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"Onnen solat" - Sound Track for Finnish Folkdance & Bellydance Performance

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未CD化ということが大変残念に思えるほど、良く出来ている作品だと思う。もったいなさ過ぎるので紹介だけはしておきたい。3月の日本公演でもこの音楽の中からいくつかの楽曲が新曲として演奏されていた訳だが、そのアレンジはかなり違っていて、ライブ・バンドでのアレンジはよりパウリーナ色の強いものとなっていたようだ。

e0006365_232052.jpgこの音楽がそもそも作られたのは、フィンランドのフォークダンスとベリーダンスによるダンス・パフォーマンスのためで、そのダンス・パフォーマンスというのは次のような物語仕立てになっている。かなり乱暴に短くまとめたらこういう話だそうだ。

- ある貧乏なうちの3人の姉妹が、幸せを求めて家を出て世界を回る旅に出た。

- 長女は悪魔と出会い、悪魔は彼女に、もし彼女がある仕事をやってくれれば、たくさんのお金をあげると約束したのだった。しかし、悪魔はとても狡賢く、長女は召使として永遠に悪魔と一緒にすごさねばならないのだった。

- 次女は、美しい服や宝石などを約束する美しい踊り手たちと出会った。次女はこれらにとても興奮し、家に帰ることを忘れてしまったのだった。

- 末娘は何も見つけなかった。しかし、彼女は貧乏な羊飼いの少年と出会い恋に落ちた。彼女はまたミスター・ストーンにも出会い、姉たちにどんなことが起きたのかを知らされた。彼女と少年は一緒に姉たちを助けに向かったのだった。

- 彼女らは最初に長女を悪魔から救い出した。

- 次に次女を美しい踊り手たちから救い出した。

- それから彼女らは家に帰った。長女は両親に、悪魔から盗んだお金を渡した。次女は宝石と美しい服を渡した。末娘は、姉たちを救うためにすべての時間を費やしたので、両親に渡せるようなものは何一つ持っていなかった。

e0006365_23203639.jpg- 末娘が『心から純粋』で、どんなお金も宝石も望まなかったので、呪文は解け、両親は再び王とお后となり、娘たちは皇女となった。

- 末娘と、彼女が会った貧乏な少年は婚約した。

- 人々が末娘と羊飼いの少年の婚約を祝っているときに悪魔がやってきて報復をしようとした。ミスター・ストーンと悪魔の戦いが始まった。そうして、彼らは永遠に善と悪との間で終わることのない戦いを続けていくのだった。

- 最後には皆が幸せになりましたとさ。めでたし、めでたし。


音楽は、基本的にすべてパウリーナが書いているようだ。詳細情報が一切ないので分からないが、ボーカルはどうやら出演者か別の人たちであり、パウリーナは歌っていない。カンテレ、アコーディオン、バイオリンはパウリーナのようだが、ギター、ベース、パーカッションは演奏者が分からない。来日したメンバーも参加しているのかもしれないが不明だ。

繰り返されるアコーディオンによるテーマや、歌が素晴らしく、ぜひパウリーナ自身のアルバムという形でまとめて欲しいものだが、残念ながら今のところサウンドトラックとしてのCD化の予定はないそうだ。
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by inVox | 2007-05-24 23:22 | ■Music
黄昏の百合の骨禁じられた楽園 恩田陸

e0006365_15403461.jpg恩田陸は、いくつかの話を繰り返し違う視点から、違う時間から語り返す。シリーズものとして名前を付けている訳ではないが、同じ登場人物たちが微妙にずれた設定で何度も登場する。ひとつの話から触発されて生まれたバリエーション(変奏曲)とでも言うべき物語群。それが喜ばしいことなのか、残念なことなのか。いずれマンネリに思えてくることは避けられないだろう。e0006365_15405699.jpgそれはまるで鮮烈な印象で登場したバンドのアルバムがどんどん初期のアイディアの焼き直しやセルフ・コピーになっていくのと似たような印象を与える。パート2やパート3を続ける大作。受け取る側にしてみれば、既に感動を約束されたも同然の安心感がある。だから売れる。バリエーションに「新しさ」があるうちはまだ大丈夫だ。
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by inVox | 2007-05-13 15:41 | ■Books
3月に行われたPauliina Lerche の来日公演から東京の最終日である新宿ピット・インでのライブ映像を3曲ほどYouTubeにアップしました。これはパウリーナ・レルヒェ本人からの依頼によるものです。本来そういう目的で撮影されたものではありませんのでアングルは固定ですが、なかなかいいビデオです。ぜひご堪能ください。

