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Out of My Book

invox.exblog.jp

Official inVox Blog; Watched, Read and Listened in my real life.

King Crimson Live in Japan 2018

18th December 2018, Orchard Hall, Shibuya, Tokyo (Official Setlistから)



1st Half


1. Drumsons Vibrate Goodwill

2. Indiscipline

3. The ConstruKction Of Light

4. Epitaph

5. Neurotica

6. The Letters

7. Radical Action 1

8. Meltdown

9. Radical Action 2

10. Larks’ Tongues in Aspic Part 5

11. Islands


2nd Half


1. Drumsons Emanate Compassion

2. Peace

3. Discipline

4. Cirkus

5. Larks' Tongues In Aspic, Part 2

6. Fallen Angel

7. One More Red Nightmare

8. Moonchild

9. Cadenzas

10 In. The Court Of The Crimson King + Coda

11. Starless

encore

12. 21st Century Schizoid Man

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前回2016年は、チケットは購入したものの、一身上の都合により残念ながら見ることが出来なかった復活クリムゾン。今回は、チケット代が上がったこともあり、この日一日だけの観戦だった。座席はゾロ目の2929番。福々しい席だったと言っておこう。


会場は渋谷文化村のオーチャード・ホール。以前、一度だけ来たことがあると思うが、はるか昔のことでよく覚えていない(たしかYoussou Ndourだったかな?)。天井が高く、1回客席の他に2階席やバルコニー席がある作りで、PAなしのアコースティックには向いているのではないかなと思うが、今回の座席29列目という後ろから数えた方が早い位置では、PAの音がドンシャリで、ボーカルがちょっと聞こえが悪い印象だった。また、反響音の方が強すぎて、洞窟の中から外の音を聴いているような聞こえ方で、あまりいい席ではなかったのは確かだ。PAが前の方だけにしかなかったのが原因かもしれない。コンソール席が自分の席よりも前の方にあったのも影響しているかもしれない。やはりコンソールの前の方がバランスがいいのはこれまでにも何度か(別の会場で)経験している。


さて、前回来日公演は、その後「Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind)」としてリリースされたので聴いていたが、それ以前の「Live in Toronto」や「Live at the Orpheum」と同様に印象があまりよくなかった。もちろん、悪いという訳ではないが、楽譜を見て演奏しているかのような破たんの無さ。アンサンブルの崩壊を避けるあまりに一人一人が丁寧過ぎる演奏をしている、といった印象だった。故にこのバンドはクリムゾンではないと思ったのだ。印象的には21st Century Schizoid Band featuring Robert Fripp というものだった。主導権は、ボーカルを取るJakkoにあって、彼がやりたい昔のクリムゾンの楽曲を、他のメンバーがそれに合わせて演奏している、と。つまり、言ってみればJakko’s King Crimson of Dream なのではないか、と思ったのである。今回、この復活クリムゾンが、そもそもは21CSBに触発されたフリップが構想した、フリップ抜きのKing Crimson DNA という名前でクリムゾンの楽曲を演奏するバンドからスタートしているというインタビューを見て、あぁ、やっぱりそうだったんだ、と思ってしまった訳だ。メンバーの誰だったかも今のクリムゾンはオーケストラだ、みたいなことを言っていたと思うが、この人数ではアンサンブル重視にならざるを得ないだろう。


ところが、今回、ライブを見て感じたのは、Jakkoのノスタルジーや憧憬とは別のところでバンドが有機的に成長していることだ。それは、今回もっとも暴れまわっていたのがMel Collins Robert Frippの二人であったことが象徴的に示していたと思う(ちなみにその次に暴れていたのはPat Mastelottoだった気がする)。バンドの演奏がしっかりしてきたことで、この二人のリード奏者の暴れる余地が拡がってきたのではないだろうか。その分、Jakkoの存在感は、ギターを思う存分弾けない分尚更、薄れたように思う。ボーカルはあくまでもSuper Subとしての評価が高いのであって、Jakkoのことをあまり知らないクリムゾンのファンからは、まだオリジナリティを認められていないのではないかと危惧している。80年代からのJakkoファンとしては寂しいところだ。もっとも、彼のソロ・アルバムは、21CSBを始めて以降、クリムゾン色を強め、かつて魅力的だった彼のオリジナリティは薄くなったと感じていた。そういう意味で21CSBで演奏れていたJakkoの楽曲「Catleys Ashes」は、どうしても中途半端なイメージが拭えなかった。


ドラマー4人という体制が、如何に無理があるものなのか、それはBill Rieflinがキーボード専任に回ったことや、Jeremy Stacyもかなりの割合でピアノやキーボードを演奏していたことから、自分たちでも分かっているだろうと思うのだが、Pat Mastelotto が最も思うように叩いていて、Jeremyもキーボードがあるので、そこそこ忙しくしている中、Gavin Harrison が、ものすごく窮屈そうに演奏し、あるいは、曲によってはほとんど演奏せずにいるのを見るにつけ、かわいそうになってしまった。クリムゾンにはドラムスとパーカッションで二人いれば十分だと思う。もしかするとFrippの頭の中にはBill BrufordJamie Muir の作りだしたイメージが強く残っているのではないだろうか。それを越えるものを!という思いがその後のクリムゾンには強く感じられるし、今の編成に繋がっているように思えてしまう。


セットリストは、毎回変わるということで、ま、この手のバンドなら当然要求されることなので驚きもしないし、それをもってクリムゾン凄い!という気持ちにもならないが、「Meltdown」や「Radical ActionI, II, IIIと即興曲的な数曲を除くと古い楽曲ばかりなので、ある意味ヒット・パレード的なもの。レパートリーが多いので、日によって差はあるが、どの回を見てもそれなりに満足できるもののようだ。以前よりも新曲が増えたことでバランス的にも良くなったと感じる。そろそろいい加減古い曲中心のセットはやめた方がいい。新曲がもう少し増えたらスタジオ・アルバムを制作してほしい。もう十分に資金はたまったはずだ。


今回強く感じたのは、Adrian Blew時代の楽曲の崩し具合、あるいは再構築の度合いが、70年代楽曲以上に大きくなっていること。復活前のクリムゾンは、nuovo metalとか言いつつも、そこそこ端正な演奏だった気がするだけに、この崩れ方は、一つにはAdrian Blewと同じ歌い方はJakkoにはできないからということもあるのだろうが、やはり、ブルースの素養もかなり強く持っているはずのMel Collins がより前面に出てきたことが大きく影響しているのではないだろうか。それとJeremy Stacyのドラムスも結構ガレージ・パンク、フリー・ジャズ的な「破れ」を感じさせられるものであるのも大きいかもしれない。


Gavinのドラムスは、以前2001年に本人にも直接言ったのだが「Powerful & Sensitive」であり、スムーズでありながらパワーも感じさせ、かつ、細かいところまで気を行き届かせている感じがする。だからこそ、もっと思い切りたたかせたい気がするのだ。


また、今回のPatの演奏は、パワフルなのだがドタバタしているように感じてしまい、悪いたとえかも知れないが、イタリアン・ロックあるいは、ビル・ブルフォードに対するアラン・ホワイトのような印象だったと言えばイメージが湧くだろうか。あまり好きなタイプの演奏ではない。


