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「獣の奏者(1)闘蛇編(2)王獣編」 上橋菜穂子(講談社文庫)


e0006365_1716552.gife0006365_1717976.gif「守人シリーズ」を文庫で読もうと決めて、単行本等に一切手を出さずにいたのだが、シリーズ自体はとっくに完了していることを考えれば、新作が出てきても不思議ではない。しかし、そのことにまったく思い至っていなかった。不覚だ。

というわけで、本屋さんでこの文庫2冊を見つけて即購入した。しかし、一抹の不安があった。それは新聞のテレビ欄で見かけたことのあるタイトル「獣の奏者エリン」の語感だけが頭にあったからだ。アニメは見たことがなかったが、どうせ機械獣のような設定のロボットを楽器を模したコントローラで操縦するような設定のロボットアニメだろうと思い込んでいたからだ。それは思いっきり外れていたわけだ。

さて、この2冊。実際には上下刊だと思っていい。一つの物語があるところで区切りが付くので分けられているが、大きな流れそのものはひとつだと言えるだろう。そして、その流れのなんと奥深いことか。それはまるで長い川を見ているかのような気分だ。小さな水溜りのようなものから激流や小川があり、池や湖がある。大河となり、支流や合流がある。だが、最後は...、まだ、海にまでたどり着いているわけではない。

異なるものたちが如何にその異なりを乗り越えようとするのか、しないのか。それは答えのない問いかもしれないが、いつか、ずっと「Stranger Still」と言い続けるのではなく、自らもまた大きなつながりの中の一つの連環をなすものであることを自覚して、「This Book」を誰かに渡していけるのかもしれない。そんな希望を与えてくれる本だ。

怖いのは、真摯でまっすぐな思いが、必ずしも「よい」ことや平和につながらないことだ。それが違う立場の人間から見たら「狂信者」と映ることもある。

この8月に、続編として(3)探求編、(4)完結編が刊行された。(1)(2)の文庫化とほぼ時を同じにしたのは、NHKによるアニメ化のおかげか? 講談社には特設ページも設けられている
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by invox | 2009-08-29 17:20 | ■Books
「フランス絵画の19世紀-美をめぐる100年のドラマ- 」横浜美術館

併催「横浜美術館コレクション展」近代フランス絵画ほか。

e0006365_065316.jpgフランスという括りで、しかも19世紀というと、いろんなものがあるんだろうなぁという漠然とした印象を持って出かけていった。不勉強極まりない観客である。単独で語れるようなものは19世紀にはすでになく、それ以前にあったものの延長線上にあるか、それらへの反発・反動から出発したものか、あるいは、さらなる昔に遡ってみて自らの立ち位置を見出したものか、いずれもそれらの内のどれかに当てはまっているように思えた。もちろん、自らのオリジナリティを追求した作品もあり、どれ一つとして模倣などではないのだが、影響や、反発、組合せなど、19世紀にあった絵画美術の焦燥感を感じるには十分だった。持っている方向性こそ全く異なってはいるが、誰もが突破口を探している。そんな感じを受けた。

e0006365_051938.jpg出展された作品の中で、一点、驚いたのは、以前、青山にあったユニマット美術館で見た「ヴィーナスの誕生」がニューヨークの美術館の所蔵作品として出ていたことだ。ユニマット美術館で見たときにはそこの所蔵品だったのではなかったか? 美術館の閉館に伴って売却されたということだろうか。それがまたこうして日本での展覧会のためにアメリカから戻ってきているというのも奇妙な感じがする。ユニマット美術館にあった他の作品も今はどこかに売却されているのだろうか...。
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by invox | 2009-08-26 00:08 | ■Arts
"Distress Signal Code" Luup (Musea FGBG 4764)

e0006365_1536364.jpg  1. "Through Your Woods" (4:49)
  2. "Faith In You" (4:22)
  3. "Water" (4:08)
  4. "Sketches For Two Puppets" (14:33)
     i) blown with life
     ii) dance grotesque
    iii) farewell
  5. "From Here" (5:26)
  6. "Distress Signal Code" (9:32)
  7. "Our Waves" (3:32)
  8. "Urban Legend" (5:08)
  9. "Memories Of The Future" (6:10)


- Stelios Romaliadis (Flute, Loops)

Guests
- David Jackson (Soprano, Alto & Tenor Saxes, Flute, Loops: 4,6,8)
- Nikos Fokas (Mellotron, Synthesizers: 9)
- Lisa Isaksson (Vocals, Acoustic Guitar, Flute,
Glockenspiel, Percussion: 1,5)
- Akis Boyatzis (Vocals, Bass Guitar, Piano, Keyboards: 3,8)
- Magnitophono (Vocals, Keyboards, Electronics: 7)

フランスのムゼアからのリリースされたギリシアのフルート奏者ステリオス・ロマリアディスのリュープ名義(uの上には点々が付いている)でのソロ・アルバム。デヴィッド・ジャクソンは4,6,8の3曲で演奏している。ステリオスの単独曲は、1曲しかなく、残りはすべてステリオス+ゲストというスタイルだ。

