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「幽霊狩人カーナッキの事件簿」W・H・ホジスン

「幽霊狩人カーナッキの事件簿」W・H・ホジスン / 夏来健次 訳

e0006365_15353740.jpg「礼拝堂の怪」
「妖魔の通路」
「月桂樹の館」
「口笛の部屋」
「角屋敷の謎」
「霊馬の呪い」
「魔海の恐怖」
「稀書の真贋」
「異次元の豚」
「探偵の回想」(本邦初訳作)

"The Ghost Finder"であるトマス・カーナッキの冒険譚を友人ドジスンら4人が聞きにいく、というスタイルの短編集。あくまでも語り手はドジスンなのだが、カーナッキが語る場面のほうが圧倒的に多いので、ドジスンはまるでMCのようだ。真空管を用いた『電気式五芒星』とか『シグザンド写本』などの、いかにもな小道具も登場させながらも、単なる科学空想小説でもなく、かといって単なる恐怖・怪奇小説、という訳でもない。怪奇現象と思われたものが人間の仕業であったりと推理小説(しかもホームズ風)の側面も持ち合わせている。一言で言えば、とてもバラエティに富んだ短編集だ。

ウイリアム・ホープ・ホジスンは大好きな小説家の一人。なので、今回「完全新訳」+「日本では初めて紹介される」1篇が追加されたとあっては、旧版(角川版)を持っていたが買いなおして読み直した。訳はより現代的な文体で読みやすくなっている。追加された作品は、どうやら作者本人によるダイジェスト的な紹介を兼ねたようなもので、独立した一この作品とは言えないものだった。ちと残念。しかし、ホジスンは面白い。改めて読み直してそう思う。特に『口笛の部屋』や『異次元の豚』はとても気に入っている。『異次元を覗く家』を読んだことのない人は、ぜひこちらを先に読んでから読むことをお勧めする。豚だ、豚!
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by invox | 2008-05-05 15:35 | ■Books