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『英雄と王冠』  ロビン・マッキンリィ

『英雄と王冠』(1987) ダマール王国物語2 ロビン・マッキンリィ 作、渡部南都子 訳


e0006365_22344249.jpg「青い剣」と同様にめるへんめーかーのイラストがカバーになったシリーズ第2作目。主人公が前作の主人公の夢のお告げ(?)か幻影の中に登場した『伝説の』イーリン姫。ここでも姫はまだ10代半ばの少女だ。つまり、基本的には同じテーマの異なるバージョンだともいえる。ただ、人の人生が同じにならないように、同じ作家の書く小説で、同じテーマであっても、物語は別のものとして語られる。いや、そうならざるを得ない。

ざっと検索してみたところ、「青い剣」の方が好きだ、という人の方が多いように思えるが、確かに「青い剣」の方が小説としての作法がお行儀よく守られているように思える。「英雄と王冠」では後半が多少ざわついているように感じる。しかし、話のスケールからいくとこちらの方が格段に大きく、その分ファンタジー的には優れているように思える。しかも破綻がない。少女の日常との対比が大きなコントラストを生み、そこに王国の争いのような非日常的だが歴史的に見ればありふれた出来ことが重なっていく。ふ~。

残念なのは、本書で広げられた話の背景が、続編が出ていないことで宙吊りになってしまっていることだ。3作目が書かれることはないのであろうか。それだけが残念だ。「サンシャイン」がたくさん売れてくれれば、このダマール王国シリーズも復刊ということもあるのだろうか? いや、それよりも、この人の他の作品も訳出してほしいぞ。
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by invox | 2008-03-17 22:35 | ■Books