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"CLEVEDON PIER" (26 May 1989) ANDY DAVIS
(US CD: Relativety Records, 88561-1040-2)

  1. Women of Ireland (3.24)e0006365_16192622.jpg
  2. Jabe        (6.49) 
  3. 5 Saxes      (4.29) 
  4. Hunger       (6.39) 
  5. Clevedon Pier   (5.34) 
  6. Basso Symphonie (6.15) 
  7. Over & Over    (5.38)
  8. Changes      (5.38)
  9. Prelude      (2.16)
 10. Clear Dawns   (4.47)

e0006365_16222897.jpgSofa SoundPeter HammillのStuart Gordonとのライブが発売スタートしたのを記念して、いぜんP様から譲り受けたStuart Gordonが参加したAndy Davisのアルバムを引っ張り出してきて聴いてみた。1989年の作品なので、私にしてみればそれほど昔という気はしないがすでに15年以上も前の作品だ。録音はバースにある二つのスタジオで、そのうちひとつはすでにないクレッセント。当然だが、エンジニアリングはさらに古くからの友人であるDavid Lordが主に担当している。プロデュースはAndy Davis, David Lord & Stuart Gordonとなっておりこの3人のつながりの深さを物語っている。クレジットを見ていて今回面白いことに気が付いた。まず「Special Thanks to」としてPaul Ridoutの名前があるのだ。かといってジャケットは別の人の手になるものだし、エンジニアリングで参加しているわけでもなさそうだ。それから、The 3 Caballerosの名前がある。この当時から活動をしていたのかどうかは別として、ここにも友人関係が垣間見えるのが面白い。もうひとつ、1曲だけだがサックスでWill Gregoryが参加しているのも、後のGoldfrappしか知らなかったので思わずへぇ~と思ってしまった。

1曲目の「Women of Ireland」はStuartが「Union Chapell」でも演奏しているが、どうもこの仲間内では定番曲と言うか、Stuart参加の場合の必須曲になっているように思える。Willの吹くサックスの多重録音による「5 Saxes」以外は全部(当然だが)Andyが演奏している。歌っている曲もあればインストもある。イングランド南西部の自然を髣髴とさせる雄大なものからのんびりとしたものやカントリーへの影響を与えたであろうトラディショナルな雰囲気のものまでいかにもイギリスらしい音楽だ。The Shortwave BandやStackridge、The Korgisなどのポップ・ミュージックもよかったが、こういったソロ作品で聴くことのできるよりプライベートな音楽は極上の味わいがある。

演奏面では、Stuar Gordonが1,2,5に、David Lordが5,8,10に、Will Gregoryは2,3に、それぞれ参加している。Andy Davisは歌とギターのほかキーボードを弾いている。最近同姓同名の若いミュージシャンが出てきているので間違われることもあるようだが、こちらはすでに50歳を回っている。古くはジョン・レノンの「イマジン」での演奏やTears for Fearsとの活動、さらにはTracy UlmanやManhattan Transferへの曲の提供など幅広い活動歴を持つ。

なお、同じアメリカ盤でも最近のものには2曲ほどボーナス・トラックが付いているようだ。私は未聴である。
ボーナストラック
 11. Magic
 12. Fred the Piano Man
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by inVox | 2006-01-29 16:22 | ■Music
「ルオーと音楽」 松下電工 汐留ミュージアム
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明日までの開催と言うことでぎりぎりになってやっと行ってきたのがこの展覧会。と言っても、この企業ギャラリーのメインの所蔵品が中心ということなので将来も切り口を変えて展示会が行われる可能性は高そうだ。
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ルオーという画家のことはよく知らなかったのだが、タイトルの「音楽」に惹かれてしまった。また、ボードレールの「悪の華」や「ユビュ親爺の再生」といったテーマに惹かれたのだ。この画家の基本は銅版画らしいが、とてもそう見えない。太い線で大胆に描かれた作品の中には漫画的な絵にも見えるものもあるし、抽象画のように見えるものもある。e0006365_1350380.jpg