4,6はスタジオでの二人での生の即興演奏を記録したものだとのこと。とは言え、多重録音処理もしてあるようだ。8は、作曲されたものを3人で演奏している。

4は3パートに分かれた大作だが、二人の即興は、実際に耳にしてみないと言葉では伝わらないだろう。6は、ループによる一定のテンポが前半は維持され、そこにサックスとフルートの音が重ねられている。静かな中にもメリハリがあり、9分半という時間も長くはない。8は、アルバムの中で唯一3人での演奏となっている曲。ベースやキーボードによるパーカッションが入っていることもあり、最も構成がしっかりしていると言えるかもしれない。また、それゆえ、この曲だけは明確にポピュラー音楽であることを主張している。それはベースラインの印象がそう思わせるのかもしれない。とても印象的な曲。

全体的に穏やかな瞑想音楽といった趣。そこにクラシックや、ギリシア古楽風の味付けがあったり、ポピュラー音楽の要素が加わったりしている。一昔前ならニューエイジに分類されていたかもしれないが、そう言ってしまうには、引っ掛かりがある。ヒーリング音楽という訳でもないが、そういう聴き方もできる。とは言え、後半はやはりロックだと思う。静かな中にも力強さがある。積極的に何度も聞くというアルバムではないかもしれないが、思い出しては、なんとなく聴いてしまうことのあるアルバムになりそうだ。
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by invox | 2009-08-16 15:37 | ■Music
「奇想の王国 だまし絵展」Bunkamuraミュージアム

e0006365_005989.jpgベルギー幻想美術館展と言った方がよいかも。「クノップフからデルヴォー、マグリットまで」となっているが、展示作品は多種多様。最も基本的な騙し絵は、今で言うところの「3D」の技法だろう。以下に本物がそこにあるかのように見せられるかが、その作品のレベルの高さに直結している。目の錯覚を誘うために、2次元のキャンパスの上に、どこまで立体的に画を描けるかが評価を分ける。

e0006365_00313.jpgかと思っていると、幽霊画のようなものもある。これは本来暗黙の約束事である「紙」の大きさをはみ出させるという手法だ。幽霊画は決して立体画とは言えないと思うが、この「はみ出している」という一点において、突如として奥行きが生じている。掛け軸の手間に幽霊はいるのだ。そもそも半透明に近い質感を持つ「幽霊」という素材そのものが、技法自体の「立体的画法」とでも言うべきものを求めていないが故に、この手法はとても有効なのではないだろうか。

一方で、そういった「立体」ではなく、様々に異なるものを組み合わせてまったく別のものに見せるという手法が目に付いた。ポスターにもなっている果物を集めて人間を描いた作品や、猫や人を集めてさらに人物を描いた作品など、枚挙に暇がない。
e0006365_011818.jpg

渋谷での展覧会は、この後、兵庫県立美術館(2009年8月26日~11月3日)での公演となる。関西地区での受けはさていかに。
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by invox | 2009-08-13 00:01 | ■Arts
「夏への扉」(新訳版)"The Door into Summer"
ロバート・A・ハインライン(著)、小尾 芙佐(訳)

刊行日:2009/08/07 1,260円

e0006365_23102619.jpgなんと、新訳。しかも小尾 芙佐(訳)ということで、ちょっと興味がある。買うべきかやめておくべきか。旧版もまだハヤカワオンラインでも販売中。カドカワ・ルビー・ブックスで英語版も読んだことがある。さてさて。ハインライン好きとしては見過ごせないし...。
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by invox | 2009-08-09 23:11 | ■Books
「Prog Family」Osanna and David Jackson (2009)

e0006365_12135262.jpg  1. Milano Calibro 9-Teme
  2. Animale Senza Respiro
  3. Mirror Train
  4. L'Uomo
  5. 'A Zingara
  6. Ce Vulesse Ce Vulesse
  7. Fije 'A Chistu Paese(Oro Caldo)
  8. Il Castello Dell'es
 - Formentera Medley:
  9. Oro Caldo
 10. Variazione II :My Mind Flies
 11. L'amore Vincera Di Nuovo
 12. Everybody's Gonna See You Die
 - Blue Sky Medley:
 13. In Un Vecchio Cieco
 14. Vado Verso Una Meta
 15. Solo Uniti
 16. Theme One
 17. Canzona :There Will Be Time


Member;
 Lino Vairetti (vo, guitars, harmonica)
 David Jackson (saxes, fl)
 Fabrizio Fedele (guitars, vo)
 Sasa Priore (piano, keys, vo)
 Irvin Vairetti (melotron, keys, program,vo)
 Nello D'anna (bass)
 Gennaro Barba (ds)
 Lello Brandi (bass)
 David Cross (violin)
 Gianni Leone (org,vo)
 TM Stevens (bass)
 Sophya Baccini (vo)
 Solis String Quartet (strings) & Others


