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<   2007年 11月 ( 10 )   > この月の画像一覧

続いて、2枚目のソロ・アルバムについての解説を訳してみました。先と同様、誤訳、発音の間違い等あると思いますので、気が付かれた方はご指摘ください。また、日本盤の曲順も載せていますが、本国盤とは、ボーナストラックを除いてみても曲順が少し違っています。対訳とライナーノーツも付いており、オリジナルとはまた違った楽しみ方が出来るものと思います。但し日本盤はSACDではありません。

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"MALANJA" Finland Orginal Release(ROUTE RUOCD106)

e0006365_22423861.jpg  1. Jo mie viikon/A Long Time....
  2. Touko/Spring
  3. Etelamyrsky/Southern storm
  4. Malanja
  5. Kaisan katrilli/Kaisa`s Quadrille
  6. Tanssi poika/Dance, oh Boy
  7. Kirkonkellot II/Church-bells II
  8. Amerikan katrilli/American Quadrille
  9. Yon tytto/Maiden of the Night
 10. Tulikatrilli/Fire Quadrille
 11. Aallot/Waves


パウリーナ・レルヒェが自身2枚目のCD『マランヤ』(ROUCD106)と共に登場だ。『マランヤ』(カレリア風の女の子の名前)では、まず『カトリリ』(2002)で聞くことが出来た生き生きとした、女性的なカレリア風のムードを引き続き聞くことが出来る。このアルバムに参加しているミュージシャンたちはフィンランドにおけるそれぞれのジャンル(エスニック、フォーク・ミュージック、それとジャズ)におけるトップを代表する人たちである。『マランヤ』はスーパーオーディオCDであり、一枚のディスクの中に普通の16bitのCDステレオ音声と、24bitのSACDで、ステレオと5.0chのサラウンド・ミックスが収録されている。

マルチ・インストルメント奏者であるパウリーナはアコーディオン、カンテレ、ヴァイオリン、それにデルターをプレイしている。彼女はまた、『マランヤ』でのメイン・ボーカリストでもある。音楽は伝統音楽に強く影響されているけれども、作曲はパウリーナ自身である。彼女は一見、楽々と彼女の強いルーツであるところのものとよりモダンな、"グローバル"なアプローチとをひとつにしてしまっている。アコーディオンやアコースティック・ギターに加えてさらに、アルバムを特徴付けるものとしてヴィブラフォンや、カヴァル(バルカン地方の笛、羊飼いなどが使用したもので、ブルガリア、マケドニア、トルコなどが本場の斜めに構えて演奏する)、ロー・ホイッスル、エストニアン・バグパイプ、ドブロ・ギター、カルナティック・ヴァイオリン(インドのヴァイオリンの一種)などが使用されている。特筆しべきは、デルターというハープのような楽器で、イラク生まれの音響学教授であるアリ(現在は英国に拠点を置いている)によって設計された楽器が、レコーディングされたものとしては初めて登場していることであろう(「トゥリカトリリ」で使
用)。

パウリーナは、北カレリアの村、ラーキラの音楽的な温室で育ったと言える。ラーキラは数多くのエスニック/フォーク音楽のグループを輩出しているところで、もっとも有名なのはヴァルティナだろう。彼女はオリジナル・ラインアップでプレイしている。彼女のソロ・キャリアに加えて、彼女はブーラカットでも歌い、ヴァイオリンを演奏している。ブーラカットはカレリアの言葉で歌う唯一のグループだ。2002年からは、インド(ヒンドゥスタン)のミュージシャンと一緒にレコーディングや演奏を行っている。特にエキサイティングで注目すべきは新しいグループであるクリヤだろう。このグループにはフィンランドとインドの音楽的な遺産が含まれている。クリヤの最初のアルバム『クリヤ』(ABCD 210)は2006年1月にリリースされた。

ロシア国境に近い湖沼地域の小さなコミュニティで育ったことで、自然がパウリーナの音楽のインスピレーションとして、特別な役割を果たしている。古代の神話的な要素としての大地、風、火、そして水は、音楽のテクスチャの中で強い存在感を持っている。『トゥコ(春)』の中で、聴き手は雪が融けて水になるときの滴りの感覚を感じることが出来るだろう。『エテラミルスキ(南の嵐)』では、秋の最後の暖かな息吹を、『アアロット(波)』では、夏の湖の穏やかな漣を感じられるだろう。『マランヤ』における自然の音は、彼女の家族が所有する小さな島で録音された。彼女はそこですべての夏を過ごしてきたのだ。

『カトリリ』からのエクストラ・トラック付きの『マランヤ』が2006年秋に、日本でビーセクションからリリースされた。


●日本盤『マランヤ』(全15曲) 63'20" ボーナス・トラック4曲入り
(Tobasis Records WSCT-11005 税込定価\2,500 対訳、ライナーノーツ付)

  1. Kaalina Timojaa 3'38" ※
  2. Jo mie viilon 3'49"
  3. Touko 4'35"
  4. Tuuli Taivutti ~Lanssi 2'58"  ※
  5. Kaisan katrilli 4'28"
  6. Tanssi poika 4'00"
  7. Etelamyrsky 4'07"
  8. Vot I kaalina 3'25"  ※
  9. Rapakatrilli 4'10"  ※
 10. Malanja 3'49"
 11. Kirkonkellot Ⅱ 3'52"
 12. Yon tytto 3'51"
 13. Amerikan katrilli 4'09"
 14. Tulikatrilli 6'03"
 15. Aallot 5'51"

※日本盤のみボーナストラック

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『MALANJA(マランヤ)』(カレリア地方での少女の名前)

1. Jo mie viikon(ヨー・ミエ・ヴィーコン)(長い時....)

この曲は、東カレリア地方の伝統音楽からなる部分と私自身の作曲からなる部分から出来ている。私は伝統音楽のメロディが大好きだが、それは大概、きわめて短いのです。私はそれに長さを加えたかったのです。この曲のストーリーは、花婿の到着を待つ少女についてです。彼女は時間が早く過ぎていくように、と歌を歌い続けているのです。