ルオーの出した作品には別の人物が書いた文章への挿絵という体裁をとっているものがいくつかあるが、その中には楽譜を含むものも展示してあり、ギャラリーではごく小さな音量ではあったが、実際にその音楽が流されてもいた。
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ジョルジュ・ルオー(1871‐1958)という画家は、パリ・コミューン崩壊の前日に生まれたという政治的な時代背景。キリスト教的なテーマ、道化師/サーカス、裁判官、ボードレール、などをテーマとした作品群を数多く残しているが家族は代々音楽を愛好し、自らも楽器を演奏し、妻もまたピアノの先生である。

この汐留ミュージアムは、どうもそのポリシーなのかどうか分からないが、展示会開催中に身に・コンサートを行うようだ。この「ルオーと音楽」展でも2度ほど「レクチャー・コンサート」と題してピアノによる当時のかかわりのある音楽が演奏されたようだ。次の展示会はスウェーデンの「建築家グンナール・アスプルンド~癒しのランドスケープ~」だそうだが、こちらも「ギャラリートーク+ミニコンサート」というものが予定されている。なんとウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」の演奏を聴くことができるようだ。これはちょっと気になる。
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by inVox | 2006-01-28 13:52 | ■Arts
「歓びを歌にのせて」(2004 スウェーデン)

e0006365_22383027.jpgスウェーデンのケイ・ポラック監督の18年ぶりの作品、と言われてもこの監督のことはまったく知らなかったのでピンと来なかった。前作のタイトル「Love Me!」を聞いても分からない。ただひたすらに「音楽もの」であることを頼りに見てみようと思ったのだ。見た後でオフィシャル・ホームページでこの作品が2005年アカデミー外国語映画賞ノミネートされていたと知った。

主人公は「人の心を開く音楽」を作りたいと思う天才的な音楽家だが、公演中に心臓発作で倒れて引退状態にある中年男性。映画は7歳の頃からをダイジェスト的に最初に描くことで彼のキャラクターを上手く浮かび上がらせている。そして本編となる帰郷。7歳のときにそこを離れたため誰も彼が誰だか分からないと言う設定。あぁ、音楽で注目を浴びたときに名前を変えた、というのもきちんと説明してある。そういった土地で教会の聖歌隊の面倒を見ること押し付けられて…。後は実際に見て欲しい。

「人の心を開かせる音楽」という志を持ちながらも実際の生活では様々なトラブルも多く人付き合いだけだってなかなか上手くいかない。そういったリアルな描写とどこか浮いてしまっている主人公の対峙する一つ一つの瞬間が美しい。素人が徐々に上手くなっていく聖歌隊も見事だ。主人公の周りで起こる建前の崩壊による軋轢もまた考えさせられるものが多い。

e0006365_22385344.jpg主人公を演じるミカエル・ニュクピストはスウェーデンでは有名な俳優のようだが日本では始めて紹介されるようだ。彼が素晴らしい。しかし、それ以上にその他の登場人物が素晴らしいのだ。誰一人として知っている役者ではないことがますますその素晴らしさを感じやすくしているのかもしれない。音楽はクラシックや教会の聖歌隊が歌うごくポピュラーなものだがこれもまた素晴らしいのだ。オリジナルも登場するし感動的だが、個人的にはその他の一般楽曲での聖歌隊の歌声により多くの感動を覚えた。
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by inVox | 2006-01-19 22:39 | ■Cinema/Movie
「リチャード三世『殺人』事件」エリザベス・ピーターズ

e0006365_16541159.jpg先に読んだ「時の娘」へのオマージュ、という宣伝文句に釣られて購入した本作だが、趣はまったく異なり、リチャード三世にネタを求めた推理小説である。原題は「The Muders of Richard Ⅲ」。1974年に書かれているので、仕方がないのかもしれないが、仕掛けそのものは今では古典的といってもいいもので、犯人が誰か、という楽しみはほとんど得られなかった。しかし、その分、文体の若々しさや文化的な背景の捉え方など、非常に面白く読めたし、笑えた。それが訳文によるものなのか、本来の文体によるものかはよく分からないが、非常に現代的ですらある。いや、そういうと語弊があるかもしれない。むしろ70年代のアメリカ的おおらかさとジョークが交じり合ったものかもしれないのだから。ここにあるのは悪く言えばハリウッド的なコメディの世界であるが、それがイギリスを舞台にしていることでよりコミカルに見えるのかもしれない。アメリカの文化を通したイギリス文化のデフォルメされた姿だと言ってもいいだろう。
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by inVox | 2006-01-15 16:54 | ■Books
「ミュシャ展」@サントリーミュージアム天保山