Jakkoについてもう少し言えば、彼は若いころから常に「Super Sub」としての役割を懸命に果たしてきたように思える。最初はボーカリストとして、Richard SinclairRobert Wyattの代わりとして。あるいは、Japanのメンバーと組んだ時はDavid Sylvianの代役として。また、ギタリストとしてはLevel 42では、アルバム「Guaranteed発売直前にバンドを抜けたAllan Holdsworthの代役として、21CSBでは、自ら進んでRobert Fripp70年代の歴代ボーカリスト(Greg Lake, Boz Burrell, John Wetton)の代役として。そして今は、そこにAdrian Blewの代わりという(ボーカル兼ギター)役割も果たしている。なまじ器用で、楽器も歌も上手く、声も良いために、そういった役割を求められても易々と応えられるのだろうが、傍目には不幸なことのようにも見える。しかし、本人は、本来の性格だと思うが、根っからのファン気質が強く、そういった役回りに対しても全く抵抗がないようだ。むしろ、嬉々としてやっているようにすら見える。実際、今のクリムゾンは、彼の子供のころからの夢だったのは間違いない。


我々ファンにとって、Jakkoは、元々カンタベリー系のSoft MachineHatfield and the North, Henry Cowなどのファンとして1980年代にまず認知されたが、本来の彼は、同時にKing CrimsonVan der Graaf Generatorの大ファンである。一番の根っこがどこにあるのかはよく分からないが、学生時代に組んだバンド64 Spoonsのアルバムを聴く限りにおいてはアヴァンギャルドなジャズ・ロック志向が強いようなのでやはりカンタベリーなのだろう。Jakkoのプロとしてのキャリアは、客として通っていたカンタベリー系のライブでの交流を通じてNational Health/Bruford後のDave Stewartに誘われたRapid Eye Movement(他にPip Pyle Rick Biddulphがメンバーだった)での活動が最初なのではないだろうか。残念ながら、ライブ活動は行ったものの、スタジオ録音のテープをライブ会場の楽屋から盗まれた(Dave談)ことで現在入手可能なスタジオ音源はない。


REM解散後は、Dave Stewart のソロ・デビュー・シングル「What Becomes of the Broken Hearted」のデモ・テープでColin Blunstoneの代役としてボーカルを取ったり(残念なことにその音源は出回っていない)、その後のDave Stewart and Barbara Gaskinのシングルやアルバムでもギターにバッキング・ボーカルにと活躍している。ちなみにDave Stewart and Barbara Gaskin1982年の全英1位を記録した大ヒット「It’s My Party」のプロモーション・ビデオにはPip PyleAmanda Persons, Thomas DolbyなどとともにJakkoも登場しているので機会があれば見てほしい。Jakkoは、それ以外でも、Dave Stewartがプロデュースを依頼されたPeter Blegvadのシングル「How Beautiful You Are」の録音に際して、その話を聞きつけて、「これは自分が行かなきゃならない」と勝手にDaveにくっついてスタジオに押しかけて、ちゃっかり参加している。この時の録音が縁で、その後、Peter Blegvadのソロ・アルバムに参加し続けているのはもちろん、The Lodgeのアルバムに至っては正式メンバーとして参加することになる。


さて、JakkoVdGGのファンだったと書いたが、そちらの方にも「押しかけ女房」ぶりを発揮した証拠が残っている。それが1982年に発表されたDavid Jacksonの「The Long Hello Volume Three」だ。このVdGGのサックス奏者のソロ・アルバム全8曲のうち、A面ラストとB面ラストという重要な2曲において、全面的にアレンジと演奏、歌を担当しているのだ。Aラストの曲は「Sogni D’oro」といい、David JacksonJakkoの共作であり、現在もOsannaライブにDJが参加するときには時々演奏されている。その時に歌うのはLinoの息子のIrvin Vairettiだ。そして、B面ラストの曲は、なんとGodbluff期の没曲だと言われている「The Honing of Homer」で、Peter HammillDavid Jacksonの共作曲である。Peter Hammillが歌うべき歌をJakkoが歌っているこの曲は、DJVdGGを抜けるまで、その歌詞がSofa Soundの歌詞のページにも掲載されていた。


Jakkoの第1期シングル時代(1982年)は、Chiswickというレーベルから3枚のシングルを発表している。そのすべてにDavid JacksonDave Stewartが参加している。同じレーベルで最初のソロ・アルバム「Silesia」をDaveのプロデュースで制作しているが、ドイツ、イタリア、オランダの3国のみでの発売で、イギリスでは発売されなかったという不遇の時代だ。そしてレーベル倒産。


Jakkoのソロ第2期(1983-84年)のシングル3枚を出したStiff Records時代には、現在では矢沢永吉のツアー・バンドで日本でも人気の高いベーシストEd Pooleが参加している。また、この時期にStiff Recordsに勤めていたのが現在の奥様だ。そう、クリムゾンのオリジナル・メンバーのMichel Gilesの娘さんだ。結婚後、しばらくしてJakkoが義父を説得して21st Century Schizoid Bandを始めた背景には、そういう流れもあったのだ。義父を切り口にして、義理の叔父(Peter Giles)や二人の音楽友達(Ian McDonald, Ian Wallace, Mel Collins, Pete Sinfield, そしてRobert Fripp)へと直接的に繋がっていったのが現在に至る経緯だ。この時代のシングルの中にPeter Blegvadが朗読で参加した「A Grown Man Immersed in Tin Tin」(「Who’s Fooling Who」のB面)も含まれている。A面のプロデュースはDave Stewartだが、B面はJakko自身だ。


他方、JakkoGavinの出会いは1983,4年頃だと思われる。Dave Stewartが全面的にプロデュース、バックアップしたイギリスのコメディアンNeil (ナイジェル・プラナー)のアルバムで二人がクレジットされているものが一番古いのではないだろうか。それ以前のGavinは、ルネッサンスのツアーバンドがプロデビューであり、もっぱらセッション・ミュージシャン(かなり売れっ子)として生計を立てていたようだ。Jakkoと出会ってからは、共にDave Stewart and Barbara Gaskinのシングルや、Jakko1986年からの第31986年)シングル3枚に参加している。この中にはAnthony Mooreの「Judy Get Down」のカバーも含まれている。


1987年には、二人して仮名を使ってフランク・ザッパへのパスティーシュ・アルバム「Big Fish Pop-corn」をThe King of Oblivion名義で発表している。1988年に発表したDizrhythmia名義での同名アルバムはこの二人の他にベースDanny Thompson、パーカッションでPandit Dineshがメンバーであり、インド音楽のフォーマットに西洋音楽を載せるという試みで、非常に心地の良いん学を作りだしている。Dizrhythmiaは2枚目のアルバムを録音したが、メンバー全員が超多忙なため、リリースまでに時間がかかり、2016年になってようやく発表された。こちらは歌ものの比率が高くなっており、Jakkoのファンにはとてもうれしい内容だ。また、


Gavinは、現在、King Crimson以外に2つの正式メンバーで参加しているバンドがある。Porcupine TreeThe Pineapple Thiefだ。ともにGavinにとって大切なバンドのようだ。またベースを中心としたマルチ・インスト奏者の05Ricとの連名のアルバムも3枚出している。私は05Ricの弾くぐにゃぐにゃ、ぬめぬめといった感じのベースと歌が肌に合わなかったので1作目しか聴いていないが、本人たちはよほど相性が良かったようで3のアルバムを発表しライブも行っている。


