ブログトップ

Out of My Book

invox.exblog.jp

Official inVox Blog; Watched, Read and Listened in my real life.

<   2010年 12月 ( 4 )   > この月の画像一覧

もうすぐ今年も終わるなぁ、と思っていたら、今年のライブ観戦を振り返っておこうとふと思いついた。もちろん、音楽の。時間軸に沿って思い出しながら簡単に。

1)クラウス・シュルツェ@国際フォーラム、3月20日(土)だったっけ?

 初来日。悪い足を少し引きずりながらの登場。ステージには5台のキーボードを中心に、大型のコンピュータのような機械がずらり。演奏中にはマックのノートも使用していた。前半1曲、後半1曲、アンコール1曲の合計3曲もやってくれた。2曲かなと思っていただけに満足感は十分。基本はインプロビゼーションだが、初来日ということもあってか、日本のファンへのサービスなのか、日本でも再三再発された「ミラージュ」などからのフレーズを鏤めてくれた。一つ、不満だったのは、バックに大写しにされたスクリーン上に出た日本語。誰が教えたのか、やれやれ、という感じの言葉がいくつか。この来日公演は、招聘元の長年の悲願でもあっただろうし、クラウス・シュルツェに対して、あまりに小さい会場で、というのも出来なかったのだろうなぁ。初日に行きましたが、二日目はどうだったのだろうか?そんなことを考えていたら、この日本公演はDVD付きでライブCDが出ているんですね。驚きました。

2)オザンナ@川崎クラブ・チッタ 4月2日(金)
 +デヴィッド・ジャクソン、ジャンニ・レオーニ

 こちらも初来日。イタリアのプログレ・バンドを数多く呼んできたチッタの実績は評価すべきかもしれない。オリジナル・メンバーのリノ・ヴァイレッティ(vo)にほぼ同年代のドラマー、サッサを除くと後はリノの息子を中心とした若いメンバー。そこにほぼ全曲で参加しているのがVdGGのデヴィッド・ジャクソン(sax,flute)と、ソロと1曲だけ参加のジャンニ・レオーニ(key)。ジャンニはオザンナの前身バンドの時のメンバーなのだそうだ。楽曲は基本的にはオザンナのレパートリーだが、演奏は激しい。歌が素晴らしい。リハーサルを少しだけ見させてもらったが、リノが突然ナポリ民謡を歌いだすと他のメンバーが全員それに合わせて演奏するということもあったりして、あぁ本当にナポリが好きなんだなぁと実感。デヴィッドもバンドを絶賛。

 当日の朝にデヴィッドをホテルに訪れて、午前中いっぱい話をした。前に会ったのは2004年だったからすでに5年半が過ぎている。その時の写真と今回のオザンナとの自家製パンフレットをプレゼントしたらとても喜んでくれた。デヴィッドの母親が今年1月に亡くなったのだという話もそのとき聞いた。その葬式で実の兄と40年ぶりに一緒にサックスを吹いたということも。お兄さんはアマチュアながら、自分よりも上手いんだ、と自慢げにいっていたのが印象的だった。

 ライブでは、オザンナの名盤と言われる2枚のアルバム「ミラノ・カリブロ9」と「パレポリ」からのナンバーの他にもデビュー・アルバムや再結成後のアルバムからの曲、さらにはバンド解散期のチッタ・フロンターレの楽曲などが演奏された。加えてゲストの持ち曲として、デヴィッドは「テーマ・ワン」と「ソンニ・ド・ロ」の2曲をバンド共に披露。アンコールで「テーマ・ワン」をもう一度やるという、リノ曰く「サプライズ」まで含めるとデヴィッドのオザンナにおけるポジションの重要さが分かるというものだ。ライブ後、サイン会までの短い時間に楽屋へとバンドを訪れデヴィッドに紹介してもらってサインなどを頂いた。バンドのメンバーにもお手製パンフレットを謹呈。リノが甚く感激して「ベリッシマ」を連発してくれた。作り甲斐があったというものだ。

 バンドは翌日早朝にソウルへと飛び、コンサートを行った後、同じ主催者の開催していたロジャー・ディーン展を見た後に帰国したとのこと。後日、パンフレットのデータなどをデヴィッドに郵送したところ、狙い通りまさに彼の誕生日に到着したとの連絡があった。しかも、そのデータを収めたCDRのジャケットに使用した2004年の写真でデヴィッドが来ていたTシャツをその日はたまたま来ており、娘さんに指摘されたのだと言う。そのCDRを手に同じシャツを着たデヴィッドの写真が送られてきたのは言うまでもない。

