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「ゾティーク幻妖怪異譚」クラーク・アシュトン・スミス、訳:大瀧啓裕

e0006365_23591927.jpg・収録作品
 「ゾティーク」
 「降霊術師の帝国」
 「拷問者の島」
 「死体安置所の神」
 「暗黒の魔像」
 「エウウォラン王の航海」
 「地下納骨所に巣を張るもの」
 「墓の落とし子」
 「ウルアの妖術」
 「クセートゥラ」
 「最後の象形文字」
 「ナートの降霊術」
 「プトゥームの黒人の大修道院長」
 「イラロタの死」
 「アドムファの庭園」
 「蟹の支配者」
 「モルテュッラ」

CAスミスの作品をきちんと1冊、まとまった分量を読んだのは実はこれが初めて。短い作品ばかりだが、どれも印象的で、惹き付けられる。どれもこれもが無関係のようでいて、同じゾティークという広大な大陸を舞台としている点で、いや、太陽の末期という時代設定そのものが共通していることで(しかも、その時代の幅のなんと広いことか)、一つの作品集としてのまとまりを、「人類」という緩やかながらも、絶対的な括りの中で語っている。あぁ、もちろん。人類以外のものも出てくる。

正直言って「イルーニュの巨人」は本屋で見て、あまりぴんと来なかったので購入していなかったのだが、もう一度探してみようと思う。ちょっと調べてみたら、この人はシリーズものを多く著していることが分かった。


・イパーボリア(Hyperborea)シリーズ
・ポセイドニス(Poseidonis)シリーズ
・アヴェロワーニュ(Averoigne)シリーズ
・ジッカーフ(Xiccarph)シリーズ
・エイヘア(Aihai)シリーズ


一部は、「イルーニュの巨人」にも収録されているらしいが、あとは様々なクトゥルーものや雑誌などに散らばっているようだ。「ゾティーク」と同じように、シリーズでまとめた形で出して欲しいものだ。
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by invox | 2009-10-27 00:00 | ■Books
「ベルギー王立美術館コレクション ~ ベルギー近代絵画のあゆみ」
損保ジャパン東郷青児美術館

先日の「ベルギー幻想美術館展」と併せて見たかったのがこちら。新宿の高層ビルの42Fという立地からか割と人が少ないので気に入っている損保ジャパン東郷青児美術館での開催。

出展されている作品は、必ずしもベルギー人のものとは限られていない。かなり強い影響を持っていたフランスの作品も少なからず含まれていた。例えばルノワールなど。資料として掲示されていた年表は、フランスとベルギーの流れを左右に並べ、それぞれの動きがどのように関連していたかが分かるように矢印や言葉で解説されていた。

e0006365_1933393.jpg知っている画家と、知らなかった画家の作品と、知っていた画家の知らなかった作品。これらの組み合わせのなんと面白いことか。喧伝されることのない作品の持つ「地味さ」は、決して作品の味わいを落しはしないし、むしろ創作活動の奥深さを感じさせるものとなっていた。アンリ・ド・ブラーケレールという画家は初めて知ったが、面白かった。一方であまり面白みを感じられなくなっていたのは直接的に印象派的な作品。一方で点描技法を発展させた作品の中には面白いものもあったが、それは、写実主義的な手法と印象派的手法の組み合わされたものという私にとっては意表を突くものであったからだと思う。アルベルト・バールツン「ゲントの夜」は特に気に入った。

この展覧会は、すでに、山梨県立美術館(終了)、鳥取県立博物館(終了)と開催され、現在は、11月29日(日)まで 損保ジャパン東郷青児美術館(新宿)で見ることができる。その後、名古屋にて、12月12日(土)~2010年2月14日(日)の期間、松坂屋美術館で開催されることになっている。東京会場では、常設のゴッホ「ひまわり」なども見ることができる。
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by invox | 2009-10-25 19:03 | ■Arts
「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」世田谷美術館

う~ん、ちょっと合わなかったかなぁ。アール・ヌーヴォーの家具や装飾品の展示がメインだったこともあり、ちょっと期待はずれでした。特に金属製の装飾家具(植物や昆虫などを金属で作成したもの)は、単に、埃まみれになって掃除が出来ないだろうなぁ、という感想しかもてなかった。植物の葉っぱなどが丁寧に作りこまれているのはわかるのだけど、気持ち悪いとしか思えなくて...。

e0006365_05454.jpg一方、木製の家具(もちろん装飾として金属も部分的には用いられているんだけど)については、結構好きでした。特に良かったのが机。「書斎」のコーナーに展示してあったルイ・マジョレルの《書斎机 “蘭”》というものだ。こういう机が欲しいと思ってしまった。もう少し現代での用途に応じた手を加えれば(電源や引き出しとか)全体のフォルムはシンプルでありながら優雅というのを保ったままで実用的にも素晴らしいものに出来るだろうなぁと思ってしまった。