Gavinの完全なソロ作品としては、1997年の「Sanity & Gravity」がデビュー・アルバムで、JakkoDave Stewartに並んで元JapanMick KarnRichard BarbieriGary Sanctuaryなどが参加している。そうそうMick Karnのソロ・アルバム「The Tooth Mother」(1995)でのGavinの活躍も要注目だし、Richard Barbieriとの付き合いはPorcupine Tree よりも古いことが分かる。


Jakkoは、Richard Barbieriは、Mick KarnSteve Jansenと共に1994年にJakkoの単独名義で「Kingdom of Dust」というミニアルバムを発表している。90年代、JakkoGavinRichardMickFバッティアートやアリーチェなどイタリアのミュージシャンのアルバムにも多数参加しているので、その頃にGavinRichard Barbieriが親交を深めた可能性は高いだろう。


ちなみに、JakkoGavinは、日本の清水靖晃のアルバム「Adunaにも二人で参加している。Jakkoに限定すれば、「恋に落ちて」で有名な小林明子がロンドンで本名「Hori名義でリリースしたアルバム「Under the Monkey Tree(1994)2作目「Dreamscape」(2005)にも参加している。


Gavinのソロ2作目は2015年と随分と間が空いてしまったが「Cheating The Polygraph」という作品を発表している。PT楽曲をブラス中心のアレンジで聴かせるという野心的なものだ。JakkoPTメンバーは参加していないが、Dave Stewartの名前を見ることはできる。


さて、クリムゾンに話を戻そう。

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オリジナル・メンバーはFrippだけだが、Mel Collinsがそれに次ぐ古株で、あとはTony LevinPat Mastelottoの順に古参組となる。FrippMelいることで、リード楽器の役割は十分に埋まっている。Jakkoは歌に注力するしかない。今回の公演を見て、本当はもっとギターを弾き倒したいのではないだろうかとふと思ってしまった。Allan Holdsworthの元に押しかけて、Allan公認でその奏法を見て覚えたJakkoのギターは、元々のカンタベリー的センスと合わさって結構好きなので、クリムゾン風ではないソロをぜひ弾いて欲しいものだが、きっとFrippは、それを好きではないのだろうなぁ、と想像している。Frippには、かつてMatching Moleのアルバム「Little Red Record」のプロデュースでPhil Millerのギターを徹底的に抑え込んだ実績があるのだから。


やはり、完全新作を期待したい。メンバーがそれぞれ曲を持ち寄って、それをクリムゾンに仕上げていく。その過程こそがダイナミックなクリムゾン・ミュージックを生み出すのだと信じている。



# by inVox | 2018-12-22 15:07 | ■Music

あぁ、ついに終わってしまった、9年ぶりとなるデイヴ・スチュワート&バーバラ・ガスキンの日本公演が。4泊5日の来日は、帰国のフライトが早いこともあり、前日の夜が最後の挨拶となった。


彼らが到着したのはコンサート前日。そろそろ到着した頃かな、とベレンに歓迎メッセージを送るとちょうどのタイミングだったので、デイヴとバーバラによろしくと伝言。すぐに返事が来て二人からもハローと伝えてきてくれた。いよいよ明日だ。


ステージのセットアップ中のところに合流し、一区切りつくまでの間に、エンジニアのテッドに挨拶。渡していなかった前回2009年の公演時のお土産本を手渡した。すぐに開いて、懐かしい写真に声を上げていた。今回の会場のスタッフも写っており、しばらく盛り上がっていた。セットアップがひと段落したので皆でコーヒーを飲みながら挨拶。今回の私製ツアーブックを手渡すと、とても喜んでくれた。特にベレンは彼の写真やディスコグラフィが載せられていることに驚いてくれた。全員からサインをもらった1冊は私の宝物となった。そして、リハーサルが進み、本番へ。


Dave Stewart & Barbara Gaskin Livein Japan 2018


20181019日(Fri.) 青山 月見ル君思フ


<1st Set>

1. Wings on Our Shoes

2. The Emperor's NewGuitar

3. Heavy Heart

4. Hold On To TheChain

5. Levi Stubbs' Tears

6. The Arms ofMiklosko

<2nd Set>

7. Like The Ocean

8. Summer In The City

9. I'm In A DifferentWorld

10. Time's Arrow

11. Afraid Of Clowns

12. Roads Girdle The Globe

<Encore>

13. Shaking All Over

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20181020日(Sat.) 青山 月見ル君思フ

<1st Set>

1. Hold On To TheChain

2. The Emperor's NewGuitar

3. Heavy Heart

4. Ride The HighAtlantic Wind

5. Levi Stubbs' Tears

6. The Arms ofMiklosko

<2nd Set>

7. Rene and GeorgetteWith Their Dog After The War

8. Wings on Our Shoes

9. Drizzle Cloaks

10. The Cloths Of Heaven

11. Afraid Of Clowns

12. Walking The Dog

13. Shaking All Over

<Encore>

14.  I'm In A Different World

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20181021日(Sun.) 青山 月見ル君思フ


<1st Set>

1. Wings On Our Shoes

2. Drizzle Cloaks

3. Heavy Heart

4. Ride The HighAtlantic Wind

5. Levi Stubbs' Tears

6. Summer In The City

<2nd Set>

7. Rene and GeorgetteWith Their Dog After The War

8. Like The Ocean

9. I'm In A DifferentWorld

10. The Cloths Of Heaven

11. Afraid Of Clowns

12. Roads Girdle The Globe

<Encore>

13. Shaking All Over

<2nd Encore>

14.  The Arms of Miklosko


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1019日は、初日であると同時に、後から発表された追加公演で、終演後にはファン・イベントもある特別な日。後から見てみると1曲少ないセットだが、新作からの楽曲を中心に、ライブでは初めて聴く曲がずらりと並んでいて、9年前や17年前あるいは27年前に演奏したことがある曲も、イントロやアレンジが変えられており、文句なしに大満足のステージだった。


新作「スター・クロックス」からは6曲。これは、8月24日のロンドン公演のセットリストから予想できたので、違う曲の可能性も踏まえて、直前に出たばかりのアルバムを何度も聴き込んでいた。ロンドン公演の演奏を聴いたわけではないので、比較はできないが、きっと日本公演の方が何倍も素晴らしい出来だったに違いないと信じている。


私が驚き、かつ嬉しかったのは、バーバラの声がとても力強くて、ある意味、前回2009年の公演の時よりも強く、しなやかに、美しくなっていたことだ。後でデイヴにそう言ったら、ロンドン公演の前から相当に練習を重ねたし、ベレンを指導する上でも相当にトレーニングしたからだよ、と言っていた。いやいやデイヴもバーバラも1950年生まれとは思えないエネルギーを放っていたのだ。ちなみに、ベレンの指導に当たってバーバラはかなりスパルタだったとのこと。とても優しいバーバラだが、こと音楽となると大変厳しい先生になるようだ。