3)フィンランド・フェスト2010@渋谷JZ Brat  5月28日(金)
  ワールド・ミュージック・ショーケース

 出演は、スヴェング(フィンランドの超絶ハーモニカ4人衆)、レピスト&レティ(哀愁のヘルシンキ。アコーディオン&ベースのデュオ)、そしてフリッグ(若手No.1 フィドル軍団、圧倒的なパワー。初来日)。フリッグ以外は音を知らなかったのだが、さすがに素晴らしいバンドばかり。圧倒的なフィンランドの空気をたっぷりと堪能できた。三者三様だが、フィンランドの音楽は奥が深い。

 翌土曜日にフリッグのインストア・ライブ+サイン会が渋谷のタワー・レコードで開催された。こちらは、前日見たバンドをより間近で見ることが出来た分、細かいところまで楽しむことが出来た。まぁ時間は短かったけれども、バンドのギタリストであり、友人でもあるトゥオマス・ログレンとも久しぶりに対面し、話を出来たのが何よりだった。このバンドが彼の活動の一番中心にあると以前言っていたのも頷ける音楽だったのだ。是非また来て欲しい。

4)ピーター・ハミル@月見ル君思フ、新宿ピットイン 7月8日~11日

 恒例のピーターの来日公演。今年は各日4つの異なるテーマを掲げての挑戦。初日はギターのみ。二日目はピアノのみ、三日目はVdGG楽曲のみ、最終日はもしこれが人生最後のコンサートだったら、というもの。初日はアコースティック・ギターの音響が抜群に良い月見ルでのライブ。あとはピアノ重視でピットイン。もちろんダブル曲もあったが、延べ60曲程度を演奏した。個人的には、初日のギターのみのステージは日本では一度もやったことがなかったものなので大変嬉しかった。三日目はテーマがテーマだけにもっとも多くの観客が詰め掛けた。そして、これまでソロでは世界のどこでもやったことがない曲が飛び出したのだった。

 三日目には特別な観客が一人いた。父親がピーターの大ファンであったために"はみる"と名づけられた女性だ。そしてその父親は数年前に他界しているため、一人で父親がそこまで好きだったアーティストを見に来たのだという。コンサート終了後のサイン会の際に、この事実がピーターに告げられた。いや、こんなことってあるんだなぁ、と多くの人たちが感動していた。

 ピーターについては、すでに多くを語っているし、言葉で語るべきものでもないのでこの辺にしておく。次はVdGGの新作が来年3月に発表されるが、一足先にお披露目された3曲の中に、「文章」という曲があったことには驚かされた。まさに来日公演時にピーターが読んでいた芥川龍之介の短編集の中の一遍から取られたのは明らかだ。彼が私たちにこの作品が一番気に入っていると言っていたのは本当だったようだ。

5)DAAU(ダアウ)@六本木ヒルズ・アリーナ 9月11日

 ベルギー・ビール・ウィークエンド東京2010というイベントでのフリー・コンサート。これまで全く知らなかったジャズ系のバンドだ。編成はバイオリン、チェロ、アコーディオンにクラリネットというクラシックかと思いそうな楽器が並ぶ。音楽はミニマルなフレージングを重ねるタイプで、大きなうねりを作りながらそれぞれの楽器がソロを取るスタイルだ。これがまた長尺曲が多く、かつヘヴィでスリリング。酔っ払いだらけの会場では不評だったようだが、個人的には大満足だった。ライブ後に最新アルバムと今日のライブを収録したCDRを購入。サインも入れてもらった。この最新アルバムは6枚目だというから既にベテラン。若いのにたいしたものだ。今度是非きちんとコンサートを日本でやってもらいたいと心から思う。

6)ニック・ベルチェ/ローニン@スイス大使館/新宿ピットイン 10月13日、16日

 2006年以来久しぶりのニック・ベルチェ。以前よりもダイナミクスが増したようだ。ミニマルなフレーズの積み重ねとその変形が大変な緊張感と開放感の両方をもたらしてくれる。非常に強い音楽。全開はトリオ編成だったが、今回は5人編成。特に目を引いたのはパーカッション奏者のアンディ・プパート。硬質なピアノの音に煌びやかな表情を加えている。いつまでも見ていて飽きない。ついついニックよりも彼に目が行ってしまった。

