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秋の展示「シャガールとエコール・ド・パリ」 青山ユニマット美術館

e0006365_16293645.jpg今年二度目の青山ユニマット美術館。前回とは異なる焦点での展示。シャガールの作品が4階に集められている。ごくごく若い時の作品もあるが、大半は50歳を越えたころのもののようだ。上野で見た展覧会とは異なり、よりプライヴェートな作品という印象が強かった。大作「ブルー・コンサート」はやはり圧巻。シャガール以外にもエコール・ド・パリで一括りにされている多様な作風の画家たちの作品はそれなりに楽しめるものが多い。






e0006365_16295626.jpg今回、マリー・ローランサンの絵がなぜかとても印象に残っている。あまり好みの画家ではないのだけれども…。他にはクールベの風景画やカバネル、モディリアーニがやはりよかった。レオナール藤田の作品は、ここで見た3点はいずれも好みではなかった。
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by invox | 2008-11-22 16:38 | ■Arts
帝国オーケストラ ~ ディレクターズ・カット版」(2008年 ドイツ)

監督:エンリケ・サンチェス=ランチ
出演:フルトヴェングラー時代の演奏家とその関係者、
   ナチス宣伝大臣ゲッベルズ、
   ヴィルヘルム・フルトヴェングラー

ベルリン・フィル創立125周年記念の映画作品の一つ。ドキュメンタリー。演じられるドラマはここにはないし、作られた筋書きもない。ただひたすらに証言と当時の映像を重ねていく。時折挿入されるインタビューされる側の現在の映像が、そのコントラストの対比からか、とても印象的だった。

戦争に利用された。戦争とは無関係。戦争に加担した。ナチスに利用された。ナチスに利用されることを「仕方のないこと」として受容れることで自らを納得させた。ナチスとは無関係。芸術は独立した立場を貫いた。言いたいことはそれぞれの人間が勝手に言うだろう。そして、それぞれが真実でもあるのだろう。だけど、事実は一切の「真実」を受容れない「事実」だけだと思う。

音楽の持つ力を利用したかったゲッペルスと音楽の無力さを思い知らされるオーケストラ。それでも同じ音楽がそこにある。
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by invox | 2008-11-19 23:45 | ■Cinema/Movie
"Hats Hats Harakkainen"  Mimmit

  1. Hats Hats Harakkainen 
e0006365_23383070.jpg    (Hats, Hats magpie)
  2. Tana iltan 
    (Tonight)
  3. Hauen sanalla 
    (The Word according to Magical Pike)
  4. Jo Mie Viikon 
    (A long time awaiting)
  5. Katrillin Poika 
    (Son of Katrilli)
  6. Kaksitoista Kaarnetta 
    (Twelve Ravens)
  7. Tanssi Poika 
    (Dance, oh Boy)
  8. Kuninkaan Tytt ret 
    (Kings Daughters)
  9. Pakkasherra 
    (Master of Winter)
 10. Muamon marja (kehtolaulu) 
    (Lullaby of Muamo- Mother)


来日直前の10月22日に発売開始となったばかりのミミットのデビュー・アルバムを紹介しよう。タイトルは「ハッツ、ハッツ・ハラカイネン」と読むようだ。「ハラカイネン」は鳥の「カササギ」のこと。彼女たちのHPでの英語での(短い)説明から訳してみると...、

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「ハッツ、ハッツ・ハラカイネン」CDは、フィンランドのカレリア地方の神話から直接的に採られたキャラクターで満ち溢れている:森の生き物、お姫様、人魚、水の妖精、トロル、それから、カレワラ(代表的な北欧神話)から採られた魔法の大鷲に、ラップランドの魔女など。