e0006365_23275133.jpgLiileelailee

Kaik_mi-Kaalina_Timojaa

Lenti_Kokko
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by inVox | 2007-05-08 23:38 | ■Music
ラブ・ソングが出来るまで(Music and Lyrics)」2006年アメリカ

e0006365_22422386.jpgハリウッドの音楽映画。音楽映画とは言え、音楽に主眼が置かれているわけではなかった。あくまでも音楽は小道具として扱われているように思える。原題は「音楽と歌詞」という通り、作曲家と作詞家の物語。とは言え、決してプロフェッショナルなバリバリの、というわけではなく、売れない元ポップスターと歌詞を書いたことがない文章家が主人公なところがポイントなのだろう。

ヒュー・グラントは落ちぶれた元ポップ・スター。これがまた上手い。それに、ドリュー・バリモアはなんと可愛らしく演じていることか。まるで、アメリカのラブ・コメディのTVドラマを映画化したような出来。懐かしささえ感じてしまうのは、「奥様は魔女」に通じるベタなテイストがあるからか。いずれにせよ、思いもかけぬ楽しい作品だった。
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by inVox | 2007-05-06 22:42 | ■Cinema/Movie
ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」カート・ヴォネガット・ジュニア

e0006365_10402241.jpg久しぶりにカート・ヴォネガットだ。ハヤカワでSF扱いだ。なぜ? という感じがしなくもない。あぁ、先に出た作品がたまたまSF的なものだったから、その後の作品もすべてそういう扱いになってしまったんだろう。いつものような語り口、いつものように独特の人物表現。そのすべてがカート・ヴォネガットを示している。う~ん、不思議な作家だ。
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by inVox | 2007-05-06 10:40 | ■Books
ダーク・タワー」 スーティヴン・キング

 1)ガンスリンガー
 2〉運命の三人〈上・下〉
 3〉荒地〈上・下〉
 4〉魔道師と水晶球〈上・中・下〉
 5〉カーラの狼〈上・中・下〉
 6〉スザンナの歌〈上・下〉
 7〉暗黒の塔〈上・中・下〉


よくもまぁ読んだものだ。全16冊。西部劇版指輪物語かどうかは別として、1冊目の前半は、正直言って「我慢」の読書だった。こんなひどい文章だとは思わなかったのだ。だが、後半からはそれなりにこなれた文体だと思えるようになってきて、むしろ内容の方に興味が移っていった。それでも、まだ「運命の三人」では、短編小説の連作集のような印象もあったし、「荒地」でもエピソードの寄せ集めてきなところも気になった。しかし「魔道師と水晶球」ではひとつの物語が強く語られていて大変印象深いものとなった。それは続く「カーラの狼」でも継続し、一気に後半へとなだれ込んでいくように思えたのだが、作者自身が登場した時点で違和感が生じた。この作品に作者自身が登場する必然性が弱いように思えたのだ。物語の緊張感を一気に殺ぐようにすら思えた。実際、作者が登場しない場面に戻ると再び構築された世界のリアリティが増した。「スザンナの歌」「暗黒の塔」での「モルドレッド」や「クリムゾン・キング」には決定的にリアリティが欠けているようにも思える。それでもなお物語を最後まで引っ張っていくのはもはやローランドではなかったのかもしれない。

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エンディングは、スザンヌのニュー・ヨークへの帰還で一旦感動的に〆ている。だが、それだけでは終わっていれば、なぁんだ、どう終わらせれば良いのか分からなくなったんだなぁ、と思ってしまったのだが、読まないほうがいい、と断り書きをつけたうえでの本当のエンディングは、物語の奥行きを一気に広げてくれた。想像の翼を広げる余地が一気に開けたのだ。

さて、他の作品に手を出そうかどうか.......。
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by inVox | 2007-05-05 23:44 | ■Books
国立ロシア美術館展 ロシア絵画の神髄 東京都美術館