この曲では、私はブルガリアのカヴァル(バルカン地方の民族楽器である縦笛、斜めに構えて吹く)とインドのカルナティック・ヴァイオリンの伝統を、伝統的なカレリア地方の雰囲気でひとつにしたかったのです。私は、世界の異なる地域のエスニック/伝統音楽には共通の何かがあると本当に感じているので、異なる音楽的文化の異なる要素をひとつにすることは、私にとっては自然なことです。わたしは、伝統音楽には、人々に深く触れるような、普遍的でとても人間的な何かがあると信じています。

2. Touko(トウコ)(春)

フィンランドでは、一年の中に4つのとても異なる季節があります。春は、長く、暗い冬の後に来る、喜びにあふれた季節です。私は、雪が融けてできる小川の中で遊ぶことが大好きな子供でした。たとえ太陽が輝いていても、夕方が明るくても、まだ、とても寒くて、風景は湿っており、色彩に欠けています。しかしながら、人はすでに、『猫柳』(の蕾)が芽吹くのを見ることが出来るようになり、そして、夏がようやく訪れて来るだろうということが、私をとても幸せにしてくれます。この曲ではこの感覚を描こうとしています。

3. Etelamyrsky(エテラミルスキ)(南の嵐)

この曲では、秋の最後の暖かな息吹を感じられます。これは、穏やかな嵐が南から来るためです。木々の葉はすでに落ちてはいますが、雪はまだやってきていません。私は自然の音を私の家族が所有している小さな島、リーアンミエスで録音しました。その島は私が子供時代のすべての夏を過ごした場所でもあるのです。リーアンミエスは、私がそこから強さをもらったところなのです。

4. Malanja(マランヤ)

これは、迷子になった少女の悲しいお話です。幸運なことに、ハッピーエンドが待っており、彼女は最後には家族と花婿とを見つけることになります。これは私自身の作曲ですが、とても強い伝統的なカレリア風の基調を持っています。この曲は私の書いてきたボーカル曲の中でもお気に入りのひとつです。

5. Kaisan katrilli(カイサン・カトリリ)(カイサのカドリル)

この曲は、ダンスの振り付けのために書かれました。ダンスはお互いにふざけあう恋愛中の少女たちと少年たちについてのものです。この曲においては、アイルランドのロー・ホイッスルがアコーディオンと共に楽しげなコンビネーションを作り出しています。

6. Tanssi poika(タンシ・ポイカ)(ダンス、オー・ボーイ)

これもまた、伝統音楽と私自身の曲とのコンビネーションです。伝統音楽の部分は東カレリアからのものです。これは、ドイツでのフェスティヴァルですごくヒットしました。ヴィブラフォン、パーカッション、それにペーターの素晴らしいドローン・ギターがこの曲でのエキサイティングなミックスを創り出しています。アレンジはギタリストのトゥオマス・ログレン(ラーキラでの子供時代からの友人で、オリジナル・ラインアップのヴァルティナのメンバー)によるものです。この曲では、私は、小さな妹のハンナマリと一緒に歌っています。ハンナマリはこの曲のメイン・ボーカリストです。

7. Kirkonkellot II(キルコンケロット2)(教会の鐘2)

この曲は、私がうちの台所で録音しました!私は古いカレリアの教会の鐘を使った伝統音楽に魅了されています。このテーマは、人生を通じて私が追いかけ続けるテーマとなるでしょう。

8. Amerikan katrilli(アメリカン・カトリリ)(アメリカン・カドリル)

この曲ではドブロとアコーディオンによる網の目がとてもうまくかみ合っています。その結果はうまく「アメリカン・カドリル」と名づけられました。これは単純で、リラックスした、美しい曲です。

9. Yontytto(ヨンティット)(夜の乙女)

このアルバム2番目の悲しいお話は、婚約者が去ってしまった少女についてのものです。お話の中で、少女は最後にはひとつの期間の終わりは同時に次の期間の始まりであるということを理解します。そして、彼女が一時的にはとても悲しかったとしても、そこには、何かしら新しく、おそらくは何かしらより良いものが彼女を待っているのです。この曲は、私の妹のハンナマリと一緒に作曲しました。彼女はとても小さな子供だったころから私と一緒に演奏し、歌ってきたのです。

10. Tulikatrilli(トゥリカトリリ)(火のカドリル)

火はパワフルで、原始的で、破壊的な力です。同時にやさしく、お茶目ですらあります。この曲で、私はこれを描こうとしました。昨年の夏、私は機会があり、まったく新しい楽器であるデルターを試すことが出来ました。それはハープにも似た楽器で、イラク生まれで今はロンドンを拠点としている音響学教授アリによって発明されたものです。私はこの楽器にとても興奮してしまい、この曲にぴったり合うに違いないと思いました。「火のカドリル」はこの楽器の初めてのレコーディングなのです。

デルターがこの曲を締めくくるとき、私はそこに、私が東京の芸大で学んだ、琴の演奏の影響を聞き取ることが出来ます。

11. Aallot(アアロット)(波)

火の後は水が来ます。私の考えでは、水はリーアンミエスの島の周りにあるものなのです。夏、湖の波はやさしく、水は穏やかで暖かです(『鳥のミルク』)。聞こえてくる唯一の音は、鳥たちが歌い、木々の葉が優しい風にそよぐサラサラという音だけ:もっとも完璧な日々です。自然の音は、私が表現したのと同じような夏の日に、リーアンミエスの島で録音されました。