7)スリー・フレンズ@月見ル君思フ 12月18日、19日

 昨年9月に続いて2度目の来日。但しメンバーチェンジがあった。ケリー・ミネアは去年9月の来日直後に脱退していたが、今年9月にキーボードのジョン・ドナルドソンとギターのアンディ・ウィリアムスが脱退したのだ。急遽加入したゲイリー・サンクチュアリ(key)には曲を覚えて練習するにはたった2ヶ月しかなかったことになる。ギターが一人になったことは大きな影響はないだろうと思っていた。もともとジェントル・ジャイアント時代は一人で演奏していたわけだし、ギターへの不安があるとしたら、昨年同様、ゲイリー・グリーンの記憶力によるものだけだ。時折フレーズを間違えるからね。

 ゲイリー・サンクチュアリは、ギャヴィン・ハリソンのソロ・アルバム「サニティ&グラヴィティ」に作曲と演奏の両面で貢献しているのを知っていたので実力に関する不安はなかった。しかし、想定外の事故が起きた。飛行機の乗り継ぎの際の手違いで楽器(キーボードとベース)が日本に来ていなかったのだ。せっかく音色作りをしてプログラムを仕込んであったキーボードがないということで、大変なハンデを負ってしまった。少なくとも初回の公演はそれでやるしかなかった。実際、コンサートでは音色の切替が上手く行かない場面も多々あったのだが、にもかかわらずゲイリーは出来る限りの演奏を精一杯行った。見ていてちょっとかわいそうだった。結局その日の夕方にようやく機材が届いたため残りのコンサートでは事なきを得たが、キーボードが届いた時にはほっとしたに違いない。後日、この話をデイヴ・スチュワートにしたところ、そんな恐ろしいこと、想像したくもないとのコメントをもらった。コンサートの前の一番の不安は機材のセッティングなんだ、とのこと。ゲイリー・サンクチュアリとはギャヴィン・ハリソンを通じて知り合っており、とても良い奴だよと褒めてもいた。

 今回、新たに加わったレパートリーには「プロクラメイション」や「ヴァレディクトリー」といった「ザ・パワー・アンド・ザ・グローリー」からの楽曲が含まれており、これは大変嬉しかった。ボーカルのミックも、全開よりはるかに伸びやかに歌っており、バンドとして充実してきているなぁという印象を強く受けた。ゲイリー・グリーンの望みどおり、このバンドでのアルバムを作って欲しいものだ。

          ◇

 以上が今年見た主要なライブの振り返りである。
[PR]
by invox | 2010-12-28 23:26 | ■Music
Three Friends Live in Japan 2010 at the Moon Romantic, Aoyama, Tokyo

●1st show 18th Dec. Sat. 2010

  1. Prologue
  2. Playing the Game
  3. Advent of Panurge
  4. Empty City
  5. Just the Same
  6. Pantagruel's Nativity
  7. Proclamation
  8. ~Valedictory(メドレー)
  9. Boys in the Band
 10. His Last Voyage
 11. Giant(including Three Drums)
 12. School Days
 13. Free Hand
   ~encore~
 14. Working All Day


初日、リハーサルでは異様な雰囲気。なんと、アリタリア航空の手違いでローマ空港での乗換の際に、キーボードとベース・ギター(それとゲイリー・グリーンのスーツケース)が東京に着ておらず、急遽、キーボードの音色のプログラミングをゼロからやり直しているというのだ。これは大変なことになった。元々2台使用する予定だったようだが、それが急に1台となったうえに、曲の中での音色の分担が出来なくなったことで、あまりにも大変な手作業が発生するからだ。2ヶ月ほど前にバンドに加入したばかりのゲイリー・サンクチュアリにとっては、まだ楽譜も必要な状態であるため、これは大変なプレッシャーとなっただろうことは想像に難くない。