ダ・ヴィンチ展が美術展と言うよりも、いかにも博物館らしい展示会であったので、絵画を見たい!という欲求を満たすために混むだろうなぁと思いつつも東京都美術館へ行って来た。だが、あにはからんや、4時前という時間がよかったのか、思いのほか混んでおらず、ゆっくりと見ることができたのだ。

e0006365_0312872.jpgロシアの画家、と言ってもほとんど誰のことも知らない。そんな状態なので、まったく先入観もなく、新鮮な気持ちで見ることができ、正直言って感銘を受けた。西ヨーロッパが「先進国」として美術界での地位を確保していた時期にロシアではまず、西洋絵画の模倣のようなことから始まったと言ってもいいのかもしれない。だが、決定的に違っているのは、そこに込められた「力」だろう。「追いつけ、追い越せ」で始まったにせよ、すぐに政治的な混乱や貧困などの社会的環境の悪さが画家たちの魂にエネルギーを与えたとしか思えない。絵の持っているパワーがひしひしと伝わってくるのだ。ある時代を反映したもの、と言えば言えるのかもしれないが、残された作品はみな素晴らしい。特に感銘を受けた2点をここに載せておこう。e0006365_031561.jpg

今後、ほぼ1年をかけて巡回展となるらしいので、チャンスがある方はぜひ見に行って欲しい。

・金沢会場 2007年8月25日(土)~ 9月24日(月・祝) 金沢21世紀美術館
・愛媛会場 2007年10月3日(水)~ 11月11日(日) 愛媛県美術館
・大阪会場 2007年11月20日(火)~ 1月14日(月・祝)
サントリーミュージアム[天保山]
・八王子会場 2008年1月24日(木)~ 3月23日(日) 東京富士美術館


期間中には、テルミンのコンサートも企画されている。
・日時 2007年5月12日(土) 【受付】午後1時【開演】午後2時
・出演者 竹内 正実(テルミン)他

ロシアの児童文学のアニメーションも上映されるらしい。
・チェブラーシカ上映会
・日時:6月13日(水)
 <午前の部>午前11時~正午
 <午後の部>午後2時~3時
・内容:「ワニのゲーナ」(1969年)、
    「チェブラーシカ」(1971年)、
    「シャパクリャク」(1974年) の3本を一挙上映
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by inVox | 2007-05-05 00:32 | ■Arts
Ensemble ABA ~ First Concert ~ のお知らせです。 から教えてもらったのだが、仕事の関係で遅れてしまい冒頭の2曲を聴けなかった。客席には高齢の方と比較的若い層とが入り混じっている。先生筋、生徒筋の両方か。

●Ensemble ABA ~ First Concert ~

・4月26日(木)大泉学園ゆめりあホール

1. M. Curtis: 5 Huapangos (オーボエとバスーン)
2. J. Francaix: 主題と変奏(クラリネットとピアノ)
3. F.Schmitt : アンダンティーノ(クラリネットとピアノ)
4. F. Poulenc: 三重奏曲(ピアノ、オーボエ、バスーン)
5. J. Francaix: ディヴェルティメント(オーボエ、クラリネット、バスーン)
6. G. Faure:  夜想曲第6番(ピアノ)
7. F.Schmitt :ア・トゥール・ダンシュ 作品97(ピアノ、オーボエ、クラリネット、バスーン)

e0006365_0141462.jpgOboe  : 南方総子  
Clarinet: 鈴木生子  
Bassoon : 山上貴司  
Piano  : 浦壁信二

フローラン・シュミットの「アンダンティーノ」(クラリネット+ピアノ)では、アンサンブルというよりもバックとソロと言った場面と、ソロ+ソロの場面が時折入れ替わりつつも丁寧な演奏に落ち着いた雰囲気があって、遅れたことで焦っていた私も漸く人心地が付いた。続くフランシス・プーランクの「ピアノ、オーボワ、バソンのための三重奏曲」では、なんともポップというかキッチュというか、とにかく面白い。アヴァンギャルドとポップの入り混じった感じで、遊園地の音楽の様でもあり、大学の部室での演奏の様でもあり。ピアノが少々大人しめだったか。

