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光と、影と、 レンブラント展 国立西洋美術館

「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」 国立西洋美術館

現在は既に上野での会期は終了し、名古屋市美術館にて、6月25日(土)~9月4日(日)の日程が予定されている。

レンブラントの印象は、光と影を巧みに表現した絵画、というものだった。実際にはかなり暗めの画面の中で人物なり何なりがある方向からの光を受けて印象的に浮かび上がる、という感じだろうか。その印象を持ったまま、その印象にそう作品を多数期待していたのだが、展示会ではむしろ、単色の版画がメインと言っていいものだった。そこは少し肩透かしを食った気分だ。だが、版画で、しかも金属版画でもこれだけの陰影表現が出来るのだ、というのは確かに驚きだった。

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油彩の印象がこれだけ強い画家が実は油彩よりも版画にこだわっていたというのは一体どういうことだったのか、というところにこだわってこの展示会を見るのも一興だが、個人的にはやはり油彩をもっと沢山見たかった、というのが本音だった。今回は私の知っている作品は一点もなかったのでかなり新鮮な感覚で見ることが出来たが、作品を見る上でひとつ気になったのは、版画はその特質上、ディテールをぼかすことが苦手だということに起因するのであろう「漫画化」。現代の我々は、これまでの長い美術の歴史の積み重ねの上にスタート地点を置く漫画を数多く目にしている。あるいは、作品の中で多くの美術作品が引用されたり、パロディとして登場していたりもする。そのことが、古い作品を見たときに、どうしても「漫画で先に見たことがある」印象を持ってしまう作品があるということに繋がってしまう。版画では特に「線」による描写がほとんどだ。それはつまり、漫画と同じ技法を用いていることが多い、ということなのかもしれない。だが、それでもレンブラント。見た後の印象は素晴らしいものだった。見ておいて損はない。
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by invox | 2011-06-20 12:44 | ■Arts