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「モーリス・ドニ展」損保ジャパン美術館

「モーリス・ドニ展」損保ジャパン美術館

ピーター・ハミル来日公演の合間に、同じくPH公演を見に来たお二方と見に行った。これまであまり強い印象はなかった画家だが、単独での展覧会は初めてだった。油絵とは思えない色使いやタッチが強く印象に残った。写実的な描写を敢えてぼかした様な人物の顔が特に印象的だった。

絵のテーマとなっているのはほとんどが子供、もしくは子供とその母親、姉妹といった感じで女性がほとんどだったように思う。途中に家系図も出ていたが、二人の奥さんとの間に、とても大きな家族を生み出している。絵画には孫まで登場するので、身の回りには常に子供たちがいたのではないだろうか。というか、そういう状態になるように努力したのではないだろうか。あきれるほどの子供好きが作品に現れている。

ほとんどの作品で見られる顔のぼかしだが、これはどういう意図があったのだろうか。もちろん、印象派的な手法だと言えるが、顔を精緻に描くことが下手だったわけではないようだ。ぼかされたその下にはとてつもなく写実的な描写が見て取れるからだ。ドニにとっては、もしかすると「個人」は必要なかったのかもしれない。「こども」がいれば、それが「だれか」というのはあまり問題にならなかったのではないだろうか。ましてや大人は、誰であろうが関係なかったのではないだろうか。ふと、そんなことを考えさせられた。
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by invox | 2011-10-10 15:52 | ■Arts