ミミットのCD「ハッツ、ハッツ・ハラカイネン」は、ユニークなコンセプトの上に組み立てられている:子供たちと、心は若者という人たちのための、フィンランド・カレリア地方の音楽に基づいたワールド・ミュージックというものだ。このアルバムのフレッシュなサウンドは、様々なアコースティックな民族楽器を用いているおかげである。
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とまぁ、こんな感じの説明だが、収録されている楽曲は、パウリーナ・レルヒェが作詞作曲を手がけているが、2曲目と4曲目はトラッドを下敷きにしている。アレンジは、夫のペーター・レルヒェと、昨年パウリーナのバンドのメンバーとして来日したギタリストであるトゥオマス・ログレンがほぼ半々で手がけている。また、ラストの「母のための子守唄」では、作曲にパウリーナと並んで妹のハンナマリの名前が挙げられている。アルバムは、基本的に歌ものだが、1曲だけインスト・ナンバーがある。しかし、そのカラフルな世界は、歌ものの間にあって、全く違和感が無い。その曲のアレンジはトゥオマスだ。

歌詞の内容までは分からないのが残念だが、基本的には神話や民話をベースにした「おはなし」的な内容のようだ。それは、コンサートの時にパウリーナが説明していたのを聴いた方なら想像できるだろう。それが、このアルバムが「子供たちのため」のものを意図したものであることを証明しているとも言える。しかし、歌われている言葉を聴いても分からない私たちにとっては、このアルバムは、非常に良くできたカレリア地方のワールド・ミュージックである。それは、この音楽が「ルーツ音楽」だということを意味しない。ルーツにあるカレリア地方のフォーク音楽をベースとしていながらも、高度に洗練された作曲とアレンジとが施され、まさしくワールド・ワイドな音楽になっているのだ。その圧倒的な輝きは、長くポピュラー・ミュージックを楽しんできた耳に、とても新鮮に響く。

昨年秋と今回の日本公演でも演奏された楽曲が多く含まれている点も嬉しい限りだ。しかも、今回の公演では、二人のダンスも見ることが出来た。フィンランドでは、このミミットの音楽は子供たちに広く人気を博しており、アニメーションが制作され、さらにはアニメーションに加えて、ミミットの二人のダンスを収録したDVDも製作されていると言う。小さな子供たちの間では、二人の踊りを真似、小さなアコーディオンと小さなバイオリンを持って二人の演奏のまねをするのが流行っているそうだ。そういう子供たちのために、日本からフィンランドに帰った後も、まだまだコンサートを行うと言うから人気の程が伺える。今後の予定として6回の公演が挙げられている。

2008年
 11月22日(土); Stockmann, Tapiola
 11月23日(日); Stockmann, It keskus
 11月29日(土); Stockmann, Helsingin keskusta
 11月30日(日); Stockmann, Kauppakeskus Jumbo
2009年
 1月21日(水);Espoo, Kulttuurikeskus
 1月22日(木);Espoo, Kannusali
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来年2月末には、二人目のお子さんが生まれるというパウリーナ。昨年の来日後に眼鏡からコンタクト・レンズに切り替えてますますおしゃれになったハンナマリ。この二人の活動から当分目が離せそうに無い。ぜひとも、また来日して欲しいものだ。バンドでもいいし、今回のように二人だけでもいいので。
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by invox | 2008-11-05 23:55 | ■Music
Pauliina Lerche (パウリーナ・レルヒェ) -  Mimmit (ミミット) 10/28 公演Live at 晴れたら空に豆まいて、代官山

1年ぶりのパウリーナ・レルヒェのコンサート。今回は妹ハンナマリとのデュオであるミミット名義での来日公演だ。
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MIMMIT(ミミット)
 - Pauliina Lerche(パウリーナ・レルヒェ)vocal, accordion, kantele
 - Hannamari Luukkanen(ハンナマリ・ルーカネン)violin, vocal


2005年の初来日は、パウリーナのソロだった。昨年は自身のバックバンドを率いての来日公演をなんと2回も行ってくれた。そして今年は、昨年レコーディングを行っていたミミットとしての来日。とはいえ、このデュオ、活動歴としてはハンナマリが「たぶん、しゃべれるようになって以来」ずっと一緒に何かしらの音楽を演奏してきたのだというから、息はぴったりだ。

e0006365_22551171.jpgちなみに、ハンナマリが高校生の頃に初めてこの名前を使っている。パウリーナとハンナマリの二人にハンナマリの友人たちを加えた形で、パウリーナの楽曲を演奏するグループとしてスタートしたのだ。そのときの録音は、いまや入手困難だが7インチ・シングルで発表されている。その後2000年にもう一枚シングルを発表した後、一旦ミミットとしての活動は終了したのだが、昨年、フィンランドの子供たち向けの音楽をやるにあたってハンナマリの存在感が強まり、二人は思い入れのあるこのミミットの名前を復活させたのだ。