ちなみに、新作「スター・クロックス」からは6曲と書いたが、それは各公演日における演奏曲数である。3日間を通じて見てみると、実は全9曲中8曲が演奏されている。そして、初日にだけ演奏された曲が「タイムズ・アロウ」だ。この素晴らしいバラッドはこの特別追加公演の非にだけ演奏されたので、この日を見た人は幸運だ。ただし、初日にだけ演奏されなかった曲もある。それは「ドリズル・クロークス」と「ライド・ザ・ハイ・アトランティック・ウインド」だ。20日と21日にはそれらが演奏されている。


また、新作からの楽曲の中でも、「ドリズル・クロークス」と「タイムズ・アロウ」はロンドン公演では演奏していない。日本でのみ演奏した楽曲だ(ちなみに新作から唯一演奏されなかった「エヴリシング・シングズ」はロンドンでも日本でも演奏されていない)。いずれも素敵な曲だけに、すべて聴けた日本のファンは幸せだと言っていいだろう。


"Star Clocks" (2018) DaveStewart & Barbara Gaskin

1. Wings On Our Shoes

2. Ride the High Atlantic Wind

3. Drizzle Cloaks

4. Summer in the City

5. Heavy Heart

6. The Arms of Miklosko

7. Everything Sings

8. Afraid of Clowns

9. Time's Arrow

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「珍しい曲」が多いと書いたが、例えば「ホールド・オン・トゥ・ザ・チェイン」は、2001年の来日時の特別記念コンピレーションCDRが後に正式に発売された「TLG コレクション」にのみ収録されている曲だ。このアルバムは未発表曲や未発表バージョンばかりだったので、海外でも持っている人は少ないかもしれない。


例えば「ライク・ジ・オーシャン」は、2011年にリマスターされて発売された「ザ・ビッグ・アイディア スペシャル・エディション」にのみ収録されたボーナス・トラックだ。それ以前に発売された同作には違うボーナス・トラックが収録されていた(この「スペシャル・エディション」シリーズ4作品は、すべてそれ以前のバージョンとはボーナス・トラックが異なっているので、単純なリマスターだけだと思っていた人は要注意)。


そして、ステージでひときわ目を惹いたのは、新メンバーのベレン・マシューズだ。とても若いギタリストだが、大変うまく、何よりデイヴが求めていたギター・サウンドを余すところなく満たしていて、バンドのライブ・サウンドをよりライブ感を増す方向へとドライブしていた。なおかつ、彼は、大変ユニークなオリジナリティも持ち合わせている。数少ないソロの場面では、驚異的な個性たっぷりのソロを展開して観客を圧倒していた。加えて、とんだり跳ねたりと、ステージでの動きが激しく、大きく、バンドに若々しい空気をもたらしてくれている。論より証拠で、開演前は見向きもされていなかった彼のバンド「GRIP-LIKE VICE(グリップ-ライク・ヴァイス)」の6曲入りミニ・アルバム「ゲット・スーパー」が、ライブ後には次々に買われていったのだ。


そのベレンが大好きなバンドXTCのカバーである「Roads Girdle the Globe」を今回演奏してくれたのだが、ベレンが生き生きと演奏していたのはもちろん、デイヴもまたXTCはカバーするほど好きなので、二人の趣味が一致した結果の選曲だったようだ。ロンドンでは演奏していなかったこともあり、エンジニアのテッドも「まさかこの曲をやるなんて!」と大変驚いていた。アルバム「アズ・ファー・アズ・ドリームズ・キャン・ゴー」に収録されているので、録音されたのは1986年以前と思われるとても古い楽曲だ。


また、旧知の曲であるはずの「アイム・イン・ア・ディファレント・ワールド」は、イントロ部にデイヴの即興演奏が加えられ、かつ、デイヴの要請でサビのタイトルを繰り返すところでミラーボールを回すという演出が効果的だった。この演出はロンドンでもやったそうだが、ロンドンでは照明係がちょっと失敗したのだとのこと。照明の演出はこれだけではなく、静かな曲では暗くするところや、「アフレイド・オヴ・クラウンズ」の最後のところはリフに合わせて明滅させるなど、何か所かは細かく指示を出していた。なので、2日目3日目の公演の中で、デイヴが「Yuka!」と照明係の女性を褒め称えるように紹介をしていた。


驚かされたのはまだある。「シェイキング・オール・オーヴァー」は、「TLG コレクション」のでも、「アワー・ムーン」のバージョンとも違うアレンジを施してあったのだ。ドラム・ソロの場面では「ギャヴィン・ハリソン!」と紹介したり、ベレンと互いにドラムを叩く真似をしあってみたりと、最高にノリノリだった。


バーバラは、基本的には歌のみだったが、1曲だけ、ステージ後方に置いたおもちゃの鉄琴のようなものを演奏していた。どの曲だったかちょっと思い出せないが、今回のお宝シーンの一つであるのは間違いない。


次は、新作がなくても良いので、ぜひまた近いうちに来てほしいと切に願っている。彼らもぜひそうしたいと言っていた。


<ロンドン公演セットリスト>

2018年8月24日、Bush Hall, London


<First Set>

 1. Wings On Our Shoes

 2. The Emperor's New Guitar

 3. Heavy Heart

 4. Ride the High Atlantic Wind

 5. Levi Stubb's Tears

 6. Arms of Miklosko

<Second Set>

 7. Let Me Sleep Tonight

 8. Summer In The City

 9. I'm in a Different World

10. Cloths of Heaven

11. Afraid of Clowns

<Encore>

12. Walking the Dog

13. Shakin' All Over




# by inVox | 2018-10-23 15:46 | ■Music

フィンランドの姉妹デュオMIMMIT(ミンミ)が昨年2017年に、結成10周年を記念して発売したベスト・アルバム「Ystävyys」を聴くことが出来たのでご紹介しよう。ちなみにタイトルの意味は「ともだち」ということのようだ。幸運にも、4月に来日したパウリーナに頂いたので聴くことが出来た。


"Ystävyys" 2017 VLMedia


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1. Ystävyysnew

2. Delfiininew

3. Tänä iltan HATS, HATS HARAKKAINEN

4. PandaMaailmanYmpäri

5. Hats, hats harakkainenHATS, HATS HARAKKAINEN

6. Ayana ja Kemenew

7. PersikkapoikaMaailman Ympäri

8. Minä soitan harmonikkaaMuskari

9. Hauen sanallanew

10. Vaarilla on saariMuskari

11. ElefanttimarssiMaailman Ympäri

12. Ystäväni, tuttavaninew

13. Muamon marjaHATS, HATS HARAKKAINEN


ベスト盤なのだが、曲を採用されているのは、「Maailman ympäri」と「Muskari」、そして、このベスト盤と同時にジャケットなどのアートワークを一新して再発されたデビュー・アルバム「HATS, HATS HARAKKAINEN」の3枚からとなっている。



しかし、本当に注目すべきは、このアルバムがただのベスト盤ではない事だ。何と全13曲の中に、新曲が5曲も収録されているのだ。新曲は、1、2、6、9、12である。すべてのアルバムを持っている身としては、この5曲が大変気嬉しかった。



新曲は、弾けるような音楽という言葉がまさにぴったりくるが、いわゆる若者の青春を謳歌する、という感じではなく、少年少女の、あるいはもっと小さな子供たちのエネルギーに近いと言った方がしっくりくるだろう。デビュー・アルバム「ハッツ・ハッツ・ハラカイネン」からすでに10年ということで、各アルバムからの楽曲と聴き比べてみると、作品ごとにピュアさが増していっているのが分かる。