休憩を挟んで後半はJフランセの「オーボワ、クラリネット、バソンのためのディヴェルティスマン」というトリオ曲。管楽器3本ということで、前半最後の曲以上に非常に面白い演奏だ。時折どの音がどの楽器だか分からなくなる瞬間があったりして、これは聞いていても面白いが、演奏している方にはもっと面白いに違いないと思った。そしてピアノ・ソロ。管楽器との絡みに慣れた耳には少々物足りなかった。もう少し暴れる選曲でもよかったのではないだろうか。そして最後。4人が揃っての演奏。これこれ。これが一番面白かったのだ。テクニカルだがコミカル、コミカルだがシリアス。シリアスだが能天気。そういった要素が詰まっている。惜しむらくは、みんな座って演奏しているんだもの。もったいない。管楽器3人は立って演奏して欲しかった。楽譜なしの暗譜で、もっとリズムを体で取りながら、アイ・コンタクトやアクションを織り交ぜつつ。そんな演奏スタイルが似合う楽曲だと思う。
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by inVox | 2007-05-04 00:16 | ■Music
レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像国立博物館

TVでも散々宣伝されている「受胎告知」だけが第1展示室にぽつんと離れていた。ものすごく落とした照明の中、絵画そのものには、それでも、わりと光が当てられていたように思う。しかし、思っていたイメージよりも小さかったなぁ。古さゆえのひび割れや色落ちは仕方ないものだと思う。
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もう一つの展示会場ではバイオグラフィから始まり、代表的な絵画のレプリカが少々。ブロンズやメカのレプリカと、その原案が記されている手稿の展示が沢山。宮廷での扱いや作品の数から言っても、やはりダ・ヴィンチは「画家」である以上に「技師」としての存在が大きかったようだ。天才的な技師が、その器用さも手伝って、趣味としての絵画をものした、という解釈の方がより適切なものではないだろうか。鏡文字にしろ、デッサンにしろ、あまりにも器用な手と指が、人並みはずれた数学の才能が、芸術家としてやっていくには芸術(あるいは芸術表現)に対する興味の持続という点で災いしたようにも思える。彼の興味はすぐに技法やその理屈や効果といった方向に向いたのではないだろうか。
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by inVox | 2007-05-03 11:00 | ■Arts
e0006365_23571212.jpg久しぶりのバルセロナだ。最後に来た時にはまだユーロ導入前。5年以上も前の話だ。3度目の訪問とは言えまるで初めて来たかのような印象だ。街は近代化されたビルが増え、街路沿いの広告もモダンなものになっているし、レストランもその店構えが現代的なものになっている。ホテルはインターネットが使える(もちろん有料だ)し、街中の路地の奥にもインターネット・カフェが見受けられる。道路も幅広く綺麗で欧州各国から来たと思われる観光客が平日にもかかわらず(とは言え、まだイースター休暇の人も多いのだろう)大勢いた。以前来た時とは街のモダン度が大きく違っている。こうして近代化されていくのは清潔さや治安の向上という点では大歓迎だが一方で昔ながらの情緒という点では徐々に失われていくのだろう。
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今回、仕事の合間を縫って見ることが出来たのはバトリョ邸だ。ガウディの建築の中でもかなり間近に見ることが出来るものだ。実際に中に入って音声ガイドを聞きながら上の階へと上っていくのだが、独特の曲線と円とが組み合わさった窓や壁、タイルに家具・建具は非常に面白い。現実的な住居としてみた場合も、それぞれの形状にはそれぞれに合理的な理由があり、快適な生活を目的としていることが良く分かる。空気の流れ(換気)や光の流れ(採光)が現代でも通用する理論に基づいて計算されているのだ。これには驚かされた。もっと驚いたのはガウディ自身は建築のことは素人だったことだ。建築そのものは専門化が行い、そこに装飾部分をつけるという形で設計思想そのものに影響を与えるということが出来たのだから驚きだ。現場で物を見ながら指示を出していったというのだから、インスピレーションととっさの応用力、判断力も素晴らしい。まるで造形のインプロヴィゼーションとでに言うべきものだ。いつか、サグラダ・ファミリアが完成してくれればうれしいとふと思った。
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by inVox | 2007-05-02 23:58 | ■Human