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by inVox | 2007-11-26 22:42 | ■Music
パウリーナのホームページには、アルバムの全曲解説が掲載されている。その解説を、改めて読み直してみたが、やはり、これをきちんと紹介しておかないといけないな、と思ったので拙い訳で申し訳ないが掲載することにした。発音については、類推の部分が多いので、フィンランド語を知っている方からの訂正は大いに歓迎します。まずは、1枚目のアルバムから。

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"KATRILLI" (カトリリ) pauliina Lerche(パウリーナ・レルヒェ)
e0006365_21371145.jpg  1. Vot i kaalina
  2. Rapakatrilli
  3. Orvokin valssikatrilli
  4. Kirkonkellot - Lemmen katrilli
  5. Tuuli taivutti - Lanssi
  6. Liianmies
  7. Kadonneet kirkonkellot
  8. Vipukatrilli
  9. Kaalina timojaa
 10. Katrilli Kintaan kylasta
 11. Delhi.katrilli
 12. K.K.K. remix

『KATRILLI(カトリリ)』:英語ではカドリル。カレリア地方のカラフルで小気味良いダンス)

1. Vot i kaalina(ヴォッティ・カリーナ)

この曲は友情についての曲。人は大人になるにつれ、仕事や結婚、子育てなどで忙しくなり、友人たちと会うのに十分な時間をとることが出来なくなります。しかし、もし友情が十分に強ければ、どんな障害をも乗り越えられるでしょう。

この曲では、モダンなドラム・ループを伝統的な響きを持つメロディと歌詞にいかに結びつけるか、という実験をしたかったのです。

2.Rapakatrilli(ラパカトリリ)(雪解けのカドリル)

この曲は、元々はダンスの振り付けのために作曲されたものです。振り付けのアイディアは狩でした。私は、その感覚を表現するのがまったく持って難しいことだとすぐに気づきました。しかし、いったんメロディが浮かんでくると、それは基本的には『それ自体によって生み出されて』(フィンランドの慣用句)きたのでした。この曲は私のお気に入りのひとつです。

3. Orvokin valssikatrilli(オロヴォッキン・ヴァルシカトリリ)
 (オロヴォッキのためのワルツ・カドリル)

この曲は、私の母親、オロヴォッキにささげられています。彼女は人が望みうる最高の母親です。

4. Kirkonkellot - Lemmen katrilli(キルコンケロット - レーメン・カトリリ)
 (教会の鐘 - 愛のカドリル)
 *"Lempi"はフィンランド語で愛とか情熱を意味する言葉)

『教会の鐘』の演奏は、伝統的なカレリア地方のカンテレ(フィンランドの国民的な楽器、少しばかりハープに似ている)の演奏スタイルです。何世紀も前に、人々が小さな村の小さな森の中で暮らしていたとき、人々が経験できたもっともパワフルな人間が作り出した音が、教会の鐘の音でした。"教会の鐘"の伝統は、これから生まれ、この曲の中に息づいています。私はこの伝統をアコーディオンに当てはめたのです。

クリスチャンの信仰と、自然礼拝/シャーマニズムのより古い信仰とは、隣り合って何世紀もの間共に暮らしてきました。

教会の鐘の演奏のあとには、私が若さにあふれた愛を描こうとしたカドリルが続きます。ときどきそれは、つかみどころがないのです!

5. Tuuli taivutti - Lanssi(トゥーリ・タイヴッティ)
 (風に曲げられ - ランシ)

これもまた、二つの異なる曲のコンビネーションです。「トゥーリ・タイヴッティ(風に曲げられ」は、「ランシ」は、カレリア地方のアコーディオン演奏の伝統に基づいた典型的な曲です。

6. Liianmies(リーアンミエス)

「リーアンミエス」は私の家族が所有する小さな島です。私にとって、そこはとても大切な場所です。なぜなら私は子供時代の夏をすべてそこで過ごしたのですから。私にとって、たぶん、地球上で一番美しい場所なのです。

7. Kadonneet kirkonkellot(カドンネート・キルコンケロット)
(失われた教会の鐘)

この曲は、私の故郷の村で語られている古いお話に触発されて書かれたものです。そのお話によると、ある年老いた僧侶が協会の丘と呼ばれる小さな丘の頂きにある小さなチャペルに隠者として住んでいました。ロシアの侵略者たちがやってきて、村のすべての家を焼き尽くしたとき、その僧侶は逃げ出す前に何とかして銀の教会の鐘をチャペルから取り外し、それらを湖の底深くに沈めることが出来たのです。彼は二度と戻ってくることはありませんでしたし、誰も彼がその後どうなったのか分かりませんでした。しかし、もし誰か夏至の前夜の真夜中に、湖の岸辺に行ったならば、その人は湖のそこから鳴り響く教会の鐘の音を聞くことが出来るでしょう。

8. Vipukatrilli(ヴィプカトリリ)(梃子のカドリル)

この曲もまたダンスの振り付けのために書かれました。この振り付けには、(お遊びで)お互いに競い合っている二つの村の様子が描かれています。最後には、村の人々は握手をしすべて丸く収まるのです。

9. Kaalina timojaa(カーリナ・ティモヤー)

もう一度、若い少女の生活についての曲です彼女はかわいくて踊るのが好きなのですが、人生はいつもお気楽というわけではありません。たとえあなたが若くてかわいくても。

10. Katrilli Kintaan kylasta(カトリリ・キンターン・キラスタ)
 (キンター村からのカドリル)

これは、ほかに同じ名前の伝統的な楽曲がありますが、私のオリジナルです。私はずっとこの伝統楽曲が好きでしたので、このテーマで私自身のイメージを創りたいと思っていました。たとえ、北カレリアからニュー・デリーまでがはるかな道のりだとしても、私はヒンドゥスタンの色彩がこの曲の自然な一部となっていると感じたのです。

