人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

Out of My Book

invox.exblog.jp

Official inVox Blog; Watched, Read and Listened in my real life.

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(2007年 アメリカ/イギリス)

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(2007年)_e0006365_22434964.jpg監督・脚本:クリス・ワイツ
原作:フィリップ・プルマン
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ/ニコール・キッドマン/サム・エリオット/エヴァ・グリーン/ダニエル・クレイグ

原作本が山ほど平積みしてあるのをぐっと我慢して、まずは映画を見てから、と思っていたのだが...。どう見ても原作のほうが面白そうだ。映画は、悪くはないが、奥行きに欠けている。登場人物にリアリティがない。虚構が張りぼてに見える。原作ではきっともう少し奥行きがあるのだろうなぁという場面が何度も出てくる。きっと端折っているんだろうなぁという場面も。

原作は3部作。映画も3部作になるようだが、これは全部が出揃ってからDVDでいっぺんに見たほうが面白そうだ。本作はたったの112分と短く、どう見ても「続く」の文字が最後に出てきてもおかしくない作りになっている。これも映画を全部見させる戦略のひとつか。

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(2007年)_e0006365_2244555.jpgエンドロールの最初に流れるテーマ曲は、ケイト・ブッシュ。久しぶりの歌声を聞いた。もう少しあくの強い曲を期待していたのだが、映画のテーマ曲とあってか、大人しめ。ちょっと残念。
# by invox | 2008-03-04 22:44 | ■Cinema/Movie
「サンドキングズ」ジョージ・R.R.マーティン著、安田均/風見潤訳

「サンドキングズ」ジョージ・R.R.マーティン_e0006365_17565049.jpg・龍と十字架の道
・ビターブルーム
・<蛆の館>にて
・ファスト・フレンド
・ストーン・シティ
・スターレディ
・サンドキングズ

たまたま寄ってみた古本屋さんで見つけた。短編集。特に連作とかいう訳ではないが、同じ宇宙を基盤としたという意味では連作か。それにしても、面白い。奇妙な冷たさというか冷酷さがあり、皮肉なユーモアがあるように感じられる。どの話も強烈だ。その中でも気に入ったのは「<蛆の館>にて」だろうか。この人の邦訳作品は「氷と炎の歌」シリーズも文庫で第3部が出るのを待っているところだが、ほかの出版社からの作品もあるようだ。全部読んでみたい、という気になってきた。
# by invox | 2008-03-02 17:57 | ■Books
「デイ・ウォッチ」(ロシア 2006年)

監督・脚本 : ティムール・ベクマンベトフ
出演 : コンスタンチン・ハベンスキー 、 マリア・ポロシナ 、 ウラジミール・メニショフ 、 ガリーナ・チューニナ 、 ヴィクトル・ヴェルズビツキー 、 ジャンナ・フリスケ

以前見た「ナイト・ウォッチ」の続編。確かに続編。原作はロシアの作家セルゲイ・ルキヤネンコによって書かれたファンタジー小説。『ナイト・ウォッチ』は、ロシアで300万部のベストセラー。続編である本作『デイ・ウォッチ』のあと 、『ダスク・ウォッチ』『ファイナル・ウォッチ』と続いて小説は完結しているようだ。映画はどうなのだろうか。

「デイ・ウォッチ」 (ロシア)_e0006365_23221478.jpg「ナイトウォッチ」に比べると、シンプルな作りのように思えた。アクションやSFXは派手になっているが、全体にリラックスした雰囲気があり、作り手が楽しんで作ったのだなという印象。悪く言えば緊張感に欠ける。それでも、アメリカ映画にはない雰囲気はとても面白く、132分も長くはない。

映画を見た限りでは、これでこのシリーズもお終いだと言われても何の違和感もないのだが、第3作では一体どんなストーリーになっているのだろうか。ぜひ第3作目も作ってほしい。
# by invox | 2008-02-27 23:22 | ■Cinema/Movie
「グリーンフィンガーズ」(2000 イギリス)
「グリーンフィンガーズ」 (イギリス)_e0006365_14144796.jpg

脚本/監督:ジョエル・ハーシュマン
製作総指揮:トルーディ・スタイラー
製作/製作総指揮:ダニエル・J・ビクター
製作:トラビス・スウォーズ
出演:クライヴ・オーウェン/ヘレン・ミレン/デビッド・ケリー/ナターシャ・リトル

タイトルに惹かれて録画して見た映画。実話に基づいて製作されたと冒頭にキャプションが出る。いかにもイギリスな風景と人々が好ましい。花を育てる、人を殺したことのある男たち。命を奪う、命を与え、育てる。そこに見え隠れする男たちの心がじーんと来た。いい映画だ。2001年に日本でも公開されている。別にクライヴ・オーウェンのファンというわけではないが、なかなかうまかった。演出はいかにもイギリス的な品のよさを前に出した感じで、囚人・犯罪者が主人公であることによる先入観をできるだけ緩和しようとしたのではないだろうか。実話に基づいているとはいえ、登場人物のキャラクターがどこまで事実と合致しているのかはわからない。まぁ安全な場所からの「いい話」として割り切ってみたほうがいいかもしれない。でも、見終わった後はいい気分だった。
「グリーンフィンガーズ」 (イギリス)_e0006365_1415017.gif

# by inVox | 2008-02-16 14:15 | ■Cinema/Movie
「フェリーニのアマルコルド(Federico Fellini Amarcord)」 (1974、イタリア/フランス)

「アマルコルド」 フェリーニ_e0006365_22401310.jpg監督:フェデリコ・フェリーニ
製作:フランコ・クリスタルディ
脚本:フェデリコ・フェリーニ/トニーノ・グエッラ
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽:ニーノ・ロータ
出演:ブルーノ・ザニン/プペラ・マッジョ/マガリ・ノエル/アルマンド・ブランチャ

「アマルコルド」 フェリーニ_e0006365_22441987.gifフェリーニの「アマルコルド」を見た。自身の少年時代の思い出と重ね合わせて作られたとかいう前知識だけを頼りに見てみたのだが、原題の「アマルコルド」の元々の意味である「私は覚えている」が象徴するように、主人公であるティッタ少年の15歳の春から次の春(綿毛が飛ぶという出来事が象徴的に使われている)までの1年間の出来事を時間軸に沿って追っていて、ストーリーとか展開は基本的に皆無だと言っていいだろう。そんなの映画になるのか? 何が面白いのか? 自身の視点をティッタに置けなければつまらないかもしれない。自分が15歳だった1年間を思い出した。連続性のない出来事の連続によって、一人の少年の「毎日」という連続性が形作られ、気づいたら「忘れられない1年」になっていた...。そんな感じだろうか。昨年来日したピーター・ハミルが好きな映画として挙げていたのには、そんな感覚があるのかもしれない。
# by inVox | 2008-02-11 22:40 | ■Cinema/Movie

by inVox