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「KLAUS SHULTZE Live in Japan 2010」

・2010年3月20日 東京国際フォーラム ホールC

初の日本公演である。すでに還暦を過ぎ、大病も経験しているクラウス・シュルツェ。4つのMIDIを結合したようなQUASIMIDI(クワジミディ)のまえに5台ほどのキーボードとMacブックを据えたセットはドイツでのコンサートと同じだという。ほとんどの機材は運搬があまりにもコストがかかるため日本側で調達したらしい。デジタルになり、記憶装置が発達したからこそできる技。音源のデータを持ち込むことで、同じ機材であれば同じ音色が得られる。

シーケンサーを用いたバッキングトラックに自在な即興演奏を組み合わせるというスタイルは、全く違和感がない。むしろ、全部即興でやるのではないかというくらいの印象があったので、それなりにファンに配慮した過去の自分のアルバムからのシーケンスの引用は安心感があった。そうは言っても、「タイム・ウインド」や「ムーン・ドーン」などは結構聞き込んだほうだと思うが、なんとなく、あぁあの曲かなぁ?程度しか分からなかった。「ミラージュ」からの引用がそれだった。

e0006365_22495073.jpg私の持っていたイメージでは、ドラム・マシーンなどのリズム・トラックは使わない、というものだったのだが、結構使っていて、それがいい刺激となり、メリハリのある音楽となった感じがする。聴いたところでは、そういう部分でホールの片隅で踊っていた女子が若干二名ほどいたとか。やはり、90年代以降を経て、ハウスとか、レイヴといったカテゴリーの音楽への影響が言われているのにもそれなりの根拠があるんだなぁという感じ。タンジェリン・ドリーム、クラフトワーク、ノイやラ・デュッセルドルフなど、システム7を除くと圧倒的にドイツのバンドの名前が即座に思い浮かぶ。一時期はやったメタル・パーカッションも含めて、ハンマービートなどと言われているものなど、ドイツ系のリズムの表現はそういった方面に多大な影響を与えたのかもしれない。

e0006365_22493040.jpgそれにしても、40分2曲、10分強1曲の計3曲でほぼ2時間。堪能いたしました。一緒に行った連れは、70年代のクラウス・シュルツェの知名度や位置づけなどについてまったくの予備知識なし。ポスターに使用されていた「ミラージュ」のジャケット写真を見て、ステージの本人と比較して一言「詐欺だ」^^); ま、40年ほど前の写真と言うことで、ご勘弁ください。
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by invox | 2010-03-26 22:50 | ■Music
"OMA" Burlakat (2009)

e0006365_23524175.jpg 1. Laulaja
2. Oma Aramaine
3. Darja
4. Salmin Tytto
5. Mieli Milmani Muamoni
6. Pienet Linnut / Rub'lan D'enga
7. Jarvirannas
8. Kukkuu, Kukkuu
9. Sluaviet Tytot
10. Hyinen Tytto
11. Sulho
12. Koivu



Johanna Koukkunen - vocals, kantele
Jukka Kyll nen - drums, percussion, guitars
Pauliina Lerche - violin, vocals
Vesa-Pekka Pisto - bass
Lasse Eronen- accordeon
Sirkka Kosonen: vocals, kantele
Pasi Tolvanen: guitar, dobro

さて、ブーラカットの3枚目のアルバム「オマ」が発表された。これまでの2枚のアルバムはとても気に入っていたのだが、このアルバムは、それら以上に素晴らしい。1枚目のアルバム「Tsatuska」が1999年、2枚目の「Magie」が2003年だから、随分とのんびりしたペースだ。しかし、フィンランドや周辺国においてはライブを行っていたようで、活動自体はマイペースながらも継続していたようだ。

日本ではソロとして、またMIMMITとして知られるパウリーナ・レルヒェは、ここではバッキング・ボーカルとバイオリンを演奏している。日本公演ではカンテレとアコーディオンを演奏する姿しか見たことがないので、ぜひバイオリンを演奏するこのバンドでの来日公演を望みたいものだ。

バンドは、メイン・ボーカルを務めるヨハンナ・コウックネンがリーダーのようだ。彼女が1993年に学生仲間の3人と始めたのがこのバンドの成り立ちである。結成の半年後くらいにパウリーナが参加している。1枚目のアルバムが録音されるまでには現在もメンバーである顔ぶれはほぼ揃っているが、アコーディオンのラッセとギターのパシは2006年からの参加だ。

ジャズのテイストも感じさせるベース・ギターに、カレリア地方のフォーク音楽の要素が目いっぱい詰まったメロディやハーモニー。それに素朴ともいえるパーカッションが加わる。そして、アコーディオンとバイオリンの絶妙なアンサンブルにギターやカンテレ、ドブロなどが加わり、独特の音空間を作り出している。

これまでの中で最も洗練されていながら、もっともカレリア的とも言えるのではないだろうか。ヴァルティナが楽器部分のアレンジが完全に西欧ポピュラー音楽の規範を取り込んでいるのに対して、ブーラカットはもっとカレリア色が強い。アコースティック楽器が多いという点でも違いがある。同じカレリア地方出身のバンドであり、個性も強いが、これらのバンドを生んだカレリア地方の音楽的土壌が如何に豊かであるかを物語っているのには違いない。パウリーナの音楽やヴァルティナに惹かれるものがある人にはぜひ一度聴いてみて欲しい音楽だ。
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by invox | 2010-03-12 23:53 | ■Music