11. Delhi.katrilli(デリー.カトリリ)(デリーのカドリル)

この曲では、私は伝統的なカレリアのカドリルの演奏を、伝統的なヒンドゥスタンの歌い、それとモダンなドラム・ループと一緒にしようと思ったのです。

12. K.K.K. remix(K.K.K.リミックス)

これは、「キンター村からのカドリル」のリミックスです。
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以上、いかがだろうか。10曲目以降は、ライブしか知らない方には新鮮だろう。何せインド音楽とのミクスチャなのだから。特に12のリミックスなどは、パウリーナの音楽のレンジの広さに驚かされるバージョンだ。また、見ての通り、ライブでも演奏される楽曲も多い。ぜひ、これを機にスタジオ盤を手に入れて欲しい。彼女のホームページからリンクが張ってあるショップから通販で購入できる。sるいは、アメリカのCDRootsからの購入が簡単かもしれない。パウリーナによると、欧州以外で一番彼女のアルバムを売ってくれているショップらしい。ちなみに「Lerche」で検索すると、彼女のソロ・アルバム2枚の他、ご主人Peter Lercheのソロアルバム「Peshawar Diary」と、インド音楽とのミクスチャ音楽のユニット「Kriya」の同名のアルバム(これにも彼女のとてもいい歌ものが入っている)の、計4枚が引っかかってくる。
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by inVox | 2007-11-24 21:37 | ■Music
パウリーナのバンドのメンバーは、ハンナマリを除いて、それぞれ別の音楽活動をしている。ギターのトゥオマス・ログレンは、フリッジ(FRIGG)というインスト・バンドでもギターを弾いているしアルバムもスタジオ2枚とライブ1枚をリリースしている。アメリカ・ツアーを4,5回やってもいる。彼は多忙なギタリストのようだ。ベースのティモ・ペコネンも別のバンドでもベースを弾いているし、ギターとパーカッションのユッカ・キロネンもパウリーナと共にブーラカット(Burlakat)のメンバーでもある。

そんな彼らがパウリーナの下に集まる訳だが、実は彼らはパウリーナの故郷であるカレリア地方の小さな村ラーキラに住んでいたことがある。パウリーナとハンナマリはもちろんそこで生まれたのだが、トゥオマスもまたそこで生まれた。兄と共にオリジナル・ヴァルティナのメンバーだったのである。そしてあるときユッカが引っ越してきた。ティモは良く分からないが近くに住んでいたことがあるらしい。そういう風に、彼らは小さいころから、あるいは高校生くらいからの仲間なのだ。今はラーキラを離れて暮らしているメンバーも多いが、ひとたびパウリーナから招集がかかるとみな集まり、彼らのルーツであるカレリア地方の伝統音楽に強くインスパイアされたパウリーナの音楽を何の違和感もなく演奏できるのだそうだ。

トゥオマスやユッカ、ティモに言わせると、彼らは別に伝統音楽を意識して演奏してるつもりはまったくないし、自分たちのスタイルの演奏をしているだけだという。しかし、そこには自分たちの意識しない部分で伝統音楽の影響が奥深いところにあるだろうし、伝統音楽に根ざしたパウリーナの曲を演奏することでより強くそういった部分が音に現れているのかもしれない。別のバンドで演奏しているときも同じように演奏しているつもりなんだけどね。という感じだ。トゥオマスは、自分の趣味から言えば、とても強くアメリカのカントリー音楽に影響されている。だからこそドプロを弾くし、アメリカ・ツアーを楽しんでいる。だからどちらかと言えば自分の音楽はアメリカのカントリー音楽の影響が強いはずだ、と。しかし、それでもパウリーナと一緒にやると、不思議なことにフィンランドの伝統音楽の影響が強い音になってしまうのだ、と。

そういった話の流れで、ポップ・ミュージックとの違いについても話をした。今のヴァルティナは、ポピュラー・ミュージックの範疇で語る限りにおいては非常にユニークでカレリア地方の特色を持っているが、パウリーナの音楽と比較すると限りなくポップ・ミュージックのボキャブラリにどっぷりと漬かり込んでいるように聞こえると言うと、特にドラムスやベースのアレンジにおいては、彼らはジャズやロックの手法をなぞっており、そこが彼らがより多くの聴衆に広くアピールしている理由のひとつでもあるが、ユニークさを殺いでもいる点だということで意見の一致を見た。ある意味洗練されて過ぎていると言えるだろう。

さて、話を戻そう。パウリーナとハンナマリの姉妹が10年くらい前に組んだユニットがある。結成当初と2000年ごろにCDシングルを2枚出しているだけなのだが、今年、二人はそのユニットを再始動させた。メンバーはもちろん、今回のツアーバンドを含めた構成になっているそうだ。そして、なんとアルバムを作成中だという。このアルバムは、子供たちのための音楽であり、パウリーナのソロからも何曲か再録音されている。現在ミックスダウンまで終了し、マスタリングを残すのみになっていると言う。ジャケット・デザインなどはまだのようなので、実際にリリースされるのは来年の春以降になるのではないだろうか。大変楽しみな1枚である。今回の日本公演でもこの中から「Tonight/Tana Ictan」が演奏されている。どう?楽しみではないだろうか?