MIMMIT ディスコグラフィ

 1.HATS, HATS HARAKKAINEN2008

 2.Maailman Ympäri (2011)

 3.Vuodenajat (2013)

 4.Muskari (2015)

 5.Ystävyys (2017)

 6.HATS, HATS HARAKKAINEN
2017 Reissue with new artwork



ということなので、再発された1枚目も紹介しておきます。ジャケットに描かれた女の子(そう、MIMMITとは女の子という意味だそうだ)二人のキャラクターが2枚目以降に使用されているものに替わっている。発売当時はまだアニメ化の話がなかったころだったためだろう。パウリーナ・レルヒェによれば、このアルバム、フィンランドにおいても、長いことほぼ入手不可能な状態になっていたのだとのこと。





HATS, HATS HARAKKAINEN
2017 Reissue with new artwork

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1.Hats Hats Harakkainen

2.Tänä Iltan

3.Hauen Sanalla

4.Jo Mie Viikon

5. Katrillin Poika

6. Kaksitoista Kaarnetta

7. Tanssi Poika

8. Kuninkaan Tyttäret

9. Pakkasherra

10. Muamon Marja (Kehtolaulu)


以前のジャケットはこちら

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前回の来日公演は、2015年の11月だった。伊勢丹のクリスマス・キャンペーン・ソングとなった「レット・キッス」が新宿の街に鳴り響いていたが、今回、4月に東京ビッグサイトで開催された展示会「ライセンシング・エキスポ2018」で、有限会社ガイアが日本でのブランド取り扱いを始めるにあたり、プロモーションのためにMimmitを呼んだのだが、残念ながらコンサートは行われなかった。実際、来日したのはパウリーナ・レルヒェと、妹ハンナマリ・ヴィッラが仕事で忙しいときの代役であるサラ(Salla-Marja Hätinen)の二人だけで、トゥオマスやユッカ、アンティは来ていない。



この時、フィンランド大使館で、日本でのライセンシング契約締結を記念したプレゼンテーションを行った様なのだが、残念ながら関係者のみということで、パウリーナがフェイスブックにアップした短い動画(「Maailman Ympäri」に収録されている「さくら」の日本語版をサラがメインで歌っているもの)だけしか見ることが出来ないのは残念至極。



契約を結んだガイア社の挙げている説明文には以下のように書いてある。



"Mimmit is an unique Finnishchildrens brand full of folk tales and music.Backed by outstanding music and a distinct art style, the Mimmit brand promotesan interest in various cultures placing heavy emphasis on teachingenvironmental and social concerns to young children. The multi-faceted Mimmitbrand includes animation, live action TV-shows, books, CDs, live concerts,educational materials and a textile collection." GAIAINC.



これによると、今後、日本で、アニメーション、生放送TV番組、本、CD、ライブ・コンサート、教材、テキスタイルなどを取り扱うとなっている。嬉しいが、コンサートをどういう会場で、どんな規模でやるのか、プロモーション活動はどの程度なのか、など、気になって仕方がない。特にMimmitは英語圏でもイギリス人の歌手二人を採用して英語版のTV番組フォーマットをライセンシングしたりしているので、日本語版でも日本人の歌手を採用するのではないか、と心配している。個人的には本人たちが一番いいからだ。パウリーナとハンナマリの姉妹ならではのハーモニーは最高だ。彼女たちの声も唯一無二の魅力にあふれていて、その辺りの魅力が失われてしまうのではないかと危惧している。



あぁ、出来るなら、また来日公演をやってほしい。




# by inVox | 2018-05-14 17:39 | ■Music
何かを書きたくなる音楽。久しぶりの感覚だ。

Thierry Lang, Heiri Känzig, Andi Pupato Trio
Japan tour 2016 Spring

22nd evening: Pit-inn, Shinjuku, Tokyo
23rd matinee: Nardis, Kashiwa, Chiba
23rd Evening: Karura Hall, Kyodo, Tokyo


Set;

1. Embrace
2. Mosquito Dance
3. Open Bonds
4. Mother
5. Moby Dick
6. Traces
7. Heiri Känzig solo - Bass Song (Heiri Känzig)
8. Tender Waltz
9. Swiss Mountain Smells (Heiri Känzig)
10. Moments in Time
11. Andi Pupato solo - Wandering Words
--- encore ---
12. Summertime (George Gershwin)

1,2,3,5,6,7,8,10 from the album "Moments in Time"
4,9,11 from the album "Serenity"
12 is a Jazz Standard arranged by this trio


ティエリー・ラング(p)、ハイリ・ケンジヒ(b)、アンディ・プパート(per.)のトリオ。

いわゆるピアノ・トリオとは打楽器が異なっている。通常はキット・ドラムスを用いることがほとんどだと思うが、アンディの場合は、カホンを椅子代わりに、薬缶のようなシルエットの不思議な手作りの金属製の打楽器をメインに据えている。一部にいわゆるドラムヘッドのような皮を張った部分があったり、丸い穴があけられていたりする。薬缶の口のような、煙突のような部分が内部で反響した音を効率よく客席の方へと誘導しているようで、その煙突から内部にピックアップが挿入されている。皮の部分をたたくとインドのタブラのような高い音も出せるし、穴の部部をふさぐように叩くとやはりタブラのような深い低音が響く。表面をさすると素焼きのツボのような音も出せるし、指先で叩くと金属的な軽い音が鳴る。このメイン楽器の両脇には片皮の大きなハンドドラムのようなものが左右に一つずつ配置されていて、左側が少し小さく高めの音を。右側は大きくて低い音を出せるようになっている。それらを覆い隠すかのように大小さまざまのシンバル類が左右に広がっていく。右側が大型のものを中心にライドや極薄など4,5枚ほど。左側はものすごく小さいものまで5,6枚ほどがそれぞれスタンドに付けられている。左側にはさらにすだれのように小さな金属パイプをぶら下げたパーカッションが3,4種類。縦に超小型のシンバル状のものをひもに通したものが2種類ほど。いわゆるベルの形をしたものが数種類。輪っか状のひもに木の実だろうか木製の小さな殻が数珠のようにつけられたものもある。それとは別にさらにたくさんの木の実のようなものを大量に網に付けたようなじゃらじゃら言わせるものが太古の上に於いて在り、足元にはペダルで操作する金属(タンバリンについているようなもの)が3段2列になったもの(ハイハットのような使い方をしていたようにも思えるがライブ中は足元は前のお客さんの影になって見えなかった)。数種類のシェイカーも用意されていた。そして、新作の1曲目にして、ライブのオープナーでの特徴的な音となったアフリカの民族楽器である親指ピアノ(普通に楽器のネット通販で買えるものだと言っていたが、どうやらドイツのメーカーのものらしい)にピックアップを自作で付けたもの。そうそう、小型の太古のリムの部分に付けられていたのはピックアップの一種らしく、そこから足元のエフェクターにケーブルが伸びていた。MIDIなのか、単純にトリガーだけだったのか不明だが、電子音を流すときにはそれを介して操作していたように見えた。いずれにしても本人もあまりにもたくさんの小物楽器が多いのでごめんね、と言っていたくらいの数と種類だった。私の記憶から漏れているものもまだまだあるに違いない。