・Produced by Lino Vairetti

オリジナルメンバーのLino Vairettiを中心に再結成されたオザンナの2枚目になるという本作だが、全曲とも旧曲のカバーであること(聞けば、チッタ・フロンターレの曲も1曲。「テーマ・ワン」もやっている)と、名義が&デヴィッド・ジャクソンとなっていることもあってか、リノ(とデヴィッド)の音楽(をやれること)に対する喜びをストレートに表現するために作られた作品という印象だ。

メンバーは再結成オザンナに加えて、ゲストとしてDJの他に、デヴィッド・クロス、ジャンニ・レオーネ(イル・バレット・ディ・ブロンゾ)、レッロ・ブランディ(元オザンナ)、TMスティーヴンスなどが参加しているが、ほぼ全部に参加しているのはDJだけのようだ。それだけに、リノとDJの友情がこのアルバム制作の背景にあると見ていいのかもしれない。

それは音にも結構反映されていて、各曲はオリジナルとは異なるアレンジになっているのはもちろんだが、サックスのフィーチャー度合いはそれなりに大きい。ところによっては、後からサックスだけ重ねたなというのがなんとなく分かるような音質の差異は少々あるものの、全体としては違和感なく溶け合っている。

残念ながら私はオザンナは「パレポリ」1枚しか持っていないので、それ以外の曲はかなり昔に友人から聴かせてもらった記憶でしか比較できないので、どっちが良いとか悪いとか、好きとか嫌いというのは言うことができない。しかし、何度か通してこのアルバムを聴いているうちに、楽曲の持っている力そのものというのは感じられる気がしている。そもそもが強い曲なのだろう。再発もされていることだし、オリジナルも聴いてみたくなった(「パレポリ」は実際に聴き直した>日本盤LPで)。

本作はどうやら限定1000枚ということらしいが、日本でも輸入盤に帯と解説をつけたものが、ディスク・ユニオンからようやく出たらしい(出すというのをお店で聞いてから半年くらい経ってしまったが)。それも数の内に含まれると言うから一体何枚が日本で売られるのだろうか? 一応邦題も付くらしい「邂逅の瞬間」とかなんとか。

それにしても、実際ハードでタイトな演奏はかっこよく、イタリア臭さも含めてエッジの立った音になっていると思う。現代的な音作りを取り込みながらも元から持っているヘヴィさを失わず、むしろ、硬質なアグレッシヴさに転換できているのではないだろうか。私はこのアルバム気に入った。選曲的には旧作からのコンピレーションということで、オザンナのベスト・アルバム的な意味合いも持たせてもいいのかもしれない。

それにしても、イタリアらしいベタなタイトルにしたものだ...。
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by invox | 2009-08-08 12:15 | ■Music
「黒のトイフェル()」(Tod Und Teufel)
フランク・シェッツィング(著) 北川 和代(訳)

e0006365_23181025.jpg原題はドイツ語で「死と悪魔」という程の意味らしい。が、一方では、俗語として「くたっばちまえ」と言うようなニュアンスでの決まり文句としての使われ方もあるようだ。Tで始まる二つの不吉な言葉・罰当たりな言葉("Tod und Teufel)を重ねることで、どうやら世俗的な罵り言葉となっているということらしい。

先に紹介した「深海のYrr(イール)」の作者の長編デビュー作品だということで、日本での紹介は後になったが、本来はこちらが先に世に出ている。もちろん、当時はドイツ国内でのみ話題になったようだが、それが日本にまで届くには至らなかったようだ。「深海のYrr」がヒットしたことで日本でもようやく訳出された、というところか。

しかしながら、個人的にはこちらの作品の方が好きだ。13世紀半ばのケルンを舞台とした、ほんの数日間の出来事を綴った物語だが、非常によく調べられたケルンの街の描写や、当時の文化の描き方が(実際にそれが正しいかどうかは別として)リアリティあふれるものになっている。SFやファンタジー的、あるいはオカルティックナな設定がないことが貢献していると思える。十字軍による戦争後遺症のような現代的だと思われているテーマや、家族の問題なども織り込まれているが、それらは基本的に現代的な視点から描かれているように感じられる。逆に言えば視点や感覚の古さを感じさせない。

でも、そんなことは気にならない。結局これは娯楽小説なのだ。スリルとサスペンス溢れる有料作品だと言える。下手に深読みなどしない方がよっぽど楽しめる。いや、そうでなければ楽しめないと言った方がよいかもしれない。そういう意味ではTVドラマの延長線上にある作品なのかもしれない。
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by invox | 2009-08-06 23:18 | ■Books
イタリアには変なバンドがある、というのも改めて思った「この一枚」

e0006365_12233912.jpgAFTER GENESIS
"The Cryme of Selling Lambs"

探し物をしていて、見つけただけなので、音は分かりません。
ただ、バンド名はともかく、アルバムのタイトルとジャケットは...。
あぁ、ジャケットもこの大きさのものしか見つけられなかったので、
具体的に何が書いてあるのかまでは分かりませんので突っ込まないように。
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by invox | 2009-08-02 12:25 | ■Music