そういえば、パウリーナは高校生くらいのころからずっとお肉を食べない食生活を送っているそうだ。魚と鳥はOK。だが牛や豚は駄目。妹のハンナマリも同様だ。なので、食事をする店も気を使うが、ほかの男性3人はまったくの雑食。何でも食べる。パウリーナは日本が魚料理が多くて嬉しいと言っていた。

二人の日本公演でのお楽しみのひとつはショッピング。今回も最初に入った大阪でたんまりと洋服類を購入したようだ。その辺はごくごく普通の若い女性だ。かわいい。今回ハンナマリは、前回来たときよりもほっそりとなっていて驚いた。そう言ったら、とても喜んでいた。

パウリーナたちは、フィンランドに戻ったら、今度の土曜日から国内ツアーを始めるそうだ。このツアーはクリスマス前まで、何と24回のコンサートを行うことになっているそうで、3日やって1日休む、みたいな感じで、国内を移動移動の連続だそうだ。だからこそ、日本から帰った数日の間だけでもゆっくりと娘と過ごしたいのだそうだ。そりゃそうだ。年内はまだまだ休めそうにないからね。今週は、ツアー直前のため、練習が待ってるのよ、だから娘と遊ぶ時間もそんなに取れない、と嘆いていました。
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by inVox | 2007-11-23 01:24 | ■Music
PAULIINA LERCHE Live at Rakuya 18th Nov.2007

e0006365_22165525.jpg  1. Vot i Kaalina
  2. Amerikan Katrilli
  3. Etelamyrsky (southern Storm)
  4. Rapakatrilli
  5. Tanssi Poika (Dance Boy)
  6. Malanja
  7. Orvokin Valssikatrilli
  8. Tulikatrilli/Fire Quadrille
  9. Liianmies
 10. Tana Ictan (Tonight)
= short break =
 11. Mane Paiva
 12. Touko
 13. Kaik mi
 14. Lenti Kokko
 15. Kaisan Katrilli
 16. Muamon Marja 
 17. Liilee Lailee
 18. Jo mie Viikon
= encore =
 19. Helise Helia Metsa (Trad)
 20. Kaalina Timoja


あぁ、最終日。三日間なんて早いものだ。それにしても、昨日のトラッド版「ヴォッティカリーナ」は感激だった。今日もやってくれるかなぁ、などと考えながらステージが始まるのを待つ。今日は、ステージ後方の窓に黒い遮光カーテン(学校の理科室などにあるのと同じようなもの)が閉められている。昼間なので外の光が逆光になるのと、外の公園が見えてしまうのは気が散りかねないということで閉められたのだが、思いのほか吸音効果が高く、よりドライな音になったとギターのトゥオマスが驚いていた。客席で聞く分には、余計な反射音がなくなったことで音の角が取れたような感じでまろやかな感じになった。

最終日ということも会ってか、最初から気持ちの入り方が違っていたように思う。パウリーナはよく「フィンランド人と日本人は良く似ている」と言うのだけど、それはメランコリックな気分を楽しむ、という意味でもそうなのかもしれない。それは彼女の書くメロディに良く現れている。

今日はとにかくノリがすごい。細部を細かく聞かせるよりも全体の描く絵を見せたい!という感じだ。その証拠といっては何だが、東京に来て一度もギターの弦を切ったことがなかったユッカが2度、さらにトゥオマスまでもがギターの弦を切るということに。二人を含めてバンドのみんなが、「やっちゃった!?」という感じで笑い飛ばしてしまっていたことも、ノリが良かったことを示している。その程度のハプニングではこのノリは途切れなかったのだ。

新曲「Tonight」は、春のライブでお披露目された新曲「Liilee Lailee」と並んで、歌ものの仲ではぴか一の、ポップさとユニークさを兼ね備えた楽曲だ。思わず踊りだしたくなるリズムとメロディ、ハーモニーの美しさ。中間部のアレンジもまた面白い。また、娘のために作ったという子守唄は、しっとりとした情感にセンチメンタルなメロディも加わり素晴らしい。この曲のタイトルは、フィンランドで聖なる木として扱われているRowan Tree(ななかまど)のことだそうです。

「春」歌った曲だと紹介された「TOUKO」だが、この曲でベース・ソロを長々と弾き倒すティモに訊いたら、この単語は実際は「5月」を意味する言葉であり、自分は5月生まれだ。だから、この曲は僕のための曲なんだ、と言っていた。彼のベース・ソロは完全なアドリブだそうだ。おとなしい外見とは異なり、彼のベースはかなりすごい。すべての楽曲の根底を支えていると言えるもので、とてもユニークなラインを弾いている。実際、この日のコンサートには、アルバム「マランヤ」でこの曲のベース・プレイに惚れて見に来たというお客さんもいたほどだ。彼はこの曲を大変楽しみにしていたので、後でティモのサインをもらって満足した様子だった。

昨日は、「ヴォッティカリーナ」だった。今日は途中で「カイク・ミー」をやったので、もうトラッドはやらないだろうと思っていたら、アンコールの1曲目で初めて聞くトラッド・ナンバーをやってくれた。しかも「ヴォッティカリーナ」同様、全員でのアカペラ・コーラスでだ。パウリーナとハンナマリのリード・ボーカルが交互に、コーラス・パートを交えながら歌われていく。ワァオ,ワァオ,ワァオ!と大興奮してしまいました。後で確認したら、この曲は一度も録音したことがないそうだ。ヴァルティナ時代にも録音はしていないとのこと。貴重な1曲だった。

そして「カーリナ・ティモヤー」。容器で盛り上がるはずの極だし、実際盛り上がるのだけど、これで最後だと思う気持ちが強くなってしまって、「あぁ、終わるな~!」と心の中で叫んでいました。でも、「すべてのことに、終わりはいつか必ずやって来る」とフィンランドの諺にもあるように、このコンサートも終了。同時に今年2回目の日本ツアーとしても本当に終了してしまいました。

その後、会場に出てきたメンバーを囲んで、サイン会のようになり、写真を撮ったりするファンもいて、和やかに時は過ぎていきました。私もいくつかのお土産を渡し、サインももらって大満足。来年もまた来てねとお別れしたのでした。
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by inVox | 2007-11-21 22:17 | ■Music
PAULIINA LERCHE Live at Rakuya, Nakameguro, 17th Nov.2007

e0006365_23234590.jpg  1. Vot i Kaalina
  2. Amerikan Katrilli
  3. Etelamyrsky
  4. Tuuli Taivuiti - Lanssi
  5. Vipukatrilli
  6. Tanssi Poika (Dance Boy)
  7. Malanja
  8. Orvokin Valssikatrilli
  9. Tulikatrilli/Fire Quadrille
 10. Aallot/Waves
 11. Tana Ictan
= short break =
 12. Mane Paiva
 13. Touko
 14. Lenti Kokko
 15. Kaisan Katrilli
 16. Kehtolaulu
 17. Liilee Lailee
 18. Jo mie Viikon
= encore 1 =
 19. Kaalina Timoja
= encore 2 =
 20. Vot i Kaalina (Trad.)