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前回の来日は2014年の2月と9月だったが、その時はこの3人での初めてのアルバム「セレニティ(Serenity)」の発売前と発売直後というタイミングだったこともあり、演奏された楽曲は大半が「セレニティ」からのもので、それ以外に「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」や「サマータイム」「ナポリ」「ブルース」が演奏されたが、9月の公演で、1曲だけ新曲として紹介されていたのが今回のアルバムのタイトル曲「モーメンツ・イン・タイム」だった。

今回のツアーでは、新作「モーメンツ・イン・タイム」から、全9曲中8曲を演奏したのだが、それらに加えて前作「セレニティ」から3曲「マザー」、「スイス・マウンテン・スメルズ」そして「ワンダリング・ワーズ」が演奏された。特にうれしかったのは、ハイリ作曲の「スイス・マウンテン・スメルズ」だった。この曲は前回は演奏されていなかったのだ。

さて、オープニングを飾った「Embrace」。アンディの親指ピアノにハイリのベースが絡み、そこにティエリーのピアノの高いキラキラした音が乗ってくるイントロは、やはり素晴らしいとしか言いようがなかった。そしてメインとなるピアノのフレーズが入ってくる瞬間のカタルシス。この曲が今回一番聴きたかったのだ。

2曲目は「蚊のダンス」ティエリーのどこまでも軽い左手のコードの刻みに右手が自在にメロディを載せていく。ハイリのソロもユニーク。そしてさりげなく、しかし、この曲の胆でもあるアンディのパーカッション。気持ちいい! 3曲目にはアルバムの流れとは違った「Open Bonds」が配されていた。これもゆったりとしたリズムが気持ちよく、ベースの解放弦を上手く使いながら、ハイリが左手でベースのボディを軽くたたきながらアンディと掛け合いのようなことをやっていた。4曲の「マザー」はティエリーのピアノでのイントロがアドリブになっていて毎回違った。この曲で一息つくような感じだ。

そして、大曲「モビー・ディック」。クジラの鳴き声はハイリがベースのハーモニクスを上手く使いながら弓で擦って出している。なるほど。大海原でのクジラの雰囲気がのっけから全開だ。ある意味シンプル極まりないのだが、いつまでも聴いていたくなる不思議な曲。アルバムの中でも白眉だったが、ライブでもハイライトの一つだった、続く6曲目「トレイシズ」では、ハイリがベースの1,2弦に(2,3弦だったかも知れない)木製の洗濯ばさみのようなものを取り付けてから始まった。これって、その昔見たフレッド・フリスがギターに金属製の洗濯ばさみを付けていたのと同じ発想だ。プリぺアド・ベースだ! こういう仕掛けでアルバムでのあの音が出来ていたのか!ととても驚かされた。そして、その驚きを残したまま(洗濯ばさみは残さずに外して)、7曲目は、ハイリのソロだ。げっ、凄い! とんでもないひとだ。うわぁ、やられた~。と思っていると、そのまま和やかな「ベース・ソング」のイントロへと切り替える。この落差の激しいこと。思わず笑みがこぼれた。この曲がまたいいんだなぁ。この人の作曲はとても好き。
ハイリのソロの次は、ティエリーのソロ。これもまたすごい。短めだけど、そのまま「テンダー・ワルツ」に繋げていって、緩急自在。やはりこの人の作曲センスとアレンジのセンスは並外れて素晴らしい。
9曲目に再びハイリ作曲の「スイス・マウンテン・スメルズ」では弓を使ったイントロから爽快なスイスの風景が苦も無く浮かぶ。あぁ、いっぺん行ってみたいなぁ。アンディにもおいでよ、泊めてあげるからと誘われているしなぁ。行きたい!という思いが強くなった1曲でした。そして、ティエリーのピアノからタイトル曲「モーメンツ・イン・タイム」。ある意味、ライブでは経験済みなので、今回はむしろ安心して聴けた。安心して、というのはちょっと変だが、「馴染み」の感覚だと言えばわかるだろうか。「最後の1曲の前にもう一度紹介しよう」とメンバー紹介をティエリーが行い、いよいよラスト「ワンダリング・ワーズ」。これにはアンディのソロがイントロに付加されていて、これがまた素晴らしい。一般的なドラム・ソロとは違って、基本はカホンと薬缶もどきを中心に金物が載る感じだ。いや面白い。そして曲はもう大好きな曲なので気分はノリノリ。終わった時にはウォー!てな感じになってしまった。

アンコールは1曲のみ。それが前回も演奏した「サマータイム」。ハイリのベースによるイントロは、初めて聞いた時にはこの有名な曲だと分からなかった。左右の手でボディを叩いて軽快なノリを出していく。Nardisではティエリーが悪乗りして、観客に手拍子を打たせてハイリを煽ったりして、無茶楽しい演奏だった。

このトリオ、全部の曲に共通して感じるのは、特に難しい構成だとか、難しい顔をしての演奏がなく、基本構造が取ってもシンプルなものが多いことだ。だから、とても耳に馴染み易い。だけど、今までこんな演奏聴いたことがない、と思わせる。いつまでも聴いていたいと思わせる不思議な音楽だ。どの曲も主旋律はとてもシンプルで優しい。それを何度も繰り返す。崩す。戻る。こう書くとなんだか普通に思えるが、とんでもなく普通じゃない。不思議だ。

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# by inVox | 2016-04-26 11:40 | ■Music
久しぶりの「ソロ」公演。2002年のお台場メディアージュ以来となるのだから12年振りか。当時の写真のネガが出てきたので、あらためてプリントしてみたら、良く見知った顔がみな若い。中でもリチャードが一番若く見えた。

今回は、アコースティック・ギターと、ベースとギターのダブルネック・エレキを持ってきていて、このダブルネックでの演奏がどんなものなのか、とても興味があった。リチャード独特の硬質な音質設定で、ハーモニクスを多用した奏法は相変わらずだが、演奏技術は全く衰えていない。今年66歳になると言っていたが、声も、多少低くなっていたものの依然として「魅惑のカンタベリー・ヴォイス」そのものだ。サウンド・チェックでは、以前と変わらず「ドゥヴィダッタラッタラ~」とハミングで適当なメロディが次々に飛び出してくる。ギターも適当にコードやハーモニクスを掻き鳴らしている。かと思えば、おなじみの曲のメロディを口ずさみ、演奏する。まったく、これだけでも楽しくなるというものだ。

開場して、お客さんがほぼ入場してしまった頃、いきなり飲み物をもらいに出てきて、旧知のファンと旧交を温めたりしているし、あと3分で始まると言えば、客席の際前方に座って、突然の前説を始める。そして時間だ。そのままステージに上がって始めようとして初めて楽譜を楽屋においてきていることに気が付いて取りに戻る。やれやれ。最初に私がプレゼントした私家版ツアーブックを客席に見せてくれた。そして演奏が始まった。