今回の公演では、昨年演奏しなかった曲も演奏するとのことで楽しみにしていたが、最初のステージで「ザ・パワー・アンド・ザ・グローリー」の1曲目とラストの曲をメドレーで繋いだ7,8が強烈だった。そして、キーボードの大変さをカバーするかのように、ロジャー・ケアリーがむちゃくちゃ凄いベース・ソロを披露(「Just the Same」の中で)してくれた。さらには「ジャイアント」の中で、マルコム・モルティモア、ゲイリー・グリーン、ミック・ウィルソンの3人によるドラム・バッシュが大きな見せ場となった。いやはや、まさか楽器の持ち替えを見ることが出来るとは! これにはとても驚かされた。ゲイリー・グリーンはフロア・タムを、ミック・ウィルソンは2つ並べたコンガをそれぞれ演奏。ミックも上手いが、ゲイリーも様々な叩き方で、マルコムとの違いを出していて、フロア・タム1個で豊かな表情を出していた。これら、ベース・ソロとドラム・バッシュはこの回だけの演出で、日曜の公演だけを見た方には申し訳ないが、とても得をした気分だ。ますますジェントル・ジャイアント張りになってきた、ということを実感した公演だった。


●2nd show 19th Dec. Sun. 2010, Matinee

  1. Working All Day
  2. Free Hand
  3. Just the Same
  4. His Last Voyage
  5. Playing the Game
  6. Pantagruel's Nativity
  7. Boys in the Band
  8. I Lost My Head
  9. Peel the Paint
 10. Think of Me with Kindness
 11. Proclamation
 12. ~Valedictory(メドレー)
   ~encore~
 13. In A Glass House


二日目は、土曜の夕方にようやく届けられたキーボードとベースのおかげでゲイリー・サンクチュアリの顔にも余裕が出てきたようだ。音色の切替についてはこれでかなり落ち着いて対応できるはずだ。前日のキーボードの上にもう1台を重ねる形でセットアップ。1曲目から全開の演奏。昨日よりも自身が感じられる。また、ベースのロジャーも自分のベースということで、よりパワフルな演奏だ。今回も、マルコムの息子のジェームスがエンジニアとして同行しているが、昨年よりもガンガンとパワフルなミックスで低音の効いたロックなサウンドを作り上げている。それに気を良くしたのかギターのゲイリーとボーカルのミックもガンガンにステージで動き回るし、シャウトする。いやはや参った。こんなにもロケンロールなジェントル・ジャイアントは聴いた事がない。それは、昨年の目玉の一つでもあったケリー・ミネアが歌った「Think of Me with Kindness」の今年バージョンにも顕著で、ミックのボーカルは美しく、かつ、パワフル。切々と歌いながらも力強い。バックもフル編成でガツンガツンと来る。この曲がこんなにもエネルギー溢れる曲だったとは、と思
い知らされた感じだ。昨日はやらなかった曲も含めて、大満足の回。


●3rd show 19th Dec. Sun. 2010, Evening

  1. Advent of Panurge
  2. I Lost My Head
  3. In A Glass House
  4. Empty City
  5. Proclamation
  6. ~Valedictory(メドレー)
  7. Think of Me with Kindness
  8. Prologue
  9. School Days
 10. Working All Day
 11. Peel the Paint
 12. Mister Class and Quality
 13. Three Friends
   ~encore~
 14. Giant
   ~2nd encore~
 15. Free Hand


そして、最終公演。実は、昼公演の後で、あるファンから、「アルバム『スリー・フレンズ』の通し演奏というのはやったのですか?」と質問を受けた。もちろん、その時点ではやっていなかったのでそう答えたのだが、本当に彼らがやるのかどうか、実は私自身半信半疑だった。ま、アーティストは気まぐれだから、と半ば期待していなかったというのが本音だ。しかし、彼らはやってくれた。全曲を、アルバムどおりの順番で。昼公演以上にバキンバキンに、ガツンガツンとロックだ。ロケンロールだ。最後の2曲は今回はこの回だけの演奏だったのだが、それだけになお一層、最後の分厚いストリングスの盛り上がり方に涙ぐんでしまった。

そして、アンコール。しかも2度も。最後の最後に「フリー・ハンド」だって!大興奮の会場だった。そして、3度目を求める手拍子は続いたが、メンバー全員が出てきて、ゲイリー・グリーンが、もう勘弁してくれ、巻きタバコをもう巻きかけてるんだ、と笑いを取った。メンバー全員が再び手を振ってステージを去った。