東京二日目、出足少々緊張気味か、と思わせる場面もあったが、すぐにリラックスしていき前半が終わるころには会場も一緒になって、好い雰囲気に。やはり曲が素晴らしいので、今回パウリーナの音楽を初めて聞く人もすぐにメロディを覚えてしまい、繰り返されるさびの部分は自然と口ずさんでいたようだ。

この日は、前日のセットリストから「Liianmies - Kirkonkellot 2」を外し、代わりに「AAROT」を演奏している。そして前半最後には新曲「Tana Ictan」。これは「Tonight」という意味だそうだが、大変ノリがよく、放送メディアに乗っかれば大ヒット間違いなしだと言えるほどの曲だ。この曲は妹のハンナマリと組んだユニット「MIMMIT(ミミット)」の、来年発売されるニュー・アルバムに収録されているという。このアルバムは子供向けの作品だというが、どうしてどうして大人が楽しんで余りあるとても良い曲だ。

後半は、春の公演でも演奏された新曲なのだが、これは舞台劇『Onnen Solat』のためにかかれた楽曲で始まった。春の演奏は、力強いメロディが強調されたまさにトラッド的な印象だったが、今回のアレンジはかなり変わっていて、より強力なポピュラー音楽のボキャブラリを持ち込んでいる。そして、やはり春にお披露目された新曲「Liilee Lailee」で最高にハッピーな気分にさせてくれる。

だが、しかし、私にとって、この日最大の驚きは、実は2度目のアンコールであった。セットリストの曲名だけ見ると1曲目と同じなので??と思う方もいるだろうが、この曲は、トラッドである。1曲目は、その歌詞に手を加えて、メロディ自体はまったくのオリジナルに入れ替えているのだ。ところがこのアンコールでは、その大元のトラッドをまんまやってくれたのである。この曲はオリジナル・ヴァルティナの2枚目のアルバム『Musta Lidu(Black Bird)』に収録されているものと同じだそうだ(1stにも入っているが、それとはアレンジが異なるそうだ)。大変驚いたと共に、大変嬉しいプレゼントだった。
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by inVox | 2007-11-20 23:19 | ■Music
PAULIINA LERCHE Live at Star Pine's Cafe 16th Nov.2007

e0006365_2381581.jpg
  1. Vot i Kaalina
  2. Amerikan Katrilli
  3. Etelamyrsky (Southern Storm)
  4. Vipukatrilli
  5. Tanssi Poika (Dance Boy)
  6. Malanja
  7. Orvokin Valssikatrilli
  8. Tulikatrilli (Fire Katrilli)
  9. Liianmies - Kirkonkellot 2
 10. Tana Ictan (Tonight)
= short break =
 11. Mane Paiva
 12. Touko (Spring)
 13. Lenti Kokko
 14. Kaisan Katrilli
 15. Muamon Marja
 16. Liilee Lailee
 17. Jo mie Viikon
= encore 1 =
 18. Kaalina Timojaa
= encore 2 =
 19. Kaik mi


パウリーナ・レルヒェ(Paullina Lerche)が帰ってきた。大阪から始まり、京都を回って、漸く東京だ。三日間、3連続講演の初日は吉祥寺のマンダラ5=スター・パインズ・カフェでのライブ。ロック系のライブでは何度も来たところだが、北欧フォーク・ミュージックというトラッド色の強いアコースティックな音楽では初めてとなる。垂直方向に広がる空間の独特の反響特性など、ユニークな音響をどう使うのかも楽しみのひとつだ。

バンドは、前回の来日と同じメンバー。ボーカルとバイオリンは妹のハンナマリ・ルーカネン、ギターのトゥオマス・ログレン、ベースのティモ・ペコネン、ギターとパーカッションのユッカ・キロネン。ベースのティモを除く3人は20代。ユッカはブーラカット(Burlakat)でパウリーナと一緒にやっているほか、トゥオマスはフリッジ(FRIGG)というバンドも演奏しており、こちらは4,5回ほど長い米国ツアーを行うほど活発に活動している。実際、春の来日の後、2ヶ月以上の米国ツアーをやっており、今回もトゥオマスはほかの仕事の関係で、一人だけ遅れての日本入りだったという。

セットリストは、前回3月から8ヶ月ほどしか経っていないこともあり、半分ほどは同じ楽曲を演奏している。しかし、完全な新曲以外にも、アレンジをまったく変えてしまった曲もあったりと、面白みでは前回以上となっていた。前回演奏された新曲にもちゃんとしたタイトルがついていたりして、今回は、セットリストをアップすることが出来るようになったことがとても嬉しい。

ステージは、まったく楽しいもので、彼女の音楽に出会ったときの衝撃そのままの嬉しいもの。まったく新鮮味が衰えていない。メロディとダンスと歌と。実際にはアレンジ面でのトゥオマスの貢献が素晴らしいし、演奏面ではアンサンブルの骨格を支えるティモのベースが素晴らしい。そしてギターにパーカッションにと忙しく楽器を変えるユッカは曲のアクセントを明確にしているし、そこに乗る上物であるアコーディオン、ヴァイオリン、カンテレなどが入れ替わり立ち代り聴く者の心を惹きつける。まったく何という音楽だろう。
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by inVox | 2007-11-19 23:09 | ■Music
パウリーナ・レルヒェ 11月16日 吉祥寺スター・パインズ・カフェ