Richard Sinclair Live at Mame Romantic, 19 Apr. 2014

1. Hatfield Medley: Licks for the Ladies - Bossa Nochance - Big Jobs No.2
2. Share It
3. What's Rattlin'
4. Only the Brave
5. Plan it Earth
6. Keep on Caring
7. Emily
8. Out of the Shadow...
9. Felafel Shuffle
10. Halfway Between Heaven and Earth
11. It Didn't Matter Anyway
12. Golf Girl
13. Hello Hello
14. Over from Dover
15. In the Land of Grey and Pink
16. Disassociation


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今回の最大の驚きは、曲がよく準備されていたこと。これだけの曲数を歌詞カードのファイルと、コード進行を書いたファイルの2冊を譜面立てにおいての演奏だったが、きっちりと演奏してくれた。歌詞は、割とまともに歌ってくれた方ではないだろうか。もちろん、途中であやしくなってハミングとごちゃごちゃになったりする曲も多いのだが、歌詞をちゃんと歌っている割合が結構高かったのではないかと感じた。

前々日に日本につき、その足で上越に行って、地元のFMラジオ局に出演。その日の夜にはラ・ソネというお店でライブ。中一日を置いての公演だったわけだが、どうも、その間にどこかで風邪を拾ってしまったようで、時々声が裏返ったり、咳をしたりしていたのが少し気になった。だが、本調子ではないにも拘らず、公演は感動的で、来ていたお客さんも、公演終了後に不満を漏らした人はいなかったと思う。

ソロで、弾き語りで、というスタイルが、キャラバンやハットフィールズの曲に合うのだろうか? という疑問・不安は多少あったのだが、実際の演奏を聴いてみれば、本来これらの楽曲を作ったリチャードが演奏していることもあってか、まったく違和感がなかった。というか、逆にこのバージョンも十分にありだな、と思ったのだ。もちろん、バンドでのバージョンとの対比において、最もそのコントラストが映える、という意味においてだ。

幸いにも、ほぼすべての曲が判別できた(メロディは知っていてもタイトルが出てこなかったのが少しあったけど)ので、その場でメモを取ってみたが、この人のレパートリーの広さが実感できるセットリストだ。これで、まだやっていないキャメルの曲やキャラバンの曲がある訳だから、二日間セットリスト日替わりで、なんていうのも存外難しくないのかもしれないなぁ、と思った。定番とも言える人気曲も多いので、要所要所をそれらで決めて、後は適当に選んでも満足できちゃうからなぁ。

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ライブ終了後もすぐに出てきてサイン会状態。会場の都合で途中で場所を店の入り口のすぐ外に移したが、かなりのファンがサインをもらい、写真を撮っていた。その後、会場を後にして一旦ホテルへギター類と共に戻っていった。
# by invox | 2014-04-24 15:39 | ■Music
Thierry Lang, Heiri Kanzig, Andi Pupato Trio 日本公演初日
(横浜エアジン、2014年2月5日)

素晴らしい公演だった。前半、後半に分かれた構成で、極めて美しくも、その芯においてとても力強い音楽を堪能させてもらった。
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もともと、パーカッションのAndy Pupato目当てだったのだが、ピアノのThierry LangもベースのHeiri kazigも、想像をはるかに超えて素晴らしかった。始まる前のステージを見ると、パーカッションは、いわゆる普通の太鼓類は用いず、カホンと金物類を中心に構成されていて、音的には随分と軽いものが多いなぁという印象だったのだが、演奏が始まってみると、軽快な響きながら、目の前に浮かぶのは、緑の大地であり、森であり、川であり、起伏にとんだ山々なのだ。それらが、まるで自分が鳥にでもなったかのように、滑らかに流れていく。時に岩があり、滝があり、断崖や台地が現れる。地球そのものだ。
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その上で、ベースが鳴ると、それはまるで人々の動きのようだ。眼下に人々の生活が繰り広げられている。楽しげに、命に満ち溢れている。「人間」を強く感じさせる、存在感の強い人々だ。時に歌い、時に笑い、時に黙々と働いている。
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そして、ピアノ。見ているとそれはまるで、光のようであり、風のようであり、宙に舞う花弁のようでもある。時々鳥たちが現れる。カラフルだが、原色ではない美しい色たち。くるくると表情を変えながら、落ちることなく宙を舞い続けている花弁のようだ。
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ジャズのピアノトリオ、というものに対して持っていた私のイメージとは大きくかけ離れた音楽がそこにあった。

美しく、強い。

主催者のブログでもレポートされている。

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公演終了後に、アンディ・プパートと少し話をすることが出来た。彼が日本に来るのは7回目だそうだ。その内、3回はChico & the Gypsiesでの来日、2回はRoninとして、と言っていた。私は残念ながら、Roninでの1回しか見たことがないのだが、その1回があまりにも強烈に印象に残っているので、今回の公演も見に来たのだ。見て正解。これほど確信を持って言えるのは、彼らの音楽がとても素晴らしいものだったからだろう。出来ればもう一回見たいのだが…。
# by invox | 2014-02-06 17:04 | ■Music
「エンダーのゲーム」(2013 米)

e0006365_11262656.jpg監督ギャビン・フッド
製作ジジ・プリッツカー
  リンダ・マクドナフ
  アレックス・カーツマン
  ロベルト・オーチー
  ロバート・チャート
  フリン・ヘンディ
  オースン・スコット・カード
  エド・ウルブリッヒ
原作オースン・スコット・カード
脚本ギャビン・フッド
音楽スティーブ・ジャブロンスキー
キャスト
  エイサ・バターフィールド(エンダー・ウィッギン)
  ハリソン・フォード(ハイラム・グラッフ大佐)
  ベン・キングズレー(メイザー・ラッカム)
  ビオラ・デイビス(アンダースン少佐)
  ヘイリー・スタインフェルド(ペトラ・アーカニアン)
  アビゲイル・ブレスリン(ヴァレンタイン・ウィッギン)
  アラミス・ナイト(ビーン)
  スラージ・パーサ(アーライ)
  モイセス・アリアス(ボンソー)
  カイリン・ランボー(ディンク)

e0006365_11271057.jpg本を読んだのは一体何年前だろうか。シリーズの邦訳をすべて読んできたが、まさか、これほど時間がたってから映画化されるとは思ってもいなかった。映画化の話を知った時にはきっと企画倒れになるだろうと思っていたのだ。

カード自身がプロダクションに名前を連ねているせいか、(すでに遥か記憶の彼方になってはいるが)本で読んだ内容から極端にはイメージがずれていなかった。後でブックレットを読むと、ビーンのこともかなり意識的に強調されていたようだが、視点があくまでエンダーに合わせてあるので、ブレはなかった。一つだけ気になるとしたら、視点がエンダーそのものではないことによる周りの子供たちや大人たちの描かれ方かもしれない。実際の映像で見てしまう以上、仕方がないが、カメラの視線は、見る側にある「わたし」の視線であり、それは「わたし」の実年齢からくる性質から逃れることはできないので、必然的にエンダーの視点で描かれている本とは異なるものが見えてしまうのだ。ピーターやボンソーなど、実際のエンダーの視点であれば、きっと、もっと違って見えたのだろう。それは、両親やグラッフ大佐などについても同様だ。もはや自分がエンダーと視線を共有できるほど若くはなくなったのだということを実感してしまったことに軽くショックを覚えた。