20年ぶりくらいだろうか、久しぶりにミュシャ展を見た。前回見たのは福岡県久留米市の石橋美術館でかなり大掛かりなものとしては初めての回顧展だったのではないだろうか。今回見たものはそれに比較すると規模は半分以下だと思うがそれでもかなりの点数が展示してあった。
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やはり20年ということでかなりの印象がすでに記憶から薄れてしまっていたのが後期の作品だ。線描を中心としたポップな作品は強烈に印象に残っていたが、印象派的な筆遣いを見せる後期の作品はほとんど印象に残っていなかったのだ。今回のミュシャ展での最大の収穫は後期の作品の認識が改まったことだろう。

また、今回ミュシャが写した写真があり、それがまた絵画とは違う視点からのミュシャを浮かび上がらせてくれた。これもまた収穫のひとつ。特に実際の絵画とその時のモデルの写真の対比はミュシャの絵画を描く際の変換工程というか「あいだ」を想像してみようという気にさせるに十分な刺激であった。数多くの下絵と完成品のペア展示もそういった意味では商業デザイナーとしてのポスターやパッケージデザインをしたミュシャの作品の作り方をうかがわせるものである。

e0006365_1436265.jpg彫刻作品やアクセサリーも展示してあり、彼が平面から立体へと興味を向かわせたことが面白かったが(ロダンと友人関係にあったというのも今回初めて知った)、彼の絵画世界の彫刻への移し変えは本人であっても難しかったのではないだろうか、と思った。なぜなら彫刻では単一の素材で、単一の色しかなく、光の加減で見た目の印象は多少変わるものの絵画での色彩とは大きく異なっていたし、また絵画での線のやわらかさや素材の質感は彫刻ではかなり難しかったのではないだろうか。単に私が彫刻にあまり興味がない、ということだけかもしれないが…。
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by inVox | 2006-01-14 14:36 | ■Arts
"Theatre Royal Drury Lane " (2005) Robert Wyatt

  1. Introduction by John Peele0006365_12224654.jpg
  2. Dedicated To You But You Weren't Listening
  3. Memories
  4. Sea Song
  5. A Last Straw
  6. Little Red Riding Hood Hit The Road
  7. Alife
  8. Alifib
  9. Mind Of A Child
 10. Instant Pussy
 11. Signed Curtain
 12. Calyx
 13. Little Red Robin Hood Hit The Road
 14. I’m A Believer

これについて、今更解説めいたものをここで書く必要はないだろう。あまりにも有名なコンサートの公式ライブ盤である。以前出回っていた海賊盤は私が知っている限りでもLP/CD合わせて3種類。しかしこちらはヴァージンが所有していたサウンドボード音源だというから驚きだ。

e0006365_12234663.jpgそれにしてもジャケットに描かれた2頭身のロバート・ワイアットのなんと可愛らしいこと。参加メンバーが車椅子に座っている写真が中に使用されているが、同じ写真がストレンジ・デイズにもう少し見やすい大きさで使われている。そこでのインタビューもまた非常に面白い。曲によってメンバーが異なるが、ほとんどすべての曲で共通しているのはデイブ・スチュワート(key)とヒュー・ホッパー(b)、それにローリー・アラン(ds)の三人。ドラムスでピンク・フロイドのニック・メイソンが参加している曲もある。ギターにはマイク・オールドフィールドとフレッド・フリスとを使い分けている(フリスはバイオリンとビオラも弾いている)。



それにしても、いい声だ。

メンバーの名前を見ながら、また、ジャケットに記載されたロバート・ワイアットの献辞を見ながら、すでにこの世にいない人が3人もいることに残念だという思いを禁じえない。ジョン・ピール、モンゲツィ・フェザ、ゲイリー・ウインド。

1974年9月4日、一夜の夢の記録である。
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HMVのサイトでの情報によると、国内盤は最後の2曲が入っていない可能性がある。サイト上では12曲の表記になっている。 同じHMVでの輸入盤の方には14曲の表記があるし、AMAZONでの同じ国内盤の紹介はちゃんと14曲が表示されている。単に間違いならいいが、念のため購入時には注意した方がいいだろう。
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by inVox | 2006-01-02 12:24 | ■Music