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悲しいニュースだ。友人から28日の朝、連絡があった

スウェーデンのラーシュ・ホルメル氏が亡くなった。享年60歳。まだまだ若いのに。
ここしばらく体調が悪かったようだが、この1週間ほど昏睡状態が続いていたらしい。

e0006365_18452536.jpgリアルタイムの新作だった『Kaka』や、ソロでの初来日、日本人ミュージシャンを従えて演奏した時の印象が最も強い。その後も来日したが、親しく話をするチャンスはなかったが、その後の吉田氏のサムラ加入なども考えると、彼にとって、日本は運命の地であったのかもしれない。

サムラのアルバムもすべて持っているわけではないが、持っているすべては最高に素晴らしい。

せめて、天国では何ごとにも煩わされることなく安らかに眠って欲しい。ペッカに続いて北欧の巨星がまた一つ消えた。
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by invox | 2008-12-28 18:31 | ■Music
アンサンブル・コンテンポラリーα 2008年公演
~スティーヴ・ライヒを巡って~

・12/19(金)すみだトリフォニー・小ホール


  1. Pendulum Music (1968) sound installation(Steve Reich)

  2. New York Counterpoint (1985) (Steve Reich)
   cl: 鈴木生子

  3. Violin Phase (1967) (Steve Reich)
   vln: 花田和加子、音響: 有馬純寿

  4. Layered Song from Long Ago (2008 日本初演) (Masakazu Natsuda)
   ( Music From Japan 2008 年委嘱作品)
   cl:鈴木生子・三木薫 vla:安藤裕子 vlc:松本卓以 vib:神田佳子
   指揮: 夏田昌和

  5. Tehillim (1981)(Steve Reich)
   voice:稲村麻衣子・岩下昌子・辻村倫子・矢ヶ部直子( Voxhumana
   fl: 多久潤一郎 picc: 梶原一紘、ob: 小倉悠樹 e-hn: 南方総子
   cl: 鈴木生子・三木薫、bn: 塚原里江
   perc: 神田佳子・若鍋久美子・木下卓巳・長谷川友美・高橋英樹・峯崎圭介
   el-org: 及川夕美・大須賀かおり、vln: 佐藤まどか・花田和加子、
   vla: 安藤裕子、vlc: 松本卓以、cb: 木村将之
   音響: 有馬純寿、合唱指揮: 西川竜太、指揮: 夏田昌和


今年のコンテンポラリーαの定期公演は、スティーヴ・ライヒをテーマとしたもの。ライヒの作品から4曲が選ばれた。うち2曲は単独楽器による多重奏を単独奏者によって録音されたものとの合奏形式。そして最後に「テヒリウム」。ライヒの中で最初にアルバムを買ったのがこの曲のアルバムだった。NHK-FMでのライブ演奏の放送も聴いた。そんな思い入れのある曲だ。

1曲目は、今となっては古典的というよりも時代遅れのマイクのフィードバックを用いたチャンスオペレーション的な即興曲。マイクロフォンのコードの長さを変えてぶら下げ、それをモニタースピーカーの前で揺らし、スピーカーの前面を通る際のハウリングのみを用いる。コードの長さが違うので周期の異なる振り子となったマイク4本が起こすハウリングもずれを生じ、それが面白い効果を生み出す。もはや誰もやらなくなった手法だ。これにエコーをかけたり、異なる特性のスピーカーを用いたり、お互いの音を拾いあったりさせるというバリエーションもあってもおかしくない。

2曲目「ニューヨーク・カウンターポイント」では、あらかじめ録音された10本のクラリネットと生のクラリネットでの演奏。録音されたものが、座った位置の関係からか随分と左寄りに聞こえたが、どうやらPAの不調が原因だったようだと後で聞いた。クラリネットとはこれほどに多様な音が出せるものなのかと思わせる華麗な響きが鳴り渡る。私がライヒを好きな理由の一つに、楽器の持つ「好ましい音」を積極的に使うところがある。敢えて美しい音と言ってもいい。とても美しい「干渉」パターンを生じるような重なりとずれ。長いメロディがあるわけでもないのにメロディアスに感じてしまう。とても素晴らしい。

3曲目の「ヴァイオリン・フェイズ」も同様にあらかじめ録音されたヴァイオリンとの演奏だが、こちらはよりアグレッシヴな音の重ね方を見せてくれる。少し残念だったのは、それらの複数の音が真ん中で固まってしまい、分離が良くなかったことか。後で聞くと、PAの不調が回復せずモノラルで出力していたのだとか。

4曲目は、ライヒ作品ではなく、本公演のプロデューサでもある作曲家夏田氏のカルテット作品。本人の指揮による演奏だが、これが予想外の収穫だった。何というのだろうかメロディのようなものが自在にうごめく中で4つの異なる楽器が時に対話し、時に一人ごち、時に勝手にしゃべっているかのような不思議な感覚。その中で調和と非調和がその上のレベルで調和していく。おもしろかった。