その後、しばらく時間を置いてからファン・イベント。何人かから質問を受け付けた。最初の質問はマルコムに対してスティックの持ち方が昨年と違うようだが、というもの。マルコムはきちんと答えるように見えて、途中で割と適当か?という答え方。その後もマルコムのGG以降の活動についての質問や、ゲイリーに対してアコースティック楽器は使わないのかという質問が出た。ゲイリーに拠れば、自分は練習していないのでもうチェロは弾けないがと笑いを取った後で(もちろん、チェロを弾いていたのはケリー・ミネアだった)、ミックはギターがとても上手いので、将来的には「メモリーズ・オブ・オールド・デイズ」なんかをギター2本でやることはありうるそうだ。リコーダーはちょっと難しいかも、とも。実際今回の日本公演では初回にミックとゲイリーとマルコムでのドラム・バッシュをやったのも、そういう試みの一つだったと答えていた。さらに、ミックとはどこで知り合ったのか?という質問では、昔イギリスで活動していたテイク・ザットというグループがあって、そのメンバーの内何人かがジェントル・ジャイアントのファンだった。マルコムがテイク
・ザットの仕事をした際にミックと知り合ったのだそうだ。ゲイリー・グリーンは、今のバンド・メンバー構成を気に入っていると言い、これでライブ・アルバムか何かを作るかもしれないと発言。もし本当ならかなり嬉しいゾ。

質疑が終わると、サイン大会。二人の元GGメンバーが一番人気だが、ライブで見た彼らの実力に、他のメンバーたちにも多くのファンが喜んでサインを求めていたのが印象的だった。特に2度目となったミックとロジャーにはかなり話し込んでいるファンもいた。ミックは今年5月にもグレン・グールドマンと共に10ccとしても来日しているので、10ccのファンも見に来ていたのかもしれない。最も新しいメンバーのゲイリー・サンクチュアリは、元々セッション活動が中心なため、知名度は低いのだが、ジャズ・ファンク・バンドのインコグニートやギャヴィン・ハリソンのアルバムでの彼の貢献を知る人には貴重なチャンスだったのではないだろうか。かく言う私もギャヴィン・ハリソンのソロ・アルバム「サニティ・アンド・グラヴィティ」に彼のサインを頂いた。

いやはや、ケリーミネアがいなくなっただけでなく、直前9月にメンバー交代があったので心配していたのだが、むしろ、以前よりもロック・バンドとしてのまとまりと押し出しの強さが加わり、存在感がいや増していたのには驚かされた。私が話をした去年の公演を見たファンのほとんどが同じ感想をもたれたようだった。このままバンド活動をぜひとも続けていって欲しいものだ。アルバムと3度目の来日と。
[PR]
by invox | 2010-12-20 23:49 | ■Music
今週末の土日は、いよいよ「スリー・フレンズ(Three Friends)」の来日公演だ。昼公演を含めて3ステージ。最終公演後にはファンとの交流パーティが予定されている。

スリー・フレンズは、コーラス・ワークだけは再現することが出来ないようだが演奏は素晴らしい。ただ、ちょっと残念なのは、バイオリン、サックス、リコーダー、チェロ、シロフォン、ヴィブラフォン、アコースティック・ギターなどのアコースティック楽器の演奏が、シンセサイザーなどに置き換えられていることだろうか。ただそれが、むしろ、よりソリッドでロック的なガンガンのパワーとなっており、ロック・バンドらしい音楽になっている。

昨年9月の公演では、オリジナル・メンバーだったケリー・ミネアを含むツイン・キーボード、ツイン・ギターの7人編成だったが、来日直後にケリーが脱退し、今年9月にはギターのアンディとキーボードのジョンまでもが抜けてしまった。替わりにセッション・キーボーディストとして実力派のゲイリー・サンクチュアリが参加して、結果としてギターもキーボードも1人ずつの5人編成となっている。これはGGの編成と同じだ。

楽曲は、バンド名ともなっているアルバム「スリー・フレンズ」からの楽曲を全曲通しでやると言うが、他にも70年代には余り演奏しなかった曲もやるし、「フリー・ハンド」や「ジャスト・ザ・セイム」、「ボーイズ・イン・ザ・バンド」などの人気のある定番曲も演奏してくれるだろう。

それにしても、マルコムのドラミングのスタイルは個性的だ。とてもあの複雑なリズムを叩いているように見えないのだ。下手をすると、両手両足が別々のリズムを叩いているのではないかとも思えるときでさえだ。見た目は完全に的屋の親父みたいなんだけどなぁ。

