「黄昏の百合の骨」、「禁じられた楽園」 恩田陸
「黄昏の百合の骨」、「禁じられた楽園」 恩田陸
恩田陸は、いくつかの話を繰り返し違う視点から、違う時間から語り返す。シリーズものとして名前を付けている訳ではないが、同じ登場人物たちが微妙にずれた設定で何度も登場する。ひとつの話から触発されて生まれたバリエーション(変奏曲)とでも言うべき物語群。それが喜ばしいことなのか、残念なことなのか。いずれマンネリに思えてくることは避けられないだろう。それはまるで鮮烈な印象で登場したバンドのアルバムがどんどん初期のアイディアの焼き直しやセルフ・コピーになっていくのと似たような印象を与える。パート2やパート3を続ける大作。受け取る側にしてみれば、既に感動を約束されたも同然の安心感がある。だから売れる。バリエーションに「新しさ」があるうちはまだ大丈夫だ。
恩田陸は、いくつかの話を繰り返し違う視点から、違う時間から語り返す。シリーズものとして名前を付けている訳ではないが、同じ登場人物たちが微妙にずれた設定で何度も登場する。ひとつの話から触発されて生まれたバリエーション(変奏曲)とでも言うべき物語群。それが喜ばしいことなのか、残念なことなのか。いずれマンネリに思えてくることは避けられないだろう。それはまるで鮮烈な印象で登場したバンドのアルバムがどんどん初期のアイディアの焼き直しやセルフ・コピーになっていくのと似たような印象を与える。パート2やパート3を続ける大作。受け取る側にしてみれば、既に感動を約束されたも同然の安心感がある。だから売れる。バリエーションに「新しさ」があるうちはまだ大丈夫だ。
by inVox
| 2007-05-13 15:41
| ■Books