休憩を挟んで後半にお待ちかねの「テヒリウム」が演奏された。人数も増え、ボーカルが4人入る。何というか、キリスト教音楽とイスラム音楽の中間に位置するような独特のメロディを四人が歌っていくのだが、実はその歌だけではなくてここの楽器がとてもよく配置されているのが、今回の公演でよくわかった。時にメロディは分割され、複数の楽器の上を渡り歩く。さらにはかなりのパートで歌と絡んでいくクラリネットが、この曲の重要な部分を担っているのが良く分かった。ダブル・リード楽器も絡んでいく場面があるが、クラリネットは、言ってみれば、ボーカルと並行に、対比的に、ユニゾン的に、でも時々裏メロ的に演奏されるのだ。これは非常に興味深かった。
 もう一つ面白かったのは、パーカッションのメンバーたちだ。後から手が腫れて痛まなければ良いがと思うほど力強く叩かれていく手拍子。このリズムをキープしていくのは相当な体力が必要だろうと思われるマラカス(のようなもの)。控えめだが適切な響きを聞かせてくれたヴァイヴ。そして、この曲の真髄を体現するかのように全身でのりを表現してくれたハンドドラム。とても素晴らしかった。
 それからずっと、後方で控えめに演奏され続けた電子オルガン。実際にはハーモニウムで演奏されるべき音なのだろうが、よく音を作ってあった。これもまた適切な音作りがされていたことの現われだろう。全体の音のバランスはとてもよく、これまでの録音物や放送で聴いた「テヒリウム」では感じ得なかったほどの興奮を覚えた。それはよりダイナミックなPAのバランスもあったかもしれないし、間近で見ることができたことによるものもあっただろう。しかし、何よりも、演奏そのものの持つ素晴らしさが感動させてくれたのだった。

 現代音楽の中で、ミニマル・ミュージックと呼ばれる音楽はクラシックよりもポピュラー・ミュージックの聴き手に、より好まれることが多い。テリー・ライリーしかり、フィリップ・グラスしかり。これら3人の巨匠はまったく異なる音楽を作り出しているにもかかわらず「ミニマル」として括られるが、それぞれの素晴らしさはまったく別のものだ。その中でライヒはとても端整で、いや、端整という言葉は誤解を招く。とにかく私の好きな音楽家の一人である。今回のコンテンポラリーαのライブを見て、さらにライヒ楽団のライブを見てみたくなった。
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by invox | 2008-12-27 23:39 | ■Music
「ボトル・ショック」(2008 米国)

飛行機の中で見たのだが、カリフォルニア・ワインが世界にその名を知らしめた1977年のパリの試飲会に至るドタバタとシリアスさとが入り混じったいい映画だった。ワイン作りに一生懸命なカリフォルニアの人々と、頭っから馬鹿にしてかかっているパリの「ワイン通」。その辺のバランスの取り方がアメリカ寄りなのはご愛嬌か。真実の物語、という事実ベースのコメディのようにも思える。

ナパ・ヴァレーは今でこそ有名だが、この当時はまだ日本ではまったく知られていなかったはず。いやはや面白いね、歴史というやつは。ワインが飲みたくなった。
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by invox | 2008-12-25 15:31 | ■Cinema/Movie
「東京ピカソ」
PICASSO: From the Collection of the Mus e National Picasso, Paris


1)「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」国立新美術館

2)「巨匠ピカソ 魂のポートレート」サントリー美術館

e0006365_03132.jpgピカソの大々的な展覧会を見るのは随分と久しぶりだ。学生時代に見た陶器を中心としたピカソ展が記憶に鮮烈だが、今回は絵画中心だというので大変楽しみにしていた。新美術館が初期から晩年までの作品を概観するような広範な展示だったのに対してサントリー美術館の方は肖像画(自画像)という軸を持たせた展示になっていたらしい。個人的には、青の時代の作品が多かったサントリー美術館の方が印象に残っている。新美術館は作品数が多すぎてちょっと疲れてしまった。

e0006365_032884.jpg作品は、パリのピカソ美術館からのもので、ピカソ本人がずっと所有していた作品ばかりなのだそうだ。これは両方に解釈できる。買い手が付かなかったか(習作という位置づけのためあえて売ろうとしなかったものも含めて)、本人のお気に入りだったか。まぁ、それはいい。あまり見たことのない作品の方が新鮮だった。ピンクの時代の作品が少なかったのは少し残念。

e0006365_034173.jpg面白かったのはミノタウロスにまつわる解説だった。なるほどね、と思わせるもの。抽象画やシュールな作風に変わっていってからは、一番ピカソのイメージを代表しているものなのだろうが、個人的にはあまり好きな作品はなかった。ダリの方が好きかも。
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by invox | 2008-12-23 00:03 | ■Arts
丸紅創業150周年記念 丸紅コレクション展 ~衣裳から絵画へ 美の競演~
 損保ジャパン東郷青児美術館

she36さんに頂いた招待券で見に行ってきました。着物と着物のデザインの元の図案画、それと収集された絵画作品というちょっと変わった展覧会。

e0006365_18425959.jpg最初のコーナーは着物。さすがに古さを反映して色はすっかり褪せてしまっているが、生地や縫いの見事さは素晴らしい。復元されたものが並べられていた小袖は、やはり色鮮やかで、他の着物も復元したらさぞかし華やかだっただろうと思わずに入られなかった。

京都の着物が東京に出てくるにはデザインの刷新が必要だった、という話は初めて知った。そのために当時の新進の芸術家たちが招聘され着物の図案を多く生み出したというのだ。それらの多くは着物の形をした図案画ではなく、あるモチーフといっても良いようなものだったが、そこから着物に起こされたものを並列で展示してあるものは、それなりに着物としてのデザインになっていた。こういうものは最初から着物の形を意識して作成されるものだと思っていたので新鮮だった。

e0006365_18431266.jpgそして収集された美術品。多くは商品として仕入れられたものだが、目玉の「シモネッタ」をはじめとして、有名な画家の作品も多く含まれていた。当時の仕入れの人物の目が良かったのか、割といいなぁとおもう物が揃っていて、日本人から見た西洋美術の美の価値観は、単になんとか美術館展という形で持ってこられたものよりも、こういった収集品の方にこそあるのかもしれないとふと思った。
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by invox | 2008-12-07 18:43 | ■Arts