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"KATRILLI" Pauliina Lerche

パウリーナのホームページには、アルバムの全曲解説が掲載されている。その解説を、改めて読み直してみたが、やはり、これをきちんと紹介しておかないといけないな、と思ったので拙い訳で申し訳ないが掲載することにした。発音については、類推の部分が多いので、フィンランド語を知っている方からの訂正は大いに歓迎します。まずは、1枚目のアルバムから。

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"KATRILLI" (カトリリ) pauliina Lerche(パウリーナ・レルヒェ)
\"KATRILLI\" Pauliina Lerche_e0006365_21371145.jpg  1. Vot i kaalina
  2. Rapakatrilli
  3. Orvokin valssikatrilli
  4. Kirkonkellot - Lemmen katrilli
  5. Tuuli taivutti - Lanssi
  6. Liianmies
  7. Kadonneet kirkonkellot
  8. Vipukatrilli
  9. Kaalina timojaa
 10. Katrilli Kintaan kylasta
 11. Delhi.katrilli
 12. K.K.K. remix

『KATRILLI(カトリリ)』:英語ではカドリル。カレリア地方のカラフルで小気味良いダンス)

1. Vot i kaalina(ヴォッティ・カリーナ)

この曲は友情についての曲。人は大人になるにつれ、仕事や結婚、子育てなどで忙しくなり、友人たちと会うのに十分な時間をとることが出来なくなります。しかし、もし友情が十分に強ければ、どんな障害をも乗り越えられるでしょう。

この曲では、モダンなドラム・ループを伝統的な響きを持つメロディと歌詞にいかに結びつけるか、という実験をしたかったのです。

2.Rapakatrilli(ラパカトリリ)(雪解けのカドリル)

この曲は、元々はダンスの振り付けのために作曲されたものです。振り付けのアイディアは狩でした。私は、その感覚を表現するのがまったく持って難しいことだとすぐに気づきました。しかし、いったんメロディが浮かんでくると、それは基本的には『それ自体によって生み出されて』(フィンランドの慣用句)きたのでした。この曲は私のお気に入りのひとつです。

3. Orvokin valssikatrilli(オロヴォッキン・ヴァルシカトリリ)
 (オロヴォッキのためのワルツ・カドリル)

この曲は、私の母親、オロヴォッキにささげられています。彼女は人が望みうる最高の母親です。

4. Kirkonkellot - Lemmen katrilli(キルコンケロット - レーメン・カトリリ)
 (教会の鐘 - 愛のカドリル)
 *"Lempi"はフィンランド語で愛とか情熱を意味する言葉)

『教会の鐘』の演奏は、伝統的なカレリア地方のカンテレ(フィンランドの国民的な楽器、少しばかりハープに似ている)の演奏スタイルです。何世紀も前に、人々が小さな村の小さな森の中で暮らしていたとき、人々が経験できたもっともパワフルな人間が作り出した音が、教会の鐘の音でした。"教会の鐘"の伝統は、これから生まれ、この曲の中に息づいています。私はこの伝統をアコーディオンに当てはめたのです。

クリスチャンの信仰と、自然礼拝/シャーマニズムのより古い信仰とは、隣り合って何世紀もの間共に暮らしてきました。

教会の鐘の演奏のあとには、私が若さにあふれた愛を描こうとしたカドリルが続きます。ときどきそれは、つかみどころがないのです!

5. Tuuli taivutti - Lanssi(トゥーリ・タイヴッティ)
 (風に曲げられ - ランシ)

これもまた、二つの異なる曲のコンビネーションです。「トゥーリ・タイヴッティ(風に曲げられ」は、「ランシ」は、カレリア地方のアコーディオン演奏の伝統に基づいた典型的な曲です。

6. Liianmies(リーアンミエス)

「リーアンミエス」は私の家族が所有する小さな島です。私にとって、そこはとても大切な場所です。なぜなら私は子供時代の夏をすべてそこで過ごしたのですから。私にとって、たぶん、地球上で一番美しい場所なのです。

7. Kadonneet kirkonkellot(カドンネート・キルコンケロット)
(失われた教会の鐘)

この曲は、私の故郷の村で語られている古いお話に触発されて書かれたものです。そのお話によると、ある年老いた僧侶が協会の丘と呼ばれる小さな丘の頂きにある小さなチャペルに隠者として住んでいました。ロシアの侵略者たちがやってきて、村のすべての家を焼き尽くしたとき、その僧侶は逃げ出す前に何とかして銀の教会の鐘をチャペルから取り外し、それらを湖の底深くに沈めることが出来たのです。彼は二度と戻ってくることはありませんでしたし、誰も彼がその後どうなったのか分かりませんでした。しかし、もし誰か夏至の前夜の真夜中に、湖の岸辺に行ったならば、その人は湖のそこから鳴り響く教会の鐘の音を聞くことが出来るでしょう。

8. Vipukatrilli(ヴィプカトリリ)(梃子のカドリル)

この曲もまたダンスの振り付けのために書かれました。この振り付けには、(お遊びで)お互いに競い合っている二つの村の様子が描かれています。最後には、村の人々は握手をしすべて丸く収まるのです。

9. Kaalina timojaa(カーリナ・ティモヤー)

もう一度、若い少女の生活についての曲です彼女はかわいくて踊るのが好きなのですが、人生はいつもお気楽というわけではありません。たとえあなたが若くてかわいくても。

10. Katrilli Kintaan kylasta(カトリリ・キンターン・キラスタ)
 (キンター村からのカドリル)

これは、ほかに同じ名前の伝統的な楽曲がありますが、私のオリジナルです。私はずっとこの伝統楽曲が好きでしたので、このテーマで私自身のイメージを創りたいと思っていました。たとえ、北カレリアからニュー・デリーまでがはるかな道のりだとしても、私はヒンドゥスタンの色彩がこの曲の自然な一部となっていると感じたのです。

11. Delhi.katrilli(デリー.カトリリ)(デリーのカドリル)

この曲では、私は伝統的なカレリアのカドリルの演奏を、伝統的なヒンドゥスタンの歌い、それとモダンなドラム・ループと一緒にしようと思ったのです。

12. K.K.K. remix(K.K.K.リミックス)

これは、「キンター村からのカドリル」のリミックスです。
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以上、いかがだろうか。10曲目以降は、ライブしか知らない方には新鮮だろう。何せインド音楽とのミクスチャなのだから。特に12のリミックスなどは、パウリーナの音楽のレンジの広さに驚かされるバージョンだ。また、見ての通り、ライブでも演奏される楽曲も多い。ぜひ、これを機にスタジオ盤を手に入れて欲しい。彼女のホームページからリンクが張ってあるショップから通販で購入できる。sるいは、アメリカのCDRootsからの購入が簡単かもしれない。パウリーナによると、欧州以外で一番彼女のアルバムを売ってくれているショップらしい。ちなみに「Lerche」で検索すると、彼女のソロ・アルバム2枚の他、ご主人Peter Lercheのソロアルバム「Peshawar Diary」と、インド音楽とのミクスチャ音楽のユニット「Kriya」の同名のアルバム(これにも彼女のとてもいい歌ものが入っている)の、計4枚が引っかかってくる。
by inVox | 2007-11-24 21:37 | ■Music

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