ。ロジャーとミックの追いかけっこボーカルも素晴らしい。そして、同じく「スリー・フレンズ」からアルバムのラストを飾るメドレー「ミスター・クラス&クオリティ?」~「スリー・フレンズ」。圧倒的な存在感。ノリ。テクニック。そして感動的なラスト。もう言葉がない。


演奏を終えて、メンバーが手を振りながらステージを去っていったが、当然、客席からはアンコールを求める強い手拍子が沸き起こった。そして、それに答えて出てきたメンバーが演奏し始めたのは、もっとも強烈な印象を持つ「フリー・ハンド」だ。テクニカル、トリッキー、素晴らしいロックのグルーヴ、そんな言葉なんかどうでも良くなってしまうほどの曲の強さ。アンコールにふさわしい。そして、再びメンバーはにこやかにステージを去った。


再度のアンコールを求める声に応えて出てきたメンバーが演奏したのは、なんとデビュー・アルバムの1曲目「ジャイアント」。今年4月のコンサートでもやっていたので、ぜひ聴きたいと思っていただけに嬉しかった。ちなみに、「エンプティ・シティ」と「スクール・デイズ」は4月のコンサートでや演奏しなかったようだ。


こうして、日本で始めてのコンサートは終了した。


Three Friends Live in Japan 19th September 2009


  1. Prologue  (「Three Friends」)
  2. Playing the Game  (「The Power and the Glory」)
  3. Advent of Panurge  (「Octopus」)
  4. I Lost My Head  (「Int'erview」)
  5. Pantagruel's Nativity  (「Acquiring the Taste」)
  6. Just the Same  (「Free Hand」)
  7. Empty City  (「Int'erview」)
  8. Think of Me with Kindness  (「Octopus」)
  9. Boys in the Band  (「Octopus」)
 10. His Last Voyage  (「Free Hand」)
 11. In a Glass House  (「In a Glass House」)
 12. School Days  (「Three Friends」)
 13. Mister Class and Quality ~ Three Friends(「Three Friends」)
~ encore ~
 14. Free Hand  (「Free Hand」)
~ 2nd encore ~
 15. Giant  (「Gentle Giant」)
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終演後に、しばらくしてからメンバーは会場に出てきた。残っていた観客の何人かはサインをもらったり、写真を撮ったり、握手をしたりしてもらっていた。メンバーも初日の緊張が解けたようで、とてもにこやかだった。その後、3人の中心メンバーはインタビューがあるとの事で、早々に会場を後にした。その模様はいずれOffice Ohsawaのネット・ラジオにアップされるものと思われる。
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by invox | 2009-09-25 23:25 | ■Music
「Three Friends Live 9月21日 at 月見ル君想フ」

  1. Prologue
  2. Playing the Game
  3. Advent of Panurge
  4. I Lost My Head
  5. Pantagruel's Nativity
  6. Just the Same
  7. Empty City
  8. Think of Me with Kindness
  9. The House, The Street, The Room
 10. Boys in the Band
 11. His Last Voyage
 12. In A Glass House
 13. School Days
 14. Free Hand
 15. Mister Class and Quality?
~ encore ~
 16. Giant
 17. Peel the Paint


最終日。これまでの日本公演での演奏曲をすべて演奏するという快挙。全17曲!当然ながら時間も最長。客席のノリもよく、ガンガンに飛ばしまくるロックンロールなコンサートでした。それにしても、マルコムのドラムスのパワフルなこと。圧倒されました。キーボードの二人の役割分担もジョンがかなりのパートをこなしていて、ケリーは落ち着いた佇まいそのままにポイント、ポイントを締めていました。ゲイリーは本当に陽気なおじさんで、一番愛嬌のあるステージングを見せてくれました。

公演の前に流されていたテリー・ライリーの「ア・レインボウ・イン・カーヴド・エア」はPAのジムの趣味だそうですが、そのテリー・ライリーのあと、メンバーが出てくる合図ともなっていた面白い曲は、タイトルはないそうですが、ケリー・ミネアの作曲・演奏した録音だそうです。ケリーによれば、TVのために作った楽曲などもたくさんあるそうですが、そういう仕事は5年前にやめてしまったとのこと。ぜひ、そういう作品も聴いてみたいものです。ご本人には、ぜひソロ・アルバムを出してくださいと言ってみましたが、あまりその気はなさそうでした。
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by invox | 2009-09-21 23:22 | ■Music