絵画作品も少ないながら、ミュシャなどの絵が展示されていて、サラ・ベルナールのポスターなど、久しぶりに見た気がする。他にも様々な画家の作品が出ていたが、日本美術からの影響が解説されていて、まぁ、流行りものの商業美術であることをはみ出す作品は少なかったが、まぁ、室内の装飾様式としてのアール・ヌーヴォーを概観するには十分だった。
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by invox | 2009-10-25 00:05 | ■Arts
「ベルギー幻想美術館 ~ クノップフからデルヴォー、マグリットまで」Bunkamura Meuseum

e0006365_2359524.jpg「ベルギーの」「幻想絵画」というテーマだが、結果として、作品数が多く、存在感もあったのは、ルネ・マグリットとポール・デルヴォーが頭抜けていた。まぁ共に有名な画家であるし、いろんなところで目にする機会も多いせいで、受容れやすいということもあるだろう。それら以外ではやはりクノップフやデルヴィル、ロップスといったところが印象的だった。

ひとつ良く分からなかったのは、お奥穂作品が姫路市立美術館から持って来られているし、図録としても姫路市立美術館の図録が販売されていたが、そこの収蔵品以外も持ってきていたのだろうか? 展覧会のタイトルにはどこにも「姫路市立美術館展」のような記述がなかったので、実際に見たときに少し違和感を覚えた。

e0006365_001080.jpgポール・デルヴォーは、大学時代に「デルヴォー展」というのを見たことがある。今回の展示会でデルヴォーの生きていた年代を見て驚いたのは、デルヴォー展を見たときには、彼はまだ生きていた現役の画家だったということだ。もちろん、新進気鋭というわけではなく、すでに有名だったからこその個展だったのだと思うが、当時は彼の画風にインパクトを受けたものの、素直に良いなぁとは思えなかった部分もあり、いまだにその時に購入したポストカードなどを見ると複雑な気持ちになるのだが、今回の展覧会で、画家の人となりについても少し情報があったり、まじまじと作品を見ることが出来たせいか、前回感じた違和感は感じなかった。むしろ、素直に楽しむことが出来たと思う。不思議なものだ。

e0006365_00412.jpg一方、クノップフ描くところの女性の肖像画については、これもまた、現代においてはすでに「漫画」に取り込まれて久しいものとなっていて、インパクトに欠けたものと写った。これを先に見ていれば違った感想もあったのだろうが...。残念。

マグリットの作品の中にジョージェットを描いたものがあった。それを見てスチュワート&ガスキンのカバーした「ルネ・アンド・ジョージェット・マグリット...」の歌を思い出したのは私だけだろうか。マグリットの作品は安定しているので、安心して見ることが出来るのだが、その中に描かれた不安定さや不安といったものが、見る者のバランスを崩そうとしているように感じられる。好きな作品もあれば、そうでもないものもある、という当たり前の接し方なのだが、彼の大きなサイズの作品を部屋に飾りたくなることがある。ま、時々ね。
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by invox | 2009-10-24 00:01 | ■Arts
e0006365_1755883.jpg9月の来日公演は、とてつもなくロックだった。そこで嬉々としてギターを弾いていたGary Green、堅実ながら豪放なドラミングを見せてくれたMalcolm Mortimoreとともに、往時の片鱗を垣間見せてくれるような鍵盤捌きを見せてくれたKerry Minnearがグループを脱退した。仲たがいとか、音楽的見解の相違とかいう理由ではないという。個人的な理由ということだが、もしかしたら、肉体的にツアーをするだけの体力がない、ということなのかなぁ、などと御年61歳の健康に気を回してみたりしている。以前書いたように、すでに自身の音楽の仕事も5年前に引退したということなので、もはや、本人的には「現役」のミュージシャンではない、という意識があるのかもしれない。そして、そこに復帰するだけの体力・気力にも自信がないのかもしれない、などと勝手な憶測で自らを慰めている。

Kerryの歌った「Think of Me with Kindness」は、これまでまったく気にしていなかった楽曲だった。アルバム「オクトパス」の中ではLPのB面は「The Boys in the Band」の印象があまりに強くて、後の曲は一塊の中に埋もれてしまい、個々の存在感を感じられずにいたのだ。しかし、こうして単独の楽曲として目の前で聴いた時、この曲のもつ根源的な素晴らしさが目頭を熱くすらしたのだった。実を言うと、私はアルバム「The Power and the Glory」の中の「Aspirations」がとても好きなのだ。これも、Kerryのボーカルに負うところが大きい。Derekの声もいいが、その対極的な位置にあるKerryのボーカル曲をもっと生で聴きたかった。それだけが心残りだ。

e0006365_176224.jpgKerryが抜けてしまったThree Friendsだが、今後どうするのだろうか? 活動を継続することを期待したいが、3人の友達は二人に減ってしまった。元の「Rentle Giant」に名前を戻すのだろうか? いや、そんなことはして欲しくない。出来るなら、シャルマン一族の誰か一人だけでも参加して欲しいものだ。たとえばDamonとか...。
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by invox | 2009-10-08 00:19 | ■Music