いやいや、半年しか経っていないとは思えないほどバンドは進化した。以前演奏された楽曲もアレンジを変更していたり、新曲かと思うほどだったりと、素晴らしい。今回お披露目された新曲もまた素晴らしい。金曜の夜ということで若干少なめのお客さんだったが、その分熱心なファンもいたりしてコンサートは盛り上がった。

日本での入手の難しさもあるせいか、会場で売られていたCDも人数に対する比率としては良く売れた。1枚目の『カトリリ(Katrilli)』は日本盤が出ていないこともあり、今回初めて見た、という人も多かったようだ。2枚目の『マランヤ(Malanja)』も輸入盤はスーパー・オーディオCDのマルチ・チャンネルだということは以外に知られていないようで、日本盤を持っている人でも買っていかれた方がいる。

日本盤の『マランヤ』は、やはり、解説と歌詞の対訳が欲しい方には大好評のようだ。本国フィンランドでも分かる人の方が圧倒的に少ないというカレリア地方の言葉なのだが、日本人からみると普通のフィンランド語であっても同じだろう。パウリーナはステージでもこの曲はこういうストーリーがあって、というような解説を良くやるほど1曲1曲の歌詞の内容については思い入れがあるので、ぜひ多くの人に伝えたいという意図の下、日本盤は製作されている。もちろん、1枚目の『カトリリ』が日本では入手しづらいということから4曲をボーナス・トラックとして追加されていることもうれしい。

今日と明日は、中目黒の楽屋(らくや)というところでのライブだ。見た人が幸せな気分になれる暖かでアット・ホームな音楽を楽しんでほしい。あぁ、もちろん、ライブ終了後にパウリーナは客席に出てくるので、そこでお話をするのもまた楽しみの一つだ。もちろん、サインもね。
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by inVox | 2007-11-17 11:27 | ■Music
パウリーナ・レルヒェ 来日公演!

今年3月の公演もまだ記憶に新しいパウリーナ・レルヒェが、何と今年2度目の来日公演だ!! 前回は、フィンランドで2006年に公演された『Onnen Solat』のために書かれたものも含めて新曲を数曲披露してくれたが、今回もまた、新曲があるという。来年にはニュー・アルバムも出す予定だというので、前回とはかなり違ったセットリストになるのではないかと期待している。

すでに、昨日、今日と、大阪、京都での公演が行われており、東京では金曜から三日間にわたりコンサートが行われる。ぜひともより多くの人に体験していただきたい。

 このアーティストは、とにかく、私のお気に入りで、アコースティックなバックとパワーのある歌もの、繊細なインストものが共に印象的なメロディを聞かせてくれます。ポップでキャッチーでありながら、どこにもないユニークな音楽です。ロシア国境に近いカレリア地方は、フィンランドの中でも特殊な音楽性を持った地域だそうです。楽しく、踊れる、泣ける、歌える?という要素を持っています。メロディがとても素晴らしくて、言葉がまったく分からないにもかかわらずつい口ずさんでしまいます。

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■パウリーナ・レルヒェ(フィンランド)東京公演

・日時:11月16日(金) 18:00 開場 19:00 開演
・会場:吉祥寺 スターパインズ・カフェ
・チケット:自由 前売 5,500円 当日 6,000円 (全て整理番号付) ドリンク別
 *オープニングアクト:かとうかなこ

・日時:11月17日(土) 18:00 開場 18:30 開演
    11月18日(日) 15:00 開場 15:30 開演
・会場  中目黒 楽屋(らくや)
・チケット:自由 前売 5,500円 当日 6,000円 (全て整理番号付) ドリンク別
 *17日、18日両日とも終演後、サイン会の予定

・来日メンバー
 Pauliina Lerche(パウリーナ・レルヒェ)accordion, vocals, kantele
 Hannamari Luukkanen(ハンナマリ・ルーカネン) violin, vocals
 Tuomas Logren(トゥオマス・ログレン) guitar, dobro
 Jukka Kyllonen(ユッカ・キロネン) guitar, percussion
 Timo Pekonen(ティモ・ペコネン)  bass

・企画制作:Office Ohsawa 、Blog「タダならぬ音楽三昧


日本盤「Malanja(マランヤ)」
 (日:Tobias Records:WSCT-11005、全15曲 63'20")
対訳、ライナーノーツ付、一作目『Katrilli(カトリリ)』からボーナストラック追加

収録曲
  1. Kaalina Timojaa 3'38" ※
  2. Jo mie viilon 3'49"
  3. Touko 4'35"
  4. Tuuli Taivutti ~ Lanssi 2'58"  ※
  5. Kaisan katrilli 4'28"
  6. Tanssi poika 4'00"
  7. Etelamyrsky 4'07"
  8. Vot I kaalina 3'25"  ※
  9. Rapakatrilli 4'10"  ※  
 10. Malanja 3'49"
 11. Kirkonkellot Ⅱ 3'52"
 12. Yon tytto 3'51"
 13. Amerikan katrilli 4'09"
 14. Tulikatrilli 6'03"
 15. Aallot 5'51"

 ※日本盤のみボーナストラック。「Katrilli」より

オリジナルの輸入盤を探すのが大変、という人は、この日本盤をお奨めします。出謬・アルバムである『Katrilli』から歌ものばかり4曲が追加されているからだ。歌ものが、取っ付き易さもあり、初めて聴く方には向いているだろう。もちろん、彼女の弾くアコーディオンは、同じフィンランドのアコーディオン奏者であるマリア・カラニエミに匹敵する腕前であり、あるプロジェクトでは彼女の後任としての演奏を行ってもいるほどだ。

◆Pauliina Lerche ディスコグラフィ

・ソロ・アルバム
  "Katrilli" (2002 RUOCD102)
 "Malanja" (2006 RUOCD106)

・クリヤ(Kriya):ペーターとの双頭バンド。インド音楽とのミクスチャ。
 "Kriya" (ABCD201)