しかし、そういったことを考慮しても、この映画は見るに値した。原作を先に読んで知っていてもなお、そう思える映画化作品には、これまでであったことがない。「映画を先に見てから本を読むべき」というのが、小説を原作として作られる映画を見る場合の一番良い出会い方だと、これまでの経験から思っている私がそう思ってしまったのは、原作者が強くかかわっているからなのかもしれない。

ちなみに、私が見たのは字幕版、IMAX 2Dだった。吹き替えは絶対に避けたかったのだ。
# by invox | 2014-02-04 11:25 | ■Cinema/Movie
Steinar Raknes Live at Yagi-ni Kiku?,
Daikanyama, Tokyo 2013 Aug. 21st
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1. Killing the Blues *
2. Corrina *
3. Lonely
4. Deeper Well
5. Sweet Child
6. Stillhouse *
Woodstock (skipped)
7. Keep Holding On
8. Morning Song **
9. Mellizos ** / Twilight *

- intermission -

10. All My Tears
11. Woodstock *
12. Drench My Soul
13. Heart Of Saturday
14. All I Really
15. Speed of the Sound *
16. Wishing Well
17. I'm on Fire *
18. Never Let You Go
19. Walkin *
20. Angel

- encore -

21. Kiss *     
* 「Still House」収録
** 「Tangos, Ballads & More」収録


このセットリストは本人の自筆であるが、テーブルが濡れていたりで汚れてしまっている。開場した時点で、まだ前半のセットが完成していなかったので、大丈夫だろうかと心配していたら、前半終了後に後半のセットを検討し始めたのには驚いた。
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彼の歌のストックは、50曲程度あるそうだ。それを常時持ち歩いているらしいiPadに曲のタイトルが入れてあって、それらが簡単に並べ替えることが出来るようなソフトを使っていた。それをあーでもない、こうでもないと弄りながら、紙に書き取っていくのだが、書き終わった後に消したり、入れ替えたりもしていた。極めつけは前半でスキップした「ウッドストック」を後半のセットリストを決めた後に会場のファンからのリクエストで再度組み込んだことであろうか。なんとも臨機応変。素晴らしい。

ウッドベースを掻き鳴らしながら歌うのだが、話し声からは想像できなかった渋いう歌声だ。アレンジもベース一本とは思えないほど表情豊かなもので、カバー曲が目白押しなのに、まったく彼のオリジナル曲を聴いているかのような錯覚に襲われた。ピーター・バラカン氏が「はまった」のも頷ける。こりゃ、はまるわ。

前半でのお客の反応が良かったせいか、後半は見た目にもリラックスしているのがよく分かるほど遊びの幅が広がった。リクエストした女性に笑いかけたり、客に歌わせようとしたりと、とてもインタラクティヴでホンワカしたライブ空間が出来上がった。それでもベースを弾き倒す場面も十分にあり、楽器奏者としての彼を期待してきた向きにも十分アピールしていたのではないだろうか。とにかく上手い。派手なアクションはないものの、引き締まった体と端正な顔立ちは、客席に女性客もかなりいたことを納得させるもので、公演終了後に一緒に写真を撮ってもらっているファンもいた。前半と後半の間の休憩時間にもサインに気さくに応じていた。

これまでの公演を見逃してきたことが悔やまれる。

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チャンスがある人には、今日、明日の上越市と斑尾でのコンサートをぜひ見てほしい。また、スタイナーがメンバーになっているアーバン・コネクション(Urban Connection)のライブ(今週末の8/24(土)、8/25(日)、ともに新宿ピット・イン)も見に行きたいが、都合つかず。残念。こちらは、「ハイ・ヴォルテージ」。ベース奏者としてのスタイナーを堪能できるのになぁ。
# by invox | 2013-08-22 14:11 | ■Music
「オズ はじまりの戦い」(2013年 アメリカ)

監督 サム・ライミ
脚本 ミッチェル・カプナー、デヴィッド・リンゼイ=アベアー
原作 ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』
製作 ジョー・ロス
音楽 ダニー・エルフマン
撮影 ピーター・デミング
編集 ボブ・ムラウスキー
製作会社 ロス・フィルムズ
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
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出演:
 オズ(オスカー・ディグス) ジェームズ・フランコ
 西の魔女セオドラ ミラ・キュニス
 東の魔女エヴァノラ レイチェル・ワイズ
 南の魔女グリンダ ミシェル・ウィリアムズ
 フィンリー(声)/フランク ザック・ブラフ
 陶器の少女(声)/車いすの少女 ジョーイ・キング

オズの魔法使いは、ハヤカワから出ている邦訳は全て読んだ。もちろんボウムの手になるものだけだ。古い映画も見た。日本で制作されたアニメーションも見た。このアニメーションは、シリーズのかなりの所まで制作され、できばえも秀逸だった。だから、この作品も見ないで済ますことが出来なかった。

原作としてボウムの名前が挙げられてはいるものの、実際には本として書かれたものがある訳ではなく、原作シリーズの中で、いろんな場面で語られる断片から新たに脚本として起こされた「前日譚」の映画化である。なので、見前は不安があった。しかし、そこはディズニー。きっちりと仕上げてある。いや、面白かった。前半、モノクロでのカンザスのシーンは古い映画版「オズの魔法使い」を思い起こさせる。そして、オズの偉大なる魔法使いの誕生の秘密が物語られていくのには引き込まれた。まるでボウムの原作があるかのようだった。ドロシーが来る前の大人の視線でのオズの物語、とでも言えばいいだろうか。個人的には、陶器の少女が大変気に入った。特に声が。

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# by invox | 2013-04-17 14:42 | ■Cinema/Movie
「Buena Vista Social Club」(1999、独、米、仏、キューバ)

監督・プロデュース:ヴィム・ヴェンダース
出演・音楽・プロデュース:ライ・クーダー
音楽:ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ

ヴィム・ヴェンダースの映画は見ているようでそれほど多くないことンふと気が付いた。初めて見たのは「パリ、テキサス」の公開時。それに前後してドイツの監督特集で「ことの次第」「都会のアリス」。後に「ミリオン・ダラー・ホテル』と「ランド・オヴ・プレンティ」。見そびれてしまったのが「ベルリン天使の詩」(これは後からテレビで見た)。さきにハリウッドのリメイク版をそうとは知らずに見てしまったのだった。

完全にドキュメンタリー映画。なので、音楽に興味がないとつらいのではないかと思ったが、個々のメンバーの持つ個性や歴史が面白く、キューバ音楽に馴染みがなくも楽しめた。いや、ほんとに。

ライ・クーダーは息子と共に演奏しているが、息子もいろいろとキューバの老人たちから学ぶものが多かったようだ。ライがキャプテン・ビーフハートのバンドにいたことがあったというのも初めて知った。ま、それに限らず、様々なアーティストとのセッションをこなしているし、参加作品も多いので、特段取り立てて騒ぐことではないのかもしれあい。

初めてライ・クーダーの音楽を聴いたのは前述の「パリ、テキサス」だったと思う。強烈に印象に残っているスライド・ギターの音色。このブエナ・ビスタでは、ほとんどの場面でバックに回っているが、彼に対するメンバーの敬意や感謝が感じられる。

やはり、音楽映画は面白い。
# by invox | 2013-03-14 15:43 | ■Cinema/Movie