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「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」

「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」国立新美術館

「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」_e0006365_23275645.gif国立新美術館にはじめて行ってみた。常設展のない企画展示会だけの美術館。乃木坂駅から直結、六本木からは少しあるく。政策研究所と隣り合った敷地は広い。入り口を入ると巨大な吹き抜け。たくさんの人。いくつかの展示会が並行して開催されており、それぞれの入り口の近くにはコイン・ロッカーもあるが少ない。その割りに空いている。

「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」_e0006365_23295592.gifさすがに巨匠モネ。会場内は人で埋め尽くされている。どこかの中学校の集団が「どの作品が一番気に入ったか」を提出しなければならないらしく、一生懸命見て回っている。後はやはり団体の中高年のグループが大半。デートに来たらしいカップルも多い。落ち着いて見る、という意味では東京都美術館といい勝負か。

世界中から集められたと言うだけに、展示されている作品の数は膨大だ。年代別、テーマ別に並べられた絵を見てみると、この人、妙にヘタウマなところがあるように思えた。新古典派的な作品では立体感を出そうとして失敗しているように見える作品もある。印象派的な作品でも単に汚い、と言えなくもないものも。光と影を描こうとしているのは分かるがどうにも影の部分が暗すぎる、という作品は割と多い。気持ちは分かるけど、と言いたくなった。

「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」_e0006365_23302398.gif個人的な好みからはやはり明るい色彩の作品がよかった。有名な睡蓮の連作もいいのだが暗めの画面が多く、いまひとつ好きではない。点描という技法を発展させながらも他の作家とはかなり違っている。今回、同時に展示されている(部屋の配置に工夫がされていて、印象が混入しないよう配慮されていたのには感心した)他の作家の作品も、モネのもっている様々な要素を抽出しているようでおもしろかった。これだけの数の作品を一時に見ることができる、という経験は大学時代のミュシャ展以来かもしれない。貴重な体験だったが、結論としては、私はモネはそれほど好みの作家ではなかった、というところか。
by inVox | 2007-06-11 23:30 | ■Arts

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