・ブーラカット(Burlakat):ユッカもメンバー。
 "Tsastuska" (1999 Bur1-99)
 "Magie" (JJVCD-13)

・ペーター・レルヒェ(Peter Lerche):ご主人。元Pekkaバンドのギタリスト。
 "Peshawar Diary" (RUOCD402)

・ミミット(Mimmit):妹のハンナマリも参加!
 "Mimmit" (1996 MCD 1996 CD Single)
 "Meren alainen" (2000 MIMMITCD 1-00, CD Single)

・Sivuluisu
 "Sivuluisu" (1992 SLS192 7"EP)

・ヴァルティナ(Varttin)
 "Varttin" (1987 VトLP871)
 "Musta lindu (Black Bird)" (1989 OMLP22)

・その他:コンピレーション
 "Tervetuloa Kioskiin Vol.3" (Humppa 034)
 (Collection CD, includes Pauliina Lerche & Burlakat)


ソロ・アルバム以外でのお奨めは、やはり何と言ってもブーラカットだ。ソロよりもジャズ的なテクニカルな演奏が楽しめる部分と3人の女声ボーカルが絡んでいくという迫力ある歌がとても面白い。もちろん、パウリーナの声だけを聴きたいという気持ちもあるのだが。

妹のハンナマリと組んだグループであるミミットは、今年再び活動を始めたようだ。最初のシングルはハンナマリがまだ高校生のころに録音したものだ。この姉妹の才能は素晴らしい。これもまたシングルCDのみリリースしているが、アルバムも期待したいところだ。

ヴァルティナは、オリジナルヴァルティナの残した2枚にパウリーナがいる。ヴァルティナはこの2枚を出してからいったん解散しており、今のヴァルティナはこのオリジナルの中心メンバーが後に再結成したものが続いているものだ。2枚目の「Musta lindu (Black Bird)」では、ギターのトゥオマスも参加している。パウリーナは中学時代をヴァルティナとして活動していたことになる。

いずれにしても、ぜひともより多くの人に聴いてほしいライブのひとつである。
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by inVox | 2007-11-15 00:24 | ■Music
「インベージョン」(2007年/アメリカ)

e0006365_12434640.jpg監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーサム、ジェフリー・ライト、ジャクソン・ボンド、ベロニカ・カートライト

二コール・キッドマン主演ということで見ようかどうか迷ったのだが結局見てしまった。ジャック・フィニイ原作『盗まれた街』をどう映画化しているのか。過去に3,4本の映画化作品があるのだから、リメイクもいまさらの感がなくもない。どこをどうアレンジしてくるのか?それとも原作に忠実なのか、というのも興味があった。

現代に適合させるため、なぞの生命体の地球への飛来はそれなりに自然だが、そこに至る経緯が見えないのが不自然。なぜシャトルは乗っ取られたのか? 感染の進行は自然の様でもあり、派手目に演出されていたようにも思う。あとは「逃げる」設定がいかにも現代のトレンドに併せたようなアクションやサスペンスを織り交ぜたものとなっている。

まぁこんなものなんだろうなぁ、というのが正直な感想。単独の映画作品としてみたら悪くはないけど、褒めるほどでもない。アメリカ、ハリウッドの娯楽映画。あくまでも二コール・キッドマンを見せるための映画。そんなところだ。
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by inVox | 2007-11-10 12:44 | ■Cinema/Movie
「once ダブリンの街角で」(2006年/アイルランド)

e0006365_1503618.jpg監督・脚本:ジョン・カーニー
グレン・ハンサード/マルケタ・イルグロヴァ/
ヒュー・ウォルシュ/ゲリー・ヘンドリック/アラスター・フォーリー


アイルランドの音楽映画。ミュージシャンになれなかった男と結婚生活に失敗し母親と娘と一緒にチェコからきた移民の女。まだ40前の男はストリートで歌い小銭を稼ぎ、そうでないときは父親の電気掃除機集利点を手伝っている。まだ若い女は豪邸の掃除をしたり通りで花を売ったりしている。ときおり街の楽器屋さんで展示してあるピアノを弾かせてもらうのが唯一の楽しみ。この二人の出会いと別れの物語。そして音楽が二人を「再生」へと導く。

「再生」と書いた。Re-Vitalizeとでも言うべきかも。音楽の持つ力、アンサンブルの持つ力、バンドの持つ力、歌の持つ力、歌詞の持つ力。楽器を演奏し、バンドやアンサンブルをやったことのある人なら分かってもらえるだろう。オリジナルの歌を書き、楽器を弾きながら歌う。ほかの人と音を合わせる。そこには魔法が生まれる。いや、正確には生まれることもある。音楽の力。

音楽映画として、これまで見たどんなものとも違った。もちろん、「スティル・クレイジー」のようなものとも違うし、「スクール・オブ・ロック」ともまったく異なっている。「ドリーム・ガールズ」のようなミュージカルでもない。「コーラス」でもない。始めてみるタイプの音楽映画だ。ある意味ドキュメンタリーのようでもあるし、ドラマのようでもある。...映画だ。

使用される楽曲のほとんどは、主役二人の作詞作曲だ。監督は、その昔、主役の男と一緒にバンドをやっていた仲間だったという。主役には名前がない。男は「guy」、女は「girl」とだけエンド・ロールにクレジットされている。無名性を持たせることでリアリティと感情移入は増すのか、減るのか、この映画の場合前者だった。だけども、もし、私がこの二人のミュージシャンのことを知っていてアルバムも聴いていたならば、この映画の印象はかなり違ったものになったのではないだろうか。瑞々しい演技は馴れ合いに見えたかもしれないし、歌も最初から受け入れる気で積極的に好意的に聴いたかもしれない。ふと、そんなことを考えた。
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by inVox | 2007-11-09 15:00 | ■Cinema/Movie