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「闇の船」サラ・A・ホイト

「闇の船」(Darkship Thieves)サラ・A・ホイト(著) 赤尾 秀子(訳)

e0006365_23585486.jpg久しぶりにジュブナイル的なSFを読んだ気がする。買ってから読み始めるまで気が付かなかったが、冒頭の献辞がハインラインに捧げられていた。訳者については良く知らなかったが、ハヤカワでのほかの訳書を見ると、SFと児童文学でいずれも少女達が主人公の作品を得意としているようだ。

で、感想。とても面白かった。直接的にイメージがハインラインのジュブナイルSFを想起させ、とりわけ「ポディの宇宙旅行」(今は「天翔る少女」か。これはごく最近、この同じ訳者で新訳版が出ている。以前の版はタイトルは違えど、中村能三 訳。私が読んだことがあるのはこちら)を連想させる。主人公の性格や家庭環境の設定がそうさせるのだろうか。そこに今風の科学技術的要素を取り入れたとでも言えばいいだろうか。ハイパー・バイオ・テクノロジーの成れの果てを扱ったダン・シモンズの「イリアム」シリーズよりはかなり単純な設定にしてあるが、結局科学技術の発展と人間の発展とのアンバランスを根底においた舞台設定。この辺もハインライン的だ。

ガジェット的な小物の名前などにハインライン作品からの引用があったりもして、ハインライン好きには結構楽しめる作品である。結構面白く読めた。他にも読んでみたいと思ったが、訳出されているのは現時点ではこれだけのようだし、他の多くの作品はSFではないようだ。

あぁ、本屋さんで「天翔ける少女」の新訳版を見つけてしまったので、買ってしまった。で、今読んでいるところ。
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by invox | 2011-05-13 00:02 | ■Books