<< 7" EP records >>
"Mimmit: Mimmit" (1996 MCD 1996)
"Meren alainen" (2000 MIMMITCD 1-00)
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今回の来日では、長野県の斑尾での「斑尾高原げーじゅつ祭」の一環として2回のコンサートを行い、その後東京で1回演奏したことになる。残念ながら、斑尾のコンサートには行くことができなかったが、初回25日夜は、大人のためのコンサート。二日目26日の昼は、子供たちを対象とした楽曲を中心にしたコンサートだったようだ。パウリーナに訊いたところ、初めてパウリーナの音楽を聴くお客さんばかりで、フィンランドについてのいろんな質問が出たり、とても楽しいものとなったようだ。

さて、代官山だ。この日は天気もよく彼女たちのコンディションもばっちり。1年ぶりの東京ということで、とても楽しみにしていたとのこと。パウリーナは妊娠中で思いアコーディオンやダンスは大変だろうと心配したが、フィンランドでは、出産直前まで、妊娠前にやっていたことなら何でもやって良い、というのが病院でも言われている様で、全然問題ないと笑っていた。

e0006365_22562671.jpg演奏された楽曲は、ミミットのデヴュー・アルバム「ハッツ、ハッツ・ハラカイネン」からの楽曲とパウリーナの2枚のソロ・アルバムからの楽曲を軸として、カレリア地方のトラッドを数曲織り交ぜたものだった。昨年のバンドでも演奏された楽曲も何曲かあったが、二人用に新しいアレンジで演奏された。この新しいアレンジが素晴らしかった。というのも、二人は実の姉妹であり、自分たちの故郷に対する愛情はとてつもなく深く、二人だけの演奏になると、骨の髄までしみこんだカレリア地方のトラディショナルな音楽のエッセンスが色濃く現れているのだ。それにパウリーナの持っている現代的なセンスが絶妙にブレンドされているのだから堪らない。もしかするとバンドでのバージョンよりもデュオでの演奏の方が良い曲もあったのではないだろうか。とにかく、とんでもない才能だ。

フィンランドでは二人の音楽を基にしたアニメーションが制作されており、TV放送されるそうだ。また、これにあわせて、二人のダンスを収録したDVDも制作されて発売される予定になっているようだ。二人はフィンランドでの歌のお姉さんたちと言っても良いだろう。子供たちを対象とした愉快なコンサートも数多くこなしているとのこと。
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by invox | 2008-11-01 22:57 | ■Music
『あたしと魔女の扉(Magic or Madness)』
ジャスティーン・ラーバレスティア(著) 大谷 真弓(訳)



e0006365_13123054.jpg帯には「〈世界9カ国で翻訳、各紙誌大絶賛!  あなたのファンタジイの概念をくつがえす三部作 アンドレ・ノートン賞受賞〉邪悪な祖母からの逃亡生活の果てに、少女が開けた扉は地球の反対側につながっていた!」という煽り文句が踊っていた。カバーのイラストはあまり好みではない。いかにも現代的な物語を予想させるからだ。だが、そう言いつつも買ってしまった。

アンドレ・ノートン賞ということだが、第一作だけではまだ物足りない感じがする。確かに冒険があり、危機があり、無事助かった~、という結末もあるのだが、この1冊だけでは何も解決していないし、何も進んでいないからだ。分かったことはあまりに少ない。これを独立した作品として評価するには三部作すべてを読み終えてからの方がいいかも知れないと思う。

そんな時、久しぶりに帰った実家で「床下の小人たち」(岩波少年文庫)を見つけた。ナルニアとドリトル先生に挟まれていたのだ。思わずもって帰ってきてしまった。もう一度読み返してみよう。
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by invox | 2008-11-01 13:13 | ■Books