ゲイリーは、こちらもいい親父になっていて、昔の映像や写真からは想像がつかない。かかとを後ろに振り上げて、つま先で床を蹴るリズムの取り方は昔と一緒(とは言え映像でしか見たことないのだが)で、これは、昨年の来日時に多くのファンが「あぁゲイリー・グリーンだ」と感動していたポイントだ。それにしてもゲイリーはお茶目だった。

この2週間ほど、ジェントル・ジャイアントのアルバムを聴き直して、ライブの予習をしている。果たしてどんな曲が演奏されるのだろうか。去年よりもかなりレパートリーが増えたらしいと聞いているので、とても楽しみである。
[PR]
by invox | 2010-12-13 15:13 | ■Music
今月は、Three Friendsのライブが行われる。日本公演としては2度目となるが、前回、昨年の9月の来日時のメンバーから3人が去り、1人が加入した。結果、今回は5人編成となった。

去った3人の内、キーボードのケリー・ミネアは元々6年前に全ての音楽の仕事から引退をしていたと言っていたので、バンドと一緒にライブをやるのも元々一時的なものと割り切っていたに違いない。なのであっさりと切りの良かった日本公演を最後に元の引退生活へと戻って行ったのだろう。

一方、ギターのアンディ・ウィリアムズとキーボードのジョン・ドナルドソンについては、今年の9月までの公演ではバンドにいたので、どうして脱退したのか理由は定かではない。やはり、昔のバンドのコピーばかりであることに対する不満があったのだろうか。それとも他の仕事が忙しくなったのか。

今回の日本公演がThree Friendsとしてのデビューとなるゲイリー・サンクチュアリは、元々優秀なセッション・ミュージシャン、サポート・ミュージシャンとして有名で、なかでもジャズ・ファンクの大物ブルーイ率いるインコグニートでの活動が知られている。こちらの領域ではアラン・パーソンズ・プロジェクトやギャヴィン・ハリソンとの活動がある。他にもスティングやマイケル・マクドナルド、スティーヴ・ウィンウッド、チャカ・カーンといった大物との活動もあり、要するに相当な演奏技術とセンスを持っているということだろう。しかも、イギリスの国立映画・テレビ学校で作曲の修士号を取得したばかりだというから、じっくりとお手並み拝見といきたいところだ。なんせ、ケリーの作ったGGのキーボードのアレンジは大変複雑かつトリッキーで高度にテクニカルなものなのだから。

e0006365_22594322.jpg3Fのライブを見た後で、GGのアルバムを聴き直してみると、緻密に練られたアレンジで、メンバー全員が複数の楽器を同一曲内で持ち替えて幅を出すという極めてトリッキーなことをやっているのがよく分かる。それを3Fでは楽器の持ち替え無しに演奏するのだが、多くの楽器をキーボードがカバーしているので、バイオリン、サックス、リコーダーやシロフォン、ヴィヴラフォンといった楽器を期待するとがっかりするかもしれない。また、GG独特の5人中4人によるコーラス・ワークは残念ながら再現されていなかった。せっかくボーカルを取れるメンバーが3人もいるのだから、今年は頑張ってやってほしいのだが。

GGの後期はアメリカでの商業的成功を目指したのか、アメリカン・ロック的な楽曲が増えた。アルバム「インタビュー」あたりから徐々にその傾向が出始めて、「ジャイアント・フォー・ア・デイ」でピークに達したように思う。キーボードが引っ込みギター・サウンドを前面に押し出して、シンプルな・ロックンロールを多くしていった。もちろん、見るべきところがどこにもないというようなことはないのだが、前半のアルバムと比較すると「面白み」や「スリル」が減っていったように思う。

3Fは、3枚目のアルバム「スリー・フレンズ」を録音したゲイリー・グリーン(g)とマルコム・モルティモア(ds)を中心にしているためか、初期前期の楽曲を中心にセットリストを組み立てている。なので重厚かつ複雑なGGの音楽性をもろに受け継いでいると言っていいだろう。一般的には「オクトパス」が最も人気があると言われているが、個人的には「アクワイリング・ザ・テイスト」や「パワー・アンド・ザ・グローリー」が大好きだ。これに「スリー・フレンズ」を加えたアルバムの中からの選曲が中心だった昨年の公演は大変満足の行くものだった。今年はさらにレパートリーが増えていると言うから、どんな「新曲」を見せてくれるのかとても楽しみである。
[PR]
by invox | 2010-12-07